【コラム】

海外モバイルトピックス

30 新型iPhone対抗端末? - Nokiaのフラッグシップ端末「N97」がいよいよ登場

 

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Nokiaはハイエンドスマートフォン「Nokia N97」をいよいよ来月に発売する予定だ。フルタッチ画面の搭載や優れたマルチメディア機能など、iPhoneに正面から対抗する製品として大きな期待が寄せられている。

新型iPhoneより先に登場するNokia N97

NokiaのフラッグシップモデルとなるNokia N97がいよいよ発売される。アメリカなど各国ではネット上でオンライン予約販売が開始され、発売日と同時に出荷される予定だという。当初発売は今年の夏ごろの予定とされていたが、6月にシンガポールで開催される通信関係の大型イベント「CommunicAsia」の場で販売開始がアナウンスされると見られている。現時点での予約受付は同イベントのほぼ1カ月前ということもあり、6月発売の信憑性は高そうである。

いよいよ登場するNokiaのフラッグシップモデル、Nokia N97

今回のように発売前のモデルを予約販売することは、Nokiaとしては実は異例のことだ。同社は端末のオンラインストアを各国で展開しているが、オンラインストアと実店舗での販売は同時に行われてきた。N97は発売前から大きな注目を浴びているとはいえ、販売時期が未定にもかかわらず予約販売を開始した背景にはライバル製品の影響があるからだろう。

そのライバル製品とは7月に登場が噂されている新型iPhoneだ。AppleのiPhoneは通信事業者を通し契約と同時に購入するセット販売が基本だ。そのため既存の契約ユーザーが固定契約満了時に買い替えを行いやすいように、昨年は初代モデルの登場と同じ時期に新製品が投入された。すなわち次のiPhoneも今年の7月に登場する可能性が高い。Appleからのアナウンスはまだ何もないが、市場からの期待の声に応えるためにもこの夏の新機種投入はほぼ間違いないだろう。Nokiaとしては新型iPhoneに先駆けて製品を市場に投入するために、異例とも言える先行予約まで行い消費者を引きつけようと懸命なのだろう。しかもNokiaが弱いといわれる北米市場でも予約販売を開始するなど、同社はN97へ大きな期待を寄せているようだ。

ちなみに北米でのN97の販売価格は699ドル。SIMロックが無く通信事業者と契約せずに単体で購入できる。この価格はSIMロック販売と事業者契約が基本でiPhoneが200ドル程度で購入できる北米市場では高価な部類に属するが、N97も販売後は現地事業者から安価なSIMロックモデルが登場するだろう。また北米以外の市場からはN97の"参考標準価格"が明示されたことにもなり、各国に向け新製品を投入予定の各社の価格設定にも大きな影響を与えそうである。

いよいよオープンするアプリケーションストア

NokiaはN97の発売に合わせて携帯電話向けのアプリケーションストア「Ovi Store」をオープンする予定だ。N97はOvi Storeへのアクセスが容易な機能が搭載されており、「Ovi Storeレディ端末」という位置づけでも販売される。

海外メディアではOvi Storeオープンの段階で、2万本程度のアプリケーションを用意すると予想している。またスマートフォンプラットフォーム「S60」だけではなく、同社の携帯電話プラットフォーム「Series 40」に対応したアプリケーションも用意されるなど、モバイルアプリケーションをより多い層へ広げるものと期待されている。

モバイルアプリケーションの販売ではAppleのApp Storeが大成功を収めているが、NokiaのOvi Storeは同社の圧倒的な販売量を武器に一定の結果を残すことは間違いない。特に同社のスマートフォンは年々出荷台数が増加している。減益となった2009年第1四半期ですら、ビジネス向けのEseriesとエンターテイメント向けのNseriesの合計で800万台を出荷したほどだ。モバイルアプリケーションの主力プラットフォームがスマートフォンであることを考えると、アプリケーション配布ポータルとなるOvi Storeの開始は、同社スマートフォンユーザーのアプリケーション利用を大きく促進するものになるだろう。

また同社の本格的なフルタッチ端末として昨年秋に登場したNokia 5800 XpressMusicは発売以来、300万台を売り上げている。すなわちNokiaの新しいタッチUIは消費者から一定の評価を受けているということになる。フルタッチ2機種目となるN97も同様に好調な売り上げを確保できれば、Ovi Storeもより多くのユーザーから利用されることになりそうだ。

このようにN97はNokiaのフラッグシップという高機能端末として登場するだけではなく、同社が本格的に市場参入するモバイルアプリケーションストアの普及牽引、そしてiPhoneへ対抗するというさまざまな目的を持った製品として発売される。N97の販売数は、そのまま今年のNokiaの運命を左右するものになりそうである。

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インデックス

連載目次
第100回 ポストiPhoneを狙う新興メーカー、スマートフォンの歴史10年を振り返る
第99回 Huawei新製品「P9/P9 Plus」発表会フォトレポート
第98回 情報をリアルタイムに点字表示できる、世界初の点字対応スマートウォッチがまもなく発売
第97回 1台のスマホで2つのLineを使いたい! 海外ではデュアルWeChatスマホが登場
第96回 空気清浄機や浄水器も売る、脱スマホメーカーを目指すシャオミ
第95回 2015年秋冬のスマートウォッチは丸形がトレンド
第94回 指先2本サイズの超小型なスマホが登場
第93回 スワロフスキーで装飾した本気の女子スマホ「Sugar」に注目
第92回 旅先でスマホが無料で使える! 香港で旅行者向け無料SIMが登場
第91回 日本のSIMロック解除にアジア周辺国が注目する理由
第90回 これからの旅行はスマートに! スマホで管理できるスーツケースが登場
第89回 日本人も便利になる!訪日客プリペイドSIM自販機が続々登場
第88回 八百屋や雑貨屋でも買える! スペインの格安SIM売り場の現状
第87回 ブランド時計が続々参入、2015年はスマートウォッチブームがやってくる?
第86回 世界に広がるガラホ?折り畳み型スマホがアジアで人気
第85回 来年はバレンタインチョコも"印刷"する時代がやってくる
第84回 先進国をターゲットに入れた中国新興メーカーのシャオミ
第83回 SIMフリースマホの国香港、海外用プリペイドSIMの販売が活発化
第82回 Facebookが無料? ソーシャルSIMの時代がやってくる
第81回 韓国で復活するデータ定額
第80回 出揃った中国各事業者のLTEサービス
第79回 スマートフォンシェア3位入りを目指すZTEの最新戦略
第78回 2014年はライフログ系スマートウォッチが熱くなる
第77回 中国で4G免許が交付、2014年は4G普及が一気に進む
第76回 台湾のLTE免許が6社に確定、競争激化で再編も
第75回 ライバルはFirefox OS-Nokiaの新端末に注目
第74回 パナソニックの「家電スマホ」はインドで成功するか
第73回 いよいよ始まる中国のTD-LTEサービス
第72回 Windows Phoneが中南米でシェア2位に浮上
第71回 価格下落が世界のスマホ需要を後押し
第70回 いよいよ出てきたFirefox OSスマホ
第69回 ミッドレンジモデルも魅力のSamsungの2013年春の陣
第68回 日本からも注目したいHuaweiの最新モデル
第67回 得意分野で勝負するシャープの海外戦略
第66回 パナソニックも海外市場から撤退
第65回 TD-LTE端末市場で一気に増す日本のプレゼンス
第64回 アジアで加熱する「5インチスマホ」競争
第63回 全社がLTE開始、競争が激化する香港
第62回 LTEで変わる韓国の業界勢力図
第61回 大きく変わる世界のメーカー勢力図、今年後半の動きを探る(後編)
第60回 大きく変わる世界のメーカー勢力図、今年後半の動きを探る(前編)
第59回 Vodafoneとドコモらが提携、一気に広がる国際提携
第58回 韓国でグローバル対応LTEスマートフォンが登場 - 日本への投入も期待
第57回 香港でも7000円台!! - HP TouchPad販売のドタバタ劇
第56回 韓国で全事業者が4Gを開始 - 月額料はパッケージ制、データ定額廃止の方向へ
第55回 「繋ぎ」には勿体無い、MeeGo OS搭載のNokia N9
第54回 世界の端末メーカーの勢力図が大激変
第53回 アジアで転売されるiPad 2、その現場を見た
第52回 ドコモのSIMロック解除、中国で大歓迎
第51回 2011年は低価格スマートフォンが流行に
第50回 2010年はMotorolaの復活に注目
第49回 AppleもNokiaも脅かす「その他」勢力が増大
第48回 気がつけば海外メーカーばかりな日本のスマートフォン
第47回 この冬はオール"フルタッチ"、本気で反撃に出るNokia
第46回 香港でiPadが発売、SIMロックフリー&単体販売
第45回 海外でも広がる「海外パケットし放題」サービス
第44回 発売開始前なのに何故!? - iPadが大量販売されている香港
第43回 海外も日本も同料金でデータ通信-日本通信がサービス開始予定
第42回 実用化が始まった太陽電池搭載ケータイ
第41回 Nokia、業績回復も今後が勝負 -急がれる「フルタッチ」端末の強化
第40回 「簡単ケータイ」が海外でも流行に
第39回 2009年の海外端末市場を振り返る
第38回 LGの「新チョコレート」がスゴイ - 21:9ディスプレイ搭載の「LG BL40」
第37回 いよいよ中国でもiPhoneを発売 - 出だしは不調?
第36回 WiMAX/Wi-Fi/W-CDMAに対応した「3W」端末がSamsungから登場
第35回 Nokiaが3G対応ミニノート「Booklet 3G」発表 - ノートPC市場参入の狙いとは
第34回 OEMメーカーのAltekが携帯内蔵デジカメ発表 - 将来Flickrケータイもでる?
第33回 中国にも3Gの時代がやってきた!! - 各社のサービスや戦略を紹介
第32回 iPhone 3G Sへの買い替えでiPhone 3Gが中古市場に登場?
第31回 機能性とデザインを追及した「ケータイストラップ」は日本に根付くか?
第30回 新型iPhone対抗端末? - Nokiaのフラッグシップ端末「N97」がいよいよ登場
第29回 アプリのメーカー直接配信時代がやってくる
第28回 海外メーカーが韓国市場にスマートフォンで参入開始
第27回 終焉を迎える中国のPHS、残した功績は大
第26回 滑り出し好調なNokiaのタッチUI端末「5800 XpressMusic」 - iPhone超えも?
第25回 中国で売れ筋の携帯機種は? - Nokiaが圧倒的人気の中シャープも健闘
第24回 "Appleの理論"が通じない香港、iPhoneの単体販売を開始
第23回 iPhoneを脅かす存在になるか? Nokia 5800 XpressMusicが登場
第22回 日本向けOMNIAの姉妹品? 韓国でHaptic 2が発売開始
第21回 パケット通信+無線LAN定額がトレンドの香港
第20回 販売国の増えるiPhone、注目市場の投入はいつ?
第19回 カシオの海外進出が期待できる? - ソフトバンクとの端末供給合意
第18回 日本で増加する中国メーカー端末
第17回 マルチメディアへの対応を強化するBlackBerry
第16回 香港におけるiPhone 3G - SIM差し替えは当たり前
第15回 Motorola、新型「明」で中国市場奪回なるか
第14回 LGのデザイン携帯"Secret"、その秘密に迫る
第13回 Appleの発表を待たずに「3G iPhone」の発売が確定
第12回 中国の通信事業者6社が3社に再編
第11回 iPhone拡販のために販売戦略を変更するApple
第10回 不振のMotorola、事業建て直しはなるか
第9回 中国でTD-SCDMAの商用テストサービスが開始
第8回 チョコレートからウォン・ビンまで - ユニークな韓国携帯のニックネーム
第7回 シャープの中国市場参入、勝算の道はどこにあるか
第6回 Sony Ericsson、海外事業の好調が日本事業の見直しに?
第5回 "3G版iPhone"はいつ出てくるのか?
第4回 EMONSTER、海外ではいくらで売られている?
第3回 XPERIAを投入するSony Ericssonの意図
第2回 メーカーの勢いの差が表れたMobile World Congress 2008
第1回 Nokiaの決算報告から見た2007年の海外携帯市場

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