【コラム】

Windows Vistaスマートチューニング

7 ユーザーアカウント制御(UAC)を無効にする

    阿久津良和  [2007/02/01]

    こんにちは。阿久津です。ついにWindows Vistaが正式発売されました。筆者自身は深夜販売などに参加していませんが、Web系の報道記事を読む限り、Windows 95発売時と比べると購買者の集まりは芳しくなく、盛り上がりに欠けるという印象。これは一部の好事家がMSDNやTechNet サブスクリプションで11月末からWindows Vistaを入手していることも影響を与えたのではないでしょうか。思い起こせば、Windows 95時代はインターネット環境も整っておらず、インフラ整備が整った大学や企業に属していないユーザーは、Windows 3.1にサードパーティ製TCP/IPドライバと初期のWebブラウザ、アナログモデムを通じてインターネットにアクセスしていたため、今回のように事前入手することはできませんでした。

    一方で、Windows Vistaが求める高スペックは、PCを単なるツールとして使っている方には手を出しにくいレベル。Windows XP時代の6年間でPCのスペック向上も停滞し、ユーザーは現状に満足してしまった部分も大きいため、XP→Vistaの乗り換えを躊躇している方が多いのではないでしょうか。もっともこのような流れは今回に始まったことではなく、2000→XPのときも、98/Me→2000のときもありました。いずれにせよ、Windows Vistaが市場に受け入れられるまで、半年ないし1年程度の猶予期間が必要だと思われます。

    ただし、1年も待つとWindows Vista Service Pack 1(以下、SP1)のリリースが予定されているため、SP1を待っている方も少なくないのでは。また、Vista開発中に漏れた新機能の実装はWindows Server "Longhorn"(開発コード名、以下Longhorn Server)に持ち越され、ソースコードもVista RTMリリース時点で分岐。その結果、Vista SP1とLonghorn Serverのソースコードをひとまとめに開発が進められています。リリース時期は明らかにされていませんが、Windows Vistaの次にあたるFiji(フィジー、開発コード名)、その次となるVienna(ウィーン、開発コード名)の開発も予定されているとか。ただし、FijiはWindows Vista R2に相当し、XP→VistaというメジャーアップグレードはViennaが本命となります。

    Vistaに話を戻せば、ファーストリリース時の32/64ビット版分岐や、デバイスドライバ構造の変更(デジタル署名の強化など)が影響しているのか、サードパーティメーカーによるデバイスドライバのリリースが送れているように思われます。かく言う筆者の環境でもチップセット周りのデバイスや数世代前のスキャナ、外付けUSBデバイスは未だに「不明なデバイス」のまま。これらのデバイスが今後Windows Vistaでサポートされるのかわかりませんが、PCを使う上で「デバイスドライバがない」「安定動作する保証がない」といったリスクを負いたくない方は、Windows Vistaのサポート状況を見ながら、アップグレードおよびPCの新規購入タイミングを図ってください。

    閑話休題。今週はWindows Vista発売記念ということで、最初に引っかかるユーザーアカウント制御(以下、UAC)に関する設定をご紹介しましょう。Windows Vistaでは不特定多数のマルウェアが、ユーザーの目に触れずAdministrator権限を用いてシステムクラックを行なう事件を防ぐため、通常は一般レベルのユーザー権限で操作し、一部設定の変更やデバイスドライバの導入といったシステム設定に関する操作を行なう際に、Administrator権限を一時的に付与する昇格機能を導入しました。UNIX系のOSに触れている方には「su」コマンドによるrootアカウントへの昇格といった方がわかりやすいでしょう。このスタイル、セキュリティ視点からすれば実に有益な機能ながらも、利便性に影を落としてしまうという欠点も備わっています。特にWindows Vista導入直後はデバイスドライバのインストールや設定変更を行なう場面が多いため、昇格プロンプトダイアログの登場頻度も多くなり、煩雑な印象を持たれる方も多いのではないでしょうか。そこで、UACを一時的に無効にする手順をご紹介します。

    コントロールパネルから設定する

    1. <スタート>メニューなどからコントロールパネルを開く。
    2. 「ユーザーアカウント」をダブルクリック。
    3. 「ユーザーアカウント制御の有効化または無効化」をクリック。
    4. <ユーザーアカウント制御を使ってコンピュータの保護に役立たせる>をチェックオフ。
    5. <OK>ボタンをクリック。
    6. コンピュータを再起動する。

    「システム構成」から設定する

    1. <スタート>メニューのクイック検索などに「msconfig」と入力して[Enter]キーを押す。
    2. 「システム構成」の<ツール>タブを開く。
    3. 「UACの無効化」を選択して<起動>ボタンをクリック。
    4. コンピュータを再起動する。

    コマンドラインから操作する

    1. <スタート>メニューからコマンドプロンプトを管理者として起動する(メニューの<コマンド プロンプト>を右クリックして<管理者として実行>を選択)。
    2. コマンドラインに半角で「reg.exe ADD HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System /v EnableLUA /t REG_DWORD /d 0 /f」と入力し、[Enter]キーを押す。
    3. コマンドプロンプトを終了し、コンピュータを再起動する。

    上記いずれかの設定を行なうことでUACを無効にすることができるので、お好みの方法をお使いください。各種設定が完了し、元の状態に戻す場合、「『システム構成』から設定する」はステップ3で「UACの有効化」を選択して<起動>ボタンをクリック。「コマンドラインから操作する」であればステップ2で「reg.exe ADD HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System /v EnableLUA /t REG_DWORD /d 1 /f」と実行してください。また、設定後はセキュリティセンターによる警告が現われます。このままUACを無効にする場合は、同ウィンドウの<セキュリティセンターの警告方法の変更>をクリックし、<通知は受け取らず、アイコンも非表示にします>を選択するなどご自分のスタイルにあわせて動作を変更してください。

    ただし、個人的見解を述べればUACの無効化はお勧めできません。前述したセキュリティ対策機能の無効化や、Internet Explorer 7の保護モードが使えなくなるなど、メリットよりもデメリットが大きいため、コンピュータに精通されていない場合、UACの無効化も一時的な措置として行なうことをお勧めいたします。

    それでは、また次号でお会いしましょう。

    阿久津良和(Cactus)

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