ソフト名 PocketTweak
作者 今井透氏(Tillanosoft)
区分 フリーウェア

Windows Mobile搭載の端末を、購入したまま何ら設定変更やアプリケーションの追加をすることなく、プレーンに利用しているユーザーは、おそらくごく少数だろう。

ある程度のカスタマイズをしなければ使いにくい、というのがWindows Mobile搭載端末に共通する悩みではあるが、これは同時に「カスタマイズで使いやすさを追求する余地がある」という、いささか逆説的な魅力にもなっている。

人間というのは身勝手なもので、道具に対して高い完成度を求める反面、あまりに完成度が高いと「自分の色に染め上げていく楽しみがない」という、何とも贅沢な悩みを抱えてしまうことがある。特にマニアを自認する使用歴の長いディープなユーザー諸氏には、幾ばくか思い当たる節があるのではないだろうか。

今回紹介する「PocketTweak」は、こうした「マニアックなカスタマイズ」を手軽に、かつ気楽に行うことができる、カスタマイズ専用のアプリケーションである。国産、それもWindows CE全般のアプリケーションを長く手掛けるTillanosoftによる作品なだけに、機能と使いやすさは折り紙付きである。

ただし、「Windows Mobileに正式対応したアプリケーション」というわけではなく、かつて「Pocket PC」と呼ばれていたころの製品を想定したものなので、各所に若干の古い項目や機能が残っているので、すべてをフルに活用することはお勧めしないが、ポイントを絞って活用するのであれば、今でも一級品のアプリケーションである。

「PocketTweak」のバージョン表示画面。バージョンも年式もやや古いが、機能は今なお一級品である

インストールと起動

Webサイトには、各CPU向けのバイナリをひとまとめにしたZIP形式のファイルが公開されている。ZIPファイルを展開すると「ptweak.arm.cab」というファイル名で、Xscale/StrongARM向けの実行ファイルがある。このファイルをWindows Mobile端末にコピーして実行しよう。

なお、配布ページからリンクされている「tGetFile.dll」を併せて導入しておくと、ファイルの取扱いにおける利便性が全般的に向上する。一緒にインストールしておきたいところだ。

システムを変更するアプリケーションであるため、インストール先は可能な限り、内蔵メモリを選択してほしい。

インストールが完了すると、「スタート」→「設定」→「システム」メニューの中にアイコンが作成される。まずはここから起動してみよう。なお、インストールが完了してもアイコンが表示されない場合は、一度、端末本体をリセットしてみるといいだろう。

「設定」→「システム」の画面に図のようなアイコンが表示されれば、インストールは成功である

使用する前にバックアップ

各種設定の詳細については次回紹介するが、設定によっては動作が不安定になる場合や、そもそも機能しないものもあるので、いくつかの設定については解説を割愛している。

万が一、設定していく中でデバイスの動作が不安定になるようなら、一旦ソフトリセットを試してみるといいだろう。なお、これで戻らない場合は、残念ながら初期化するしかないこともある。非常に便利な反面、危険性もそれなりに伴うことを理解しつつ、きちんとバックアップを取ってから設定に臨もう。