ソフト名 03RSSリーダー
作者 WillFeed氏
区分 フリーウェア

遥かなる大昔……といってもほんの10年くらい前の話であるが、当時はさまざまなサイトを渡り歩く行為を「Webサーフィン」と呼んだものだった。何がどう「サーフィン」なのかは今になってみると謎ではあるが、ともあれ、人々はお気に入りのWebサイトを巡り歩き、その更新内容に一喜一憂していたものである。

その当時、一部の学術系ネットワークや企業を除いて、多くの接続形態は従量制のダイヤルアップであり、短時間でいかに効率的にサイトを巡回し、電話代を安く上げるかに血道を上げるユーザーが多かったのも事実である。サイトを自動巡回する専用アプリケーションも数多く発表され、さまざまな技やTipsが活用されていたものである。

ブロードバンドと定額ネットワークが広く行き渡った現在、こうした巡回アプリケーションは既にに役目を終えていると言っていい。しかし今度は逆に、時間と料金の制約を外された「情報の洪水」が、それを受け取るユーザーのキャパシティをはるかに超えてしまう状態が数多く見受けられるようになってしまっている。要は「見たい情報は無数にある」のに、それらを体系的に整理し、更新状況を管理・通知させるための手段と方式とが必要とされるようになったのである。

こうした目的で現在広く使われているのが「RSS」(Really Simple SyndicationまたはRDF Style Summaryなどの略称)である。これはサイトの見出しや要約といった各種メタデータを構造的に記述するためのXMLベースのフォーマットであり、主としてサイトの更新情報を公開するのに使われている。

統一されたフォーマットであるRSS文書を利用することで、ユーザーは多数のサイトの更新情報を、統一的かつ効率的に把握することが可能となるのである。まぁ、そこまで大げさに考える必要はないが、要は「サイト更新内容のお知らせに使われる標準形式」のことだと理解すればいいだろう(実際はRSS 1.0やRSS 2.0などのほかにもAtomフィードと、さまざまな規格がが存在するが、ユーザー側では深く考える必要はないだろう)。

さて、前置きがすっかり長くなってしまったが、このRSSを受信、閲覧、管理するための「RSSリーダー」は数多くの種類が発表されており、Windows Mobile搭載機で利用可能なものも多数存在する。その中で今回紹介したいのが、「03RSSリーダー」である。必要な機能をコンパクトにまとめ、外部の別のアプリケーションとの連携も可能な、使い勝手の良いRSSリーダーである。

03RSSリーダーの実行画面。実行には.NET Compact Frameworkが必要である

インストール

WebサイトではCAB形式のファイルとLHA形式のファイルが公開されている。手間いらずで利用したい場合は、インストールの際に面倒のないCAB形式のファイルを選ぶといいだろう。「ファイルエクスプローラ」などからタップするだけで、インストールは完了する。

ただし、03RSSリーダーの最大の特徴として、「同じ実行ファイルをWindows PCとWindows Mobile搭載機で兼用できる」という点が挙げられる。この機能を最大限に活用したいなら、LHA形式のファイルを利用するのもいいだろう。こちらは展開すると実行ファイルが直接取り出せるようになっている。

なお、使用には.NET Compact Framework 2.0 SP1が必要なため、あらかじめマイクロソフトのWebサイトからダウンロードしてインストールしておこう。

インストール直後の起動画面。何も登録されていないので、読みたいRSSフィードを登録していこう

起動と利用

CAB形式のファイルでインストールした場合、スタートメニューにアイコンが追加されているはずである。そうでない場合は「ファイルエクスプローラ」などから起動しよう。

基本的にはこの後、チェックしたいサイトのRSSフィードを個別に追加していけばいい。具体的なRSSフィードの追加方法は、以下の通りである。

1.RSS一覧画面から、RSSフィードを追加したいフォルダを選択する 2.コンテキストメニューの「RSSの追加」を選択する 3.「RSSフィード追加画面」から、RSSフィードのURLを入力し「追加」を押す 4.さらに続けて追加したい場合は、URLを入力して「追加」を押せばいい

RSSフィードの追加画面を終了する場合は、「閉じる」を押せばいい。これで登録作業は完了である。

RSSフィードの追加画面。予めPCなどでURLを調べておこう

実際にRSSフィードの更新をチェックするには、「メニュー」→「更新チェック」を選択しよう。表示される画面から、チェックしたいRSSフィードがチェックされているのを確認したら、「更新開始」を押せばいい。もしも途中でチェックを中止したい場合は、「キャンセル」を押そう。

更新チェックの画面。回線速度とチェック対象の数にもよるが、それなりに時間がかかる

更新チェックが完了したら、RSS一覧画面から「読みたいRSSフィード」を選択して、アクションボタン(方向キーの真ん中にあるボタン)を押す。これで画面は「記事一覧」に遷移する。

後は方向キーで読みたい記事を選択して、アクションボタンを押せば内容が表示される。注意点としては、記事中にリンクがあったとしても、そこからリンク先のサイトへ飛ぶことはできない、ということが挙げられる。ブラウザコントロールが利用されてはいるが、リンクに関する機能は省かれているためである。

記事一覧の画面。RSSフィードによっては、見出しだけで本文が無いものもある

ニュースや更新情報の迅速なチェックに

とにかく情報の更新状況や最新のヘッドラインニュースが欲しい、というユーザにとっては、軽く無駄な機能のない「03RSSリーダー」は悪くない選択肢だろう。ポケットにいつも最新情報が欲しいなら、導入を検討してみて損はない。