こんにちは、阿久津です。読者のみなさんのPCにもすでにWindowsフラッグをアイコンとした「Windows 10を入手する(GWX)」が、通知領域に鎮座していることでしょう。このプログラムは文字どおりWindows 7や8.1からWindows 10へ無償アップグレードするための広告的な存在と言えます(図01~02)。

図01 通知領域に現れる「Windows 10を入手する」。メールアドレスを登録することでWindows 10への無償アップグレード予約が完了します

図02 手元に届いたMicrosoftからのメール。Windows Update経由でアップグレードプログラムの配布を予定しています

プログラム本体であるGWXの動作に関しては別の連載記事で紹介したとおりですが、合わせて紹介したいのが、Microsoft公式のGWXアイコンを表示させないための情報です。その情報によれば、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\GwxキーにDWORD値「DisableGwx」を作成し、データを「1」に変更することで、GWXアイコンの表示や通知を無効できるとのこと。

GWX.exeがどのようなタイミングでエントリを参照しているのか気になり、Process Monitorで調査したところ、その気配が見当たりません。念のためGWX.exeを強制再起動し、その時点から監視しても結果は一緒でした。しかし、GWX.exeに含まれる文字列を確認したところ「DisableGwx」は確かに存在しています(図03~04)。

図03 Process MonitorでGWX.exeの動作を確認しましたが、エントリを参照している気配はありません

図04 GWX.exeの文字列。レジストリのキー名やエントリ名を確認できます

そこで今週は、通知領域に並ぶアイコンを最小限に抑えたい方を対象に、「Windows 10を入手する(GWX)」の通知を無効にするチューニングをお送りしましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windowsキーを開きます。
3. 新たにGWXキーを作成します。
4. GWXキーにDWORD値「DisableGwx」を作成し、データを「1」に変更します
5. レジストリエディターを終了させます。
6. PCを再起動します。

これでチューニングが完了しました(図05~13)。

図05 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図06 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ Policies\Microsoft\Windowsキーを開きます

図07 Windowsキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図08 キー名を「新しいキー #1」から「GWX」に変更します

図09 GWXキーを開いて右ペインの何もないところを右クリックします。<新規>→<DWORD値>と順にクリックしてください

図10 値名を「新しい値 #1」から「DisableGwx」に変更します

図11 文字列値「DisableGwx」をダブルクリックで開き、データを「1」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図12 最後に<×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

図13 [Win]+[I]キーを押すなどして設定チャームを呼び出し、PCを再起動します

早速結果を確認してみましょう。再起動後にWindows 8.1へサインインしますと、それまで通知領域に並んでいたGWXアイコンが現れなくなります。また、稼働プロセスを確認しても、GWX.exeの存在は確認できません(図14~15)。

図14 再起動後のインジケーターを開いた通知領域。ご覧のとおりGWXアイコンは存在しません

図15 Process Explorerで稼働プロセスを確認しましたが、GWX.exeは存在しませんでした

なお、本チューニングを破棄する場合は、GWXキーごと削除してPCを再起動してください。筆者の場合、DWORD値「DisableGwx」のデータを「0」に変更してPCを再起動するだけでは、GWXアイコンの復活は確認できませんでした。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)