【コラム】

海外モバイルトピックス

32 iPhone 3G Sへの買い替えでiPhone 3Gが中古市場に登場?

 

32/100

Appleから待望のiPhone 3G Sが発表された。これまで欠けていた機能の多くが搭載され、ハイエンドスマートフォンとしての魅力がさらに高まっている。併売される現行モデルのiPhone 3Gと合わせ、今年は昨年より市場シェアを高めることになりそうである。

弱点の無くなったiPhone 3G S

新しく発表されたiPhone 3G S。市場での反応は昨年のiPhone 3Gと比較するとだいぶ落ち着いた感じだ。確かに初代iPhoneからiPhone 3Gへの進化と比較すると、今回のiPhone 3G Sへのアップグレードは基本機能の充実が主なポイントであり、今のiPhone 3Gユーザーにとっても今すぐ買い換える必要は無いものかもしれない。

iPhone 3G Sはアジアでも連日IT系雑誌の注目の話題になっている

オートフォーカス&マクロ対応のカメラ、動画撮影&編集、文字のコピー&ペースト、PCと接続しモデムとして利用もできるティザリング、音声コントロール、ステレオBluetooth再生など、今回のiPhone 3G Sが備えた新機能の多くはすでに他社の携帯電話やスマートフォンで搭載されているものである。iPhoneは優れたモバイルインターネット端末だが、最近の高機能携帯電話やスマートフォンと比較すると遅れを取っている部分もあった。iPhone 3G Sでそれらの弱点部分がようやく追いついた、ということにもなる。

iPhoneユーザーのすべてが音楽やインターネットを楽しんでいるわけではない。iPhoneのスタイルが気に入りファッションとして利用しているユーザーの数も実は多いのだ。だが他社の高機能(あくまでもカメラなどの「単機能」の話であり、端末総合の機能の比較ではないことに注意)携帯からiPhoneに乗り換えると、カメラ機能などにはどうしても不満がでてしまうものだった。今回の機能アップでiPhone 3G Sは携帯電話として、より大きな魅力を持った製品になったとも言える。これまで以上に幅広い消費者にアピールできる製品になったと言えそうだ。

なおその他の機能強化点として電池の持続時間が延長された。Wi-Fi利用時には従来の1.5倍となる9時間もの利用が可能になり、音楽や動画再生時間も増えている。一方で音声通話時間は3Gで5時間と変わっていない。高速なCPUを搭載したことを考えれば十分努力しているところだが、現行製品でも実際に1日中使っているとあっという間に電池が無くなってしまう。iPhone 3G Sが果たしてどのくらい電池の持ちが改善されたかは、今後製品が出てきてから実際に試してみる必要があるかもしれない。

買い替えがユーザーをさらに増やす

さて既存のiPhone 3GユーザーがiPhone 3G Sへ買い換えた場合、2台の併用は現実的ではないだろう。現在利用中のiPhone 3Gのほうはオークションなり中古販売店などを利用して処分する人が多いはずだ。あるいは知人などに譲渡する人もいるだろう。ちなみに海外では携帯電話の中古売買は一般的なものであるし、中古携帯電話の利用は日本のようにネガティブなイメージも一切無い。

海外では中古携帯電話は一般的な製品だ。iPhoneの中古は常時高値で取引されている

普通の携帯電話であれば、1年も昔の製品となると商品価値は大きく落ちるが、Appleは現行のiPhoneにも最新のOSへのアップグレードを用意している。すなわち1年経った「旧製品」であってもまだまだ最新の機能を利用することができるのだ。すなわちiPhone 3G Sの登場で、買い替えユーザーから「まだ使える中古のiPhone」が中古市場に多数出回ることが予想される。そしてそれを買い求める消費者の数もかなり出てくることだろう。iPhoneは販売国によってはSIMロックフリーであり、どこの国の携帯電話事業者のSIMカードも利用できる。そのようなロックフリー中古品はiPhone販売国以外の国で引く手あまたになるだろう。

つまり新製品としてのiPhone 3G Sや価格が引き下げられた現行のiPhone 3Gが利用者を増やすだけではなく、買い替えによって市場に出てくる中古iPhoneがさらに新しいiPhoneユーザーを増加させる可能性もあるわけだ。AppleはiPhone 3GからApp Storeを使ったアプリケーションの直販を始めている。iPhoneそのものを利用するユーザーが増えれば、たとえどこの事業者の回線を利用しようともAppleの収益に結びつくわけだ。iPhone 3G Sの投入でAppleの市場シェアが増加することは確実視されているが、新製品の売り上げ台数だけではなく中古端末による実ユーザー数も確実に増えていくことだろう。

32/100

インデックス

連載目次
第100回 ポストiPhoneを狙う新興メーカー、スマートフォンの歴史10年を振り返る
第99回 Huawei新製品「P9/P9 Plus」発表会フォトレポート
第98回 情報をリアルタイムに点字表示できる、世界初の点字対応スマートウォッチがまもなく発売
第97回 1台のスマホで2つのLineを使いたい! 海外ではデュアルWeChatスマホが登場
第96回 空気清浄機や浄水器も売る、脱スマホメーカーを目指すシャオミ
第95回 2015年秋冬のスマートウォッチは丸形がトレンド
第94回 指先2本サイズの超小型なスマホが登場
第93回 スワロフスキーで装飾した本気の女子スマホ「Sugar」に注目
第92回 旅先でスマホが無料で使える! 香港で旅行者向け無料SIMが登場
第91回 日本のSIMロック解除にアジア周辺国が注目する理由
第90回 これからの旅行はスマートに! スマホで管理できるスーツケースが登場
第89回 日本人も便利になる!訪日客プリペイドSIM自販機が続々登場
第88回 八百屋や雑貨屋でも買える! スペインの格安SIM売り場の現状
第87回 ブランド時計が続々参入、2015年はスマートウォッチブームがやってくる?
第86回 世界に広がるガラホ?折り畳み型スマホがアジアで人気
第85回 来年はバレンタインチョコも"印刷"する時代がやってくる
第84回 先進国をターゲットに入れた中国新興メーカーのシャオミ
第83回 SIMフリースマホの国香港、海外用プリペイドSIMの販売が活発化
第82回 Facebookが無料? ソーシャルSIMの時代がやってくる
第81回 韓国で復活するデータ定額
第80回 出揃った中国各事業者のLTEサービス
第79回 スマートフォンシェア3位入りを目指すZTEの最新戦略
第78回 2014年はライフログ系スマートウォッチが熱くなる
第77回 中国で4G免許が交付、2014年は4G普及が一気に進む
第76回 台湾のLTE免許が6社に確定、競争激化で再編も
第75回 ライバルはFirefox OS-Nokiaの新端末に注目
第74回 パナソニックの「家電スマホ」はインドで成功するか
第73回 いよいよ始まる中国のTD-LTEサービス
第72回 Windows Phoneが中南米でシェア2位に浮上
第71回 価格下落が世界のスマホ需要を後押し
第70回 いよいよ出てきたFirefox OSスマホ
第69回 ミッドレンジモデルも魅力のSamsungの2013年春の陣
第68回 日本からも注目したいHuaweiの最新モデル
第67回 得意分野で勝負するシャープの海外戦略
第66回 パナソニックも海外市場から撤退
第65回 TD-LTE端末市場で一気に増す日本のプレゼンス
第64回 アジアで加熱する「5インチスマホ」競争
第63回 全社がLTE開始、競争が激化する香港
第62回 LTEで変わる韓国の業界勢力図
第61回 大きく変わる世界のメーカー勢力図、今年後半の動きを探る(後編)
第60回 大きく変わる世界のメーカー勢力図、今年後半の動きを探る(前編)
第59回 Vodafoneとドコモらが提携、一気に広がる国際提携
第58回 韓国でグローバル対応LTEスマートフォンが登場 - 日本への投入も期待
第57回 香港でも7000円台!! - HP TouchPad販売のドタバタ劇
第56回 韓国で全事業者が4Gを開始 - 月額料はパッケージ制、データ定額廃止の方向へ
第55回 「繋ぎ」には勿体無い、MeeGo OS搭載のNokia N9
第54回 世界の端末メーカーの勢力図が大激変
第53回 アジアで転売されるiPad 2、その現場を見た
第52回 ドコモのSIMロック解除、中国で大歓迎
第51回 2011年は低価格スマートフォンが流行に
第50回 2010年はMotorolaの復活に注目
第49回 AppleもNokiaも脅かす「その他」勢力が増大
第48回 気がつけば海外メーカーばかりな日本のスマートフォン
第47回 この冬はオール"フルタッチ"、本気で反撃に出るNokia
第46回 香港でiPadが発売、SIMロックフリー&単体販売
第45回 海外でも広がる「海外パケットし放題」サービス
第44回 発売開始前なのに何故!? - iPadが大量販売されている香港
第43回 海外も日本も同料金でデータ通信-日本通信がサービス開始予定
第42回 実用化が始まった太陽電池搭載ケータイ
第41回 Nokia、業績回復も今後が勝負 -急がれる「フルタッチ」端末の強化
第40回 「簡単ケータイ」が海外でも流行に
第39回 2009年の海外端末市場を振り返る
第38回 LGの「新チョコレート」がスゴイ - 21:9ディスプレイ搭載の「LG BL40」
第37回 いよいよ中国でもiPhoneを発売 - 出だしは不調?
第36回 WiMAX/Wi-Fi/W-CDMAに対応した「3W」端末がSamsungから登場
第35回 Nokiaが3G対応ミニノート「Booklet 3G」発表 - ノートPC市場参入の狙いとは
第34回 OEMメーカーのAltekが携帯内蔵デジカメ発表 - 将来Flickrケータイもでる?
第33回 中国にも3Gの時代がやってきた!! - 各社のサービスや戦略を紹介
第32回 iPhone 3G Sへの買い替えでiPhone 3Gが中古市場に登場?
第31回 機能性とデザインを追及した「ケータイストラップ」は日本に根付くか?
第30回 新型iPhone対抗端末? - Nokiaのフラッグシップ端末「N97」がいよいよ登場
第29回 アプリのメーカー直接配信時代がやってくる
第28回 海外メーカーが韓国市場にスマートフォンで参入開始
第27回 終焉を迎える中国のPHS、残した功績は大
第26回 滑り出し好調なNokiaのタッチUI端末「5800 XpressMusic」 - iPhone超えも?
第25回 中国で売れ筋の携帯機種は? - Nokiaが圧倒的人気の中シャープも健闘
第24回 "Appleの理論"が通じない香港、iPhoneの単体販売を開始
第23回 iPhoneを脅かす存在になるか? Nokia 5800 XpressMusicが登場
第22回 日本向けOMNIAの姉妹品? 韓国でHaptic 2が発売開始
第21回 パケット通信+無線LAN定額がトレンドの香港
第20回 販売国の増えるiPhone、注目市場の投入はいつ?
第19回 カシオの海外進出が期待できる? - ソフトバンクとの端末供給合意
第18回 日本で増加する中国メーカー端末
第17回 マルチメディアへの対応を強化するBlackBerry
第16回 香港におけるiPhone 3G - SIM差し替えは当たり前
第15回 Motorola、新型「明」で中国市場奪回なるか
第14回 LGのデザイン携帯"Secret"、その秘密に迫る
第13回 Appleの発表を待たずに「3G iPhone」の発売が確定
第12回 中国の通信事業者6社が3社に再編
第11回 iPhone拡販のために販売戦略を変更するApple
第10回 不振のMotorola、事業建て直しはなるか
第9回 中国でTD-SCDMAの商用テストサービスが開始
第8回 チョコレートからウォン・ビンまで - ユニークな韓国携帯のニックネーム
第7回 シャープの中国市場参入、勝算の道はどこにあるか
第6回 Sony Ericsson、海外事業の好調が日本事業の見直しに?
第5回 "3G版iPhone"はいつ出てくるのか?
第4回 EMONSTER、海外ではいくらで売られている?
第3回 XPERIAを投入するSony Ericssonの意図
第2回 メーカーの勢いの差が表れたMobile World Congress 2008
第1回 Nokiaの決算報告から見た2007年の海外携帯市場

もっと見る

人気記事

一覧

新着記事

JR東日本、両国駅に「粋な江戸の食文化」テーマの飲食施設 - 11月下旬開業
[23:44 7/28] ホビー
江ノ電「ゴマちゃん号」8月運行 - 『少年アシベ』の特別企画「湘南アシベ」
[23:35 7/28] ホビー
小田急電鉄、いきものがかり野外ライブ会場の最寄り駅へ特別列車を直通運転
[23:24 7/28] ホビー
[トータルテンボス・藤田&千原せいじ]出版イベントで“又吉超え”宣言
[23:22 7/28] エンタメ
JRグループ、お盆の予約状況はおおむね好調 - 北海道新幹線は前年比261.8%
[23:16 7/28] ホビー