こんにちは、阿久津です。別の記事で紹介したように、Windows 10 Insider Previewでは、不具合検出イベント「Bug Bash」を行っています。その中でも興味深いのが、「Get faster logon after upgrades」です(図01)。

図01 「フィードバックHub」のクエストにある「Get faster logon after upgrades」

Windows 10 Insider Preview ビルド14332で示された本クエストは、OSのアップデートもしくはアップグレード後のサインインを高速化するというもの。Windows 10 November update適用後に、Windows 10へサインインしますと、下図のような処理プロセスが始まります(図02)。

図02 Windows 8.xでも発生していたユーザープロフィールの処理。環境によっては数分以上待たされることもあります

Microsoftの説明によれば「Get faster logon after upgrades」は、Microsoftアカウントおよびローカルアカウントのユーザー資格情報を一時的に待避することで、処理の高速化を実現しているとか。ログを精査しないと具体的な動作は説明できませんが、Windows 10 Insider Preview ビルド14342で動作検証ができました。

そこで今回はWindows 10 Insider Preview向けに、アップデート後のサインインを高速化するチューニングをご紹介します。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogonキーを開きます。
3. DWORD値「ARSOUserConsent」を作成し、データを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了します。

これで操作が完了しました(図03~09)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogonキーを開きます

図05 右ペインの何もないところを右クリックし、<新規>→<DWORD値>とクリックします

図06 値名を「新しい値 #1」から「ARSOUserConsent」に変更します

図07 DWORD値「ARSOUserConsent」をダブルクリックし、データを「1」に変更してから<OK>ボタンをクリックします

図08 レジストリエディターを終了します

早速結果を確認し……たいところですが、こればかりは次のビルドがリリースされないと難しいでしょう。なお、Hyper-Vなどの仮想環境を使える場合は、「Download Windows 10 Insider Preview ISO - Advanced Options」ページから「Windows 10 Insider Preview - Build 14295」をインストールし、本チューニングを施して24時間以上放置すれば動作を確認できます(図09)。

図09 Winlogon 10 Insider Previewの新ビルドインストール時に素早くサインインできるようになります

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)