こんにちは、阿久津です。既報のとおりWindows 10のリリース日が確定しました。筆者が印象的だったのはMicrosoftの公式ブログに貼り付けられたCM動画でした。CortanaやMicrosoft Edgeなど各機能をピンポイントで紹介しながら、「ZERO、Zilch、Nada、Free」と英語、チェワ語やスペイン語を用いて無償アップグレードをアピールしています。数年前からWindowsが無償化する可能性を探ってきた筆者としては感慨深いものでした(図01)。

図01 公式ブログに掲載されたWindows 10のCM(と思われる)動画より。印象的な各機能の紹介後に現れる「Free」の文字。無償アップグレードを前面に押し出しています

さて、Windows 8.xの操作に慣れたユーザーがWindows 10で困るのは、「画面の解像度」を簡単に呼び出せなくなった点です。Windows 10 Insider Previewビルド10130の場合、「設定」を起動して「システム\ディスプレイ」に並ぶ「ディスプレイの詳細設定」をクリックすると開く「ディスプレイのカスタマイズ」から、解像度を選択する仕組みに変更されました(図02~03)。

図02 [Win]+[I]キーを押すなどして「設定」を起動し、「システム\ディスプレイ」→「ディスプレイの詳細設定」とクリックします

図03 ドロップダウンリストをクリックして開き、希望する解像度を選択してから<適用>ボタンをクリックします

この仕様変更はデバイスが対応する最大解像度を常に選択し、見えにくい場合はテキストサイズを拡大するのがスタンダードだ、と考えるMicrosoftの姿勢が現れたものと考えられます。もちろんそれ自体に異論はありませんが、Windows 8.xまではデスクトップのコンテキストメニューから呼び出せただけに、ついデスクトップの何もないところを右クリックして、首をかしげてしまう方もいるでしょう。

そこで今週はWindows 8.xと同じUXを再現するため、デスクトップのコンテキストメニューに<画面の解像度>を復活させるチューニングをお送りいたします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. KEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shellキーを開きます。
3. 「DisplayResolution」などわかりやすい名称を持つサブキーを作成します。
4. 文字列値「ControlPanelName」を作成し、データを「Microsoft.Display」に変更します。
5. 文字列値「ControlPanelPage」を作成し、データを「Settings」に変更します。
6. 文字列値「Icon」を作成し、データを「%SystemRoot%\System32\display.dll,-1」に変更します。
7. 文字列値「Position」を作成し、データを「Bottom」に変更します。
8. 文字列値「(既定)」を開き、データを「画面の解像度(&C)」に変更します。
9. サブキー「command」を作成します。
10. 文字列値「DelegateExecute」を作成し、データを「{06622D85-6856-4460-8DE1-A81921B41C4B}」に変更します。
11. レジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが完了しました(図04~26)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shellキーを開きます

図06 Shellキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図07 キー名を「新しいキー #1」から「DisplayResolution」などわかりやすい名前に変更します

図08 DisplayResolutionキーを開いて右ペインの何もないところを右クリックします。<新規>→<文字列値>と順にクリックしてください

図09 値名を「新しい値 #1」から「ControlPanelName」に変更します

図10 文字列値「ControlPanelName」をダブルクリックで開き、データを「Microsoft.Display」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図11 右ペインの何もないところを右クリックし、<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図12 値名を「新しい値 #1」から「ControlPanelPage」に変更します

図13 文字列値「ControlPanelPage」をダブルクリックで開き、データを「Settings」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図14 右ペインの何もないところを右クリックし、<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図15 値名を「新しい値 #1」から「Icon」に変更します

図16 文字列値「Icon」をダブルクリックで開き、データを「%SystemRoot%\System32\display.dll,-1」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図17 右ペインの何もないところを右クリックし、<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図18 値名を「新しい値 #1」から「Position」に変更します

図19 文字列値「Position」をダブルクリックで開き、データを「Bottom」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図20 文字列値「(既定)」をダブルクリックで開き、データを「画面の解像度(&C)」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図21 DisplayResolutionキーを右クリックし、<新規>→<キー>と順にクリックします

図22 キー名を「新しいキー #1」から「command」に変更します

図23 右ペインの何もないところを右クリックし、<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図24 値名を「新しい値 #1」から「DelegateExecute」に変更します

図25 文字列値「DelegateExecute」をダブルクリックで開き、データを「{06622D85-6856-4460-8DE1-A81921B41C4B}」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図26 最後に<×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

早速結果を確認してみましょう。デスクトップの何もないところを右クリックしますと、メニューにステップ8で作成した<画面の解像度>が加わったことを確認できます。そのまま同項目を選択すれば、Windows 8.xと同じく「画面の解像度」が開きます。後は必要に応じた解像度を選んでください(図27)。

図27 コンテキストメニューから<画面の解像度>を選択しますと、同名の設定ウィンドウが開きます

本チューニングはWindows 8.1のHKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shell\Displayキーを参考に作成しましたが、項目名のリソースがWindows 10 Insider Previewでは異なっていましたので、ステップ8の様に直接記述しました。

なお、本チューニングを破棄する場合は、ステップ3で作成したDisplayResolutionキー以下をすべて削除してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)