ソフト名 QDz
作者 Gzh氏
区分 フリーウェア
動作確認機種(※) W-ZERO3
W-ZERO3 [es]
EM・ONE
※:記事執筆時点における確認結果であり、これらの製品ですべての機能が確実に動作することを保証するものではありません。また、ここに挙げた以外のWindows Mobile搭載製品でも動作する場合があります。

携帯電話がこれだけ普及している現在で、さて、携帯電話の機能のうち「キラーアプリケーション」に相当するものは何か? と考えてみると、これはやはり「電話帳」に尽きるだろう。

確かにiモードに代表される「ネットサービスの利用」や、JavaやBrewを用いたアプリケーション群、GPS、FeliCaに代表される「おサイフケータイ」と、その候補は数多く存在するが、電話帳ほど「ユーザーの利用形態を根本から変えた」アプリケーションは類を見ない。かつては紙の「アドレス帳」を持ち歩き、電話をかける際には電話番号をプッシュしていたものだが、携帯電話の「電話帳」の登場は、この運用を葬り去った。

加えて現在では、メールアドレスを筆頭に各種の「個人情報」を集約することで、ユーザーにとっては単なる電話帳ではなく、交友録だったり、業務上の人脈管理簿と、多方面にその重要性が拡張されている点も見逃せない。

こうした側面を考慮にいれつつ、Windows Mobileを見ると、その「電話帳」に相当するアプリケーションである「連絡先(Outlook Mobile)」は、携帯電話のそれとしては使い勝手がいまいちと言わざるを得ない。そもそもがPDAとして出発したという経緯もあって、「電話をかける」というアクションに対し、アプリケーション側の実装が十分に追い付いていないという印象がどうしても強いのだ。

今回紹介する「QDz」は、簡単に言ってしまえば「携帯電話的な」使い勝手の「連絡先管理」アプリケーションである。標準の「連絡先」にはどうもなじめないが、やはりWindows Mobileでも連絡先をきちんと管理していきたい、という願望を持つユーザーにとっては、まさにうってつけのアプリケーションだろう。

QDzの実行画面。標準の「連絡先」に登録されたデータが引き継がれる

QDzのインストール

Webサイトでは、ZIP形式のファイルで公開されている。日本語版と英語版の両方が用意されているが、特に理由がなければ日本語版を導入するといいだろう。

ZIPファイルを展開すると、Windows Mobile端末でそのまま起動できる、実行ファイル形式のEXEファイルが格納されている。これをWindows Mobile端末の適当なフォルダにコピーすれば、インストールは完了である。内蔵メモリ(デバイス)、外部メモリのいずれにおいても問題ないので、各人の都合がいいインストール先を選択すればいいだろう。

「プログラム」メニューにアイコンを登録する場合は、実行ファイルである「QDZ_JP.exe」のショートカットを、「\Windows\スタートメニュー\プログラム」に作成しよう。

QDzの実行ファイル「QDz_JP.exe」を、適当なフォルダにコピーしよう

起動と設定

QDzを起動すると、名前とフリガナが表示された状態の画面が現れる。QDzは画面をタップしての操作も可能だが、方向キーによるオペレーションも可能だ。方向キーの左右を押すと、隣のタブが表示される。同じく方向キーの上下ボタンで、画面内のカーソルを上下に移動させることができる。ソフトキーに割り当てられた「ジャンプ」は1画面分下へジャンプする。

表示形式なども細かく好みに合わせて選択が可能だ

また、アクションボタン(方向キーの中央のボタン)を押すことで画面が切り替わり、登録内容の詳細が表示される。

登録内容の詳細も、このように表示される。ここから電話やメールへワンアクションでつなげられるのは便利だ

電話をかけたい場合は、電話番号を選択した状態でアクションボタンを押せばいい。同様にメールを送る場合は、メールアドレスを選択した状態でアクションボタンを押す。ごく自然な操作で、電話やメールを呼び出すことが出来るのが、QDzの最大の利点である。

特にW-ZERO3シリーズのユーザーにお勧めしたいアプリケーション

かつてPDAの「連絡先」アプリケーションは、単に「備忘録的な住所録」であればよかったが、現在はよりシンプルな操作と、スムーズな動作、そして通信・通信機能とのシームレスな統合が強く要求されるようになってきている。こうした状況に応えるには、やはり標準の「連絡先」では心許ないのが現実である。

W-ZERO3シリーズで通話を頻繁に行うようなユーザーであれば、ある意味で必携のアプリケーションだと言えるだろう。是非とも、使いこなしていただきたい。