こんにちは、Microsoftの開発者向けカンファレンス「Build 2015」が終了し、一段落の阿久津です。そういえば、Surface Pro 4(仮称)は発表されませんでしたが、SlashGearの記事によれば、5月中旬開催のイベントで発表するとかしないとか。2015年3月末に発表した「Surface 3」のように突如発表する形を取るのか不明ですが、いずれにせよWindows 10と合わせて、今年は楽しみな話題に事欠きません。

さて、Windows 8.1はOneDriveとの親和性を高め、ローカル(OneDrive)フォルダーとオンラインストレージをバックグラウンドで同期したり、既定のファイル保存先をOneDriveフォルダーにしています(図02)。

図02 「PC設定」の「OneDrive\ファイルの保存先」。「ドキュメントを既定でOneDriveに保存する」のスイッチを切り替えることで、既定の保存先をローカルフォルダーに切り替えられます

OneDriveをメインのオンラインストレージとして使っている方には便利な機能ですが、他社のオンラインストレージをメインに使っている方や、そもそもオンラインストレージは使いたくないという方には便利とは言えません。そこで今回はWindows 8.1とOneDriveとの連係を無効にするチューニングをお送りします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Skydriveキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「DisableFileSync」を作成し、データを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了します。

これでチューニングが完了しました(図03~10)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windowsまで、キーをたどって開きます

図05 Windowsキーを右クリックし、<新規>→<キー>とクリックします

図06 キー名を「新しいキー #1」から「SkyDrive」に変更します

図07 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックします

図08 「新しい値 #1」を「DisableFileSync」に変更します

図09 DWORD値「DisableFileSync」をダブルクリックし、データを「1」に変更してください。最後に<OK>ボタンをクリックします

図10 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了します

早速結果を確認してみましょう。[Win]+[E]キーを押すなどしてエクスプローラーを起動しますと、ナビゲーションウィンドウから「OneDrive」が消えていることが確認できました。このように本チューニングはポリシー設定のため、エクスプローラーの再起動や再サインインなどを必要とせず、すぐに反映されます(図11~12)。

図11 チューニング前のエクスプローラー。ナビゲーションウィンドウに注目してください

図12 チューニング後のエクスプローラー。ナビゲーションウィンドウから「OneDrive」が取り除かれました

本チューニングで動作が変化するのはエクスプローラーだけではありません。通知領域に常駐するOneDriveアイコンは非表示となり、Windowsストアアプリによる「ファイルピッカー」も動作しなくなりました。技術資料によればWinRT APIも抑止対象に含まれるため、WindowsストアアプリからOneDriveは使用できなくなります(図13~16)。

図13 チューニング前の通知領域にはOneDriveアイコンが常駐し、同期に関する操作が可能でした

図14 チューニング後はOneDriveアイコンが通知領域から取り除かれます

図15 Windowsストアアプリからファイルを選択するファイルピッカーは正常に動作しています

図16 チューニング後はファイルピッカーやWinRT APIの使用を抑止するため、正しく動作しません

同じように「PC設定」に目を向けますと、「OneDrive」関係は「一部の設定はシステム管理者によって管理されています」というメッセージとともに項目がグレーアウトし、設定できなくなります(図17~19)。

図17 「OneDrive\ファイルの保存」は「ドキュメントを既定で~」が無効になります

図18 「OneDrive\カメラロール」もすべての設定項目が変更できなくなります

図19 「OneDrive\従量制課金接続」は、OneDriveに関係する2項目が無効になります

本チューニングを破棄して再びOneDriveを使用可能にする場合は、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\SkydriveキーのDWORD値「DisableFileSync」を削除してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)