こんにちは、阿久津です。皆さんは"FIDO(ファイド:Fast Identification Online)"という単語を耳にしたことはありますか。標準化団体「FIDO Alliance(https://fidoalliance.org/)」は2014年12月にPKI認証や生体認証によって本人確認を行う「FIDO 1.0」を策定しました。既にFIDO Allianceにはワールドワイドの金融機関やITベンダーなど多くの企業が参加し、2015年2月16日にはFIDO準拠製品やサービスを国内でも展開すると発表したばかり。

そのFIDOですが、MicrosoftもWindows 10でサポートすると発表しました。Windowsにおける指紋認証はPCベンダーの実装やペリフェラルベンダーの指紋リーダーが必要でしたが、OSレベルではWindows 7から"Windows生体認証フレームワーク"を実装済み。現時点ではフレームワークを拡充して対応するのか、別実装するのか明らかにしていません。

しかしMicrosoftは、Windows 10へのサインインはもちろん、Microsoft Azure上で動作する各SaaSとWindows 10の連動にも用いると説明しています。主にエンタープライズ向けの機能ながらも、iPhoneなどでも用いられているように、将来的にはコンシューマーレベルでも普及するのではないでしょうか。

さて、そのWindows 10はUIを改良しつつ、各所に新しい要素を加えつつあります。その1つがタスクバーの時計。ビルド9926の時計は従来どおりですが、レジストリエントリを加えることで変化することが以前から確認されていました(図01)。

そこで今週はWindows 10テクニカルプレビューで加わった"新しい時計"を有効にするチューニングをお送りします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ImmersiveShellキーを開きます。
3. DWORD値「UseWin32TrayClockExperience」を作成します。
4. レジストリエディターを終了します。

これでチューニングが完了しました(図02~06)。

図02 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\ Windows\CurrentVersion\ImmersiveShellまで、キーをたどって開きます

図04 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックします

図05 値名を「新しい値 #1」を「UseWin32TrayClockExperience」に変更します

図06 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了します

早速結果を確認してみましょう。タスクバーの時計をクリックしてください。すると"新しい時計"が現れました。下図をご覧になるとわかるように日本語リソースは含まれていないらしく、表記は英語のまま。また、カレンダー部分にマウスオーバーしますと<▲><▼>ボタンが現れ、表示月を切り替えられます。さらに日付の部分はリンクになっていますが、筆者の環境ではクリックしても動作しませんでした(図07)。

図07 タスクバーの時計をクリックしますと、新しい時計が現れます

<Additional Clock>をクリックするとWindowsストアアプリの「アラーム」が起動し、「世界時計」から異なる地域の時計を追加できますが、"新しい時計"には反映されません。このように開発途中にあるため、現在のWindows 10テクニカルプレビューには"新しい時計"を試すオプションが用意されていないのでしょう。なお、以前の時計に戻すにはDWORD値「UseWin32TrayClockExperience」を削除してください(図08)。

図08 異なる地域の時計追加は、Windowsストアアプリの「アラーム」を利用する予定のようです

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)