ベールを脱いだ"ネオンタッチ+タッチナビ"

LG Electronicsの"Secret(シークレット)"は同社の高級・デザイン携帯のサブブランド"Black Label(ブラックラベル)"シリーズの最新作だ。ブラックラベルシリーズはこれまでに"chocolate(チョコレート)"、"Shine(シャイン)"と立て続けに世界中でヒットを飛ばしてきた。その勢いは日本にも上陸し、NTTドコモからも両モデルが発売されたほどである。それぞれ「まるでチョコレートのようなchocolate」、「光り輝く金属ボディーのShine」と、その名称がそのまま製品の特徴を明確に表していた。

薄型・スライド形状のSecretには多数の秘密が隠されている

ブラックラベルシリーズ3作目となる"Secret"も、その名前の通り製品のキーワードは"シークレット=秘密"だ。ではこのSecretにはどのような秘密が隠されているのだろう?

秘密1 - 青く光るNeon Touch Navigation

Secretは薄型のスライド型携帯電話だ。前面には2.4インチのQVGAディスプレイを備え、その下にはメニューボタンや発着信ボタンなど最小限のキーのみが配置されている。待ち受け時にはディスプレイ表示も消灯し、すっきりした外観となる。一方ディスプレイ下はタッチセンサーとなっており、スライドを開いたりメニューボタンを押したりすることで、上下左右の方向キーとメニュー選択キーが表示される仕組みだ。これはchocolateでも採用されていた方式だが、Secretのタッチセンサーキーには新しい「Neo Touch Navigation」が搭載されている。

Neon Touch Navigation。ディスプレイ下にタッチセンサー式のボタンが表示される。バックライトの青い光が上品だ

Neon Touch Navigatoinの特徴だが、まずセンサーキーのバックライト色がchocolateの「赤」からSecretは「青」に変更され、ネオンライクでクールな色合いになっている。そしてキーに触れると表示形状が円形に変わり、キーを押していることが視覚的にわかるようになっている。さらに同時にキー部分が振動することで確実にキーを押していることがわかるのだ。なお、この振動はオリジナルchocolateには搭載されておらず、日本向けchocolate(L704i)で搭載された機能だ。日本向けに改良した技術が海外向けにも採用された、という例になるだろう。

秘密2 - 画面をタッチできるTouch Media

Secretのディスプレイはタッチパネルだ。しかしタッチパネルを利用できるアプリケーションは限られている。これには、普段携帯電話として利用する際、常にタッチパネルがアクティブだと誤操作をおかしやすいという判断もあるのだろうか。確かに通常のメニュー操作を行う場合は、画面のメニューアイコンをタッチするよりも、Neon Touch Navigationを利用して画面の下側を指先で操作したほうが使いやすいように感じられる。

一方、写真や音楽再生やドキュメントビューワー、ゲームなどは視覚的な操作も便利だ。たとえば、写真やビデオを見るときはアルバム一覧から指先で直接写真をタップするほうが操作しやすいだろう。そのためSecertは、タッチパネル操作に対応した特定のアプリケーションの専用ラウンチャーともいえる「Touch Media」機能を備えている。本体側面の専用ボタンを押すことでTouch Mediaが起動し、タッチパネル操作に対応するアプリケーションが表示される。このため「どのアプリケーションがタッチでき、どれができないのか」と悩む必要はない。画面を直接指先で操作したければ、側面のTouch Mediaキーを押せばよいわけだ。

Touch Mediaに対応しているアプリケーションは音楽プレーヤー、フォトアルバム、ドキュメントビュワー、ゲーム、FMラジオの5種類。少ないようだが、これ以外のアプリケーションは、Secretくらいのディスプレイサイズだとタッチパネル操作ではかえって使いにくいはずだ。このあたり、タッチ操作が必要/便利なアプリケーションとそうでないアプリケーションがうまく分けられてる感じである。

Touch Mediaに対応するアプリケーションは指先での操作が便利なものに限られている

秘密3 - 傷のつきにくい強靭なボディー

Secretにはまだまだ秘密がある。それは耐久性のあるボディーだ。Secretのようなデザイン携帯は確かに本体のスタイルは美しい。しかしその美しさゆえ、ボディーの傷が気になってしまうもの。せっかくのデザイン携帯なのにカバーをつけて使うなど、本末転倒な使い方になってしまうこともありがちだ。

しかし、Secretは日常的な利用で傷がつくことを心配する必要はない。一番目立つ前面のディスプレイ部分には強化ガラスを採用しており、爪やコインでこすっても傷がつくことがないという。また背面は硬質なカーボンファイバーのため、毎日机の上においてもこすり傷がつくようなことも無いそうだ。そして本体の周りは金属素材を採用するなど、スライドを閉じた状態ではボディーのほとんどが非プラスチック素材で覆われていることになる。これによりボディーが強靭になるだけではなく、プラスチックとは違った「本物の質感」と呼べるような高級な雰囲気も出しているのだ。

スライド式の本体。ディスプレイは強化ガラス

背面素材には3Dパターンが刻まれたカーボンファイバーを採用している

ほかにも、画面表示が自動的に横転するモーションセンサー機能や、AF対応の5メガピクセルカメラなど高度な機能も備えている。「デザイン」「機能」に「質感」を加えたSecretは、再び世界中に旋風を巻き起こしそうである。