チョコレートデザインの携帯電話、といえば日本でもチョコレートモチーフのドコモSH-04Bが人気商品となっている。一方「元祖チョコレート携帯」といえばLGの「Chocolate」だ。全世界でチョコレート旋風を巻き起こし、日本でも過去に発売された。そのチョコレート携帯がハイスペック端末として再び戻ってきた。それがこの冬に発売開始された「LG BL40」である。

次世代チョコレートフォン、BL40

LGのChocolateは同社のデザイン端末「Black Label」シリーズの初代モデルとして2006年に登場した。その後2007年に「Shine」、2008年に「Secret」と同社のデザイン端末シリーズは毎年モデルを変えて発売されてきた。ピアノブラックに赤いタッチセンサーが映えるChocolate、ステンレス素材とミラー液晶になったShine、そしてブルーに光るセンサーボタンと背面のカーボン素材を組み合わせたシックなSecretと、Black Labelシリーズは毎年のように新しいアイディアやデザインで大きな話題を集めてきた。Black Labelのおかげで、同社のブランドイメージも大きく向上する結果となった。

LGの新型チョコレートフォン「BL40」

市場から大きな期待が寄せられているBlack Labelだが、2009年モデルとして登場したのは、精錬された操作性とデザインが生まれ変わった新しいチョコレート携帯2機種だ。そのうちの上位機種であるBL40は特徴的な外観とパワフルなスペックを兼ね揃えたハイエンド端末として登場、また横長のワイドディスプレイを採用した特異的な外観が大きな注目を浴びている。

ウルトラ超ワイドディスプレイのLG BL40

BL40の本体サイズは128×51×10.9mmと細長の独特の形状をしている。この細身のボディーに4インチ345×800ピクセルの超ワイドディスプレイを搭載。従来の一般的な携帯電話と比較するとかなり縦が長いディスプレイサイズだが、BL40はそれをうまく使った操作体系を実装しており使いやすさと見やすい表示を両立している。

特に面白いのが本体を横向きにした際のメニュー画面。アプリケーションアイコンが4列×8行、計32個表示される様は壮観である。ひとつひとつのアイコンは視覚的にわかりやすいものになっている。何より、カラフルなアイコンがずらりと並んだ様を見ると「何かできそうだ」とわくわくした気持ちにさせてくれる。本体を縦に向けると一般的な3行×4列のメニュー表示となり、ワンタッチで3Dの立方体形状のメニューが回転する同社のフルタッチUI「S-Class UI」に切り替えることも可能だ。

また、内蔵のフルブラウザでは横800ピクセルの画面解像度を活かしてPCのWebサイトをそのまま表示可能だ。スケジューラーではカレンダーや時計を3つ並べたり、メール画面では左側にアドレス帳、右側にメール表示できるなど、横長の画面を十二分に活用したUI設計となっている。左右に広い画面はPCでマルチディスプレイ環境を使っているような感覚でもある。横方向のサイズに余裕があるため、メニュー画面や操作ボタン類を画面の左右に配置でき、物理的なボタンが無くても操作しやすくなっているというわけだ。もちろん縦方向の画面でもアドレス帳の写真を上下にスクロールさせながら連絡先を選べるなど、画面の向きを変えても使いやすい。

本体を横向きにするとアイコンがずらりと並ぶ

タッチパネルUIはまだまだ進化する

2009年は携帯電話のフルタッチ化が一気に進み、各社のフルタッチUIも使いやすいものが出揃った感がある。各メーカーのタッチパネル端末のディスプレイサイズは縦横比がTVと類似した4:3や16:9などの長方形サイズのものが大半で、そのサイズの中で操作性に優れたUIを各社が競い合って開発している。LGもフルタッチ端末向けには前述したS-Class UIの搭載を進めているところだ。

一方、BL40は縦横比率が21:9という横方向に大きく伸ばしたワイドディスプレイを搭載することで新しい操作体系を実現している。横長の画面の「余白」の部分にどんな機能を持たせるか、それが操作ボタンであったりサブメニューであったり複数のウィンドウであったりと、BL40は従来のフルタッチUIよりも自由度を高めたUI設計となっているわけだ。

BL40はデザイン携帯として登場したが、今後はこのディスプレイを採用した機種のバリエーション展開も期待したいところ。BL40のような常識にとらわれないディスプレイを搭載した端末の登場は、フルタッチ端末のUIをさらに進化させるものになるだろう。