ソフト名 nPOPs (UK Fix版)
作者 NARi 氏
区分 フリーウェア
動作確認機種(※) W-ZERO3
W-ZERO3 [es]
EM・ONE
※:記事執筆時点における確認結果であり、これらの製品ですべての機能が確実に動作することを保証するものではありません。また、ここに挙げた以外のWindows Mobile搭載製品でも動作する場合があります。

(前回より続く)

基本的な使い方は「nPOP」と同じ

「nPOPs」は、基本的に「サーバ上のメールのダイジェストを取得」する動作が標準となっている。一般的なメールソフトでは、POP3で受信したメールはサーバ上から削除するのが標準的だが、「nPOPs」では削除しない動作が標準である。このため、「nPOPs」で受信したメールを、別のメールソフトやPCでも受信しなおすことが可能である。

これはおそらく、外出先では「Windows Mobile搭載端末で、nPOPsを使ってメールを読む」という運用を行い、会社や自宅に戻ってから、改めて「PCでメールをすべて受信し、保存する」という、「リアルタイムな読み書きと確実な保存の両立」を意識してのことであろう。外出先のモバイル端末ですべてを賄う必要は決してない。適材適所による運用を考えれば、妥当なスタンスといえるだろう。

加えて「メールの先頭から50行分しか受信しない」という設定が標準となっている。これは「現在、メールサーバ上にどんなメールが届いているか、大まかなリスト」を取得することを目的としているためである。添付ファイルなども、ユーザが指定しない限りはダウンロードされないため、受信に要する時間は必要最低限であり、全体的にきびきびとした動作と併せて、「非常に軽快なアプリケーション」という印象を強く受ける。

なお、受信する行数は「メール」→「設定」→「オプション」の「受信タブ」で指定することが可能だ。行数の制限を受けず、常に全文を受信したいのであれば、同じ設定ページの「新着取得時に本文を全て受信」にチェックを入れておこう。

メールを受信するには、「ファイル」→「巡回チェック」を実行しよう

受信が完了したら、方向キーでメールを選択して、「決定」キーで内容を読むことができる。内容を読み飛ばして次に進みたい場合は、手っ取り早く「→」で次のメールへと飛ぶことができる。逆に「←」で、ひとつ前のメールに戻ることも可能だ。

なお複数のアカウントを登録している場合、一覧表示画面で「←」や「→」を押すことで、アカウントを切り替えることができる。元祖「nPOP」では画面のタップが避けられなかった操作だが、極力、片手でのシンプルな操作が可能なように配慮されている。

ダイジェスト版の受信内容に目を通して、メールを全文取得したくなった場合は、「ファイル」→「受信用にマーク」を実行しよう。これでそのメールには「受信マーク」が付与され、次に「ファイル」→「その他受信」→「マークを実行」が実行された際に、メールの全文が取得される。

逆にスパムメールなど、受信したくないメールを見かけた場合、サーバ上から削除するよう指示することもできる。この場合は「ファイル」→「削除用にマーク」を実行しよう。後は全文受信時と同様に、「ファイル」→「その他受信」→「マークを実行」が実行された際に、マークされたメールがサーバ上から削除される。削除されたメールはPCからも二度と受信できなくなるので、実行前には確認を怠らないようにしたい。

全文受信用にマークを付ける際には、メールのサイズとストレージの空き容量に注意しよう

Gmailも標準でアクセス可能

WebメールとしてGoogleの「Gmail」を愛用している人なら、「nPOPs」でGmailの読み書きが可能になる。ブラウザを起動しなくても軽快に未読メールの処理が可能となるので、興味がある人は試してみるといいだろう。

まずはブラウザでGmailの「設定」画面を開き、「メール転送と POP 設定」にて、以下の設定を行う。

[Gmailの設定]

  • 1. ステータス: 「今後受信するメールでのみ POP を有効にする」を選択
  • 2. POP でメッセージにアクセスする場合「Gmail のコピーをアーカイブ」を選択

次に「nPOPs」で新たに「Gmail」のアカウントを作成し、以下の設定を行う。

[nPOPsの受信設定]

  • アカウント名:何か適切な名前を記述
  • POP3サーバ:pop.gmail.com
  • ポート番号:995
  • SSL:チェックを入れる
  • ユーザ名:Gmailのユーザー名(@gmail.comを含む)
  • パスワード:Gmailのパスワード

[nPOPsの送信設定]

  • 本名:あなたの名前
  • メールアドレス:Gmailのメールアドレス
  • SMTPサーバ:smtp.gmail.com
  • ポート:465
  • SSL:チェックを入れる

さて、実際にGmailへアクセスしてみよう。正しく受信できれば成功だ。なお、この状態では「nPOPs」で読んだメールであっても、WebのGmail上では未読のままで残るので、二重に読みたくない場合は、「設定」→「オプション」→「受信タブ」にて、「新着取得時に本文を全て受信」にチェックしておくといい。これならば、受信したメールはアーカイブされ、WebのGmail上で未読は表示されなくなる。

Gmail用のアカウントの設定画面。SSLの「設定」ボタンの内容は特に変更する必要はない

モバイルに特化した軽快なメールチェッカーとして

「nPOPs」は、高機能ではあるが決して重たくはない、むしろ軽快な動作を身上とするアプリケーションである。この特性を最大限に生かすには、利用する側も「モバイルシーンにおけるメールの使い方」を、ある程度見切る必要があるだろう。

そうした見切りと使い分けが上手いユーザならば、きっと「nPOPs」は便利この上ないパートナーとなってくれるはずだ。