こんにちは、阿久津です。一昔前は新規作成したユーザーアカウントや、クリーンインストール後のPC環境を素早く整えるために、あらかじめ作成したレジストリファイルを用意していました。

Windows XP時代は半年に1回程度のペースでクリーンインストールを行っていたため重宝しました。そして最近、Windows 10 Insider Previewで改めて活用する場面が増えました。

直近のInsider Previewは、ビルドナンバーがインクリメントするにつれ、既存の設定を保持していますが、それでも[CapsLock]キーを[Ctrl]キーに置き換えるバイナリ値「Scancode Map」はリセットされるのが通例でした。

ほぼ毎週のビルドアップで、各所のエントリーを書き換えるのは煩雑なため、冒頭で述べたレジストリファイルにチューニング内容を記述しておきます。そして新ビルドに更新した状態で、レジストリファイルをシステムにインポートし、PCを再起動すれば以前と同じ設定を施したWindows 10が手に入ります。

そこで今回は、検索ボックスもしくはCortanaとタスクビューボタンをタスクバーから取り除くチューニングを例に、レジストリファイルを作成する方法を紹介しましょう。

1. メモ帳を起動します。
2. 下記の内容入力します。
3. レジストリファイルとして保存します。

これで操作が完了しました(図01~03)。

図01 メモ帳を起動します

図02 下記の内容を入力して保存します

Windows Registry Editor Version 5.00

;
; 検索アイコンを無効にする
;
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Search]
"SearchboxTaskbarMode"=dword:00000000
;
; タスクビューボタンを無効にする
;
[HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced]
"ShowTaskViewButton"=dword:00000000

図03 任意のファイル名をダブルコーテーションで囲んで入力し、文字コードを<Unicode>に変更してから<保存>ボタンをクリックします

まずは作成時の注意点から説明しましょう。レジストリファイルは1行目にヘッダー、それ以降は、[] で囲んだキーの次にエントリーとデータを組み合わせて記述します。また、行頭に ; (セミコロン) を用いることでコメントを追記して、ファイル内容の整理に用いましょう。

レジストリファイルのエンコード形式はUTF-16のため、メモ帳を使う場合は「文字コード」を<Unicode>に変更してください。今回作成したレジストリファイルをインポートしても、Windows 10へ再サインインしなければなりません(図04~05)。

図04 レジストリファイルをダブルクリックし、確認メッセージが現れたら<はい>ボタンをクリックします

図05 実行結果を示すメッセージが現れたら、<OK>ボタンをクリックします

検索ボックス/Cortanaの動作は、DWORD値「SearchboxTaskbarMode」のデータが「1」の場合はアイコン、「2」の場合はテキストボックスに変化します(図06~07)。

図06 こちらはチューニング前の状態

図07 レジストリファイルをインポートし、再サインインした状態

このように、必ず設定する内容をレジストリファイルにエクスポートしておくと、Windows 10も自身の手で管理しやすくなります。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)