こんにちは、正直なところ普段の使用頻度は高くないWindowsストアアプリですが、喫茶店で原稿を書いている途中、「MSNニュース」を起動して気分転換を図っている阿久津です。その際に気になるのがライブタイルに映し出される最新情報です(図01)。

図01 ライブタイルには最新の情報が表示されます

Windowsストアアプリによって異なりますが、サーバーから画像やテキストなどのデータを受信し、画面に映し出す仕組みはWebブラウザーと同じため、必然的にデータを格納する領域が欠かせません。また、同じデータを表示させるため、キャッシュという仕組みを備える点も同等です(図02)。

図02 スタート画面の「設定」→「タイル」と開くと現れるオプション設定

上図はタイルに関するオプション設定ですが、ライブタイル用データ(更新情報)を消すためのボタンや、使用できるトラフィック量を抑制するドロップダウンリストが用意されています。ちなみに、このドロップダウンリストは無線LANを使用するPCにしか現れません。

そのため、データの送受信前にスタート画面を開くとライブタイルはキャッシュを利用して古いコンテンツを表示する仕組みとなっています(一部例外あり)。このキャッシュは前述の設定項目や「WSReset.exe」コマンドで削除できますが、後者はWindowsストアのリセットを目的としていますが、筆者が確認した限りMSNニュースの独自カテゴリなどは削除されませんのでご安心ください(図03)。

図03 「%SystemRoot%\System32\WSReset.exe」を実行すると、Windowsストアアプリのキャッシュや設定がリセットされます

さて、ニュース系アプリのように、目まぐるしくコンテンツが変化するライブタイルのキャッシュはさほど重要ではありません。そのため、Windows 8時代からライブタイルのキャッシュを削除するレジストリエントリが用意されてきました。今週はこのエントリを使って、サインアウト時にライブタイルのキャッシュを削除するチューニングをお届けします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Windows\Explorerキーを開きます(ない場合は作成します)。
3. DWORD値「ClearTilesOnExit」を開き、データを「1」に変更します。
4. レジストリエディターを終了します。
5. Windows 8.1からサインアウトします。

これでチューニングが完了しました(図04~12)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Windowsキーまで、キーをたどって開きます

図06 Windowsキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>と順にクリックします

図07 キー名を「新しいキー #1」から「Explorer」に変更します

図08 Explorerキーを開き、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD>と順にクリックします

図09 値名を「新しい値 #1」から「ClearTilesOnExit」に変更します

図10 DWORD値「ClearTilesOnExit」をダブルクリックで開き、データを「1」に変更してから<OK>ボタンをクリックします

図11 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了します

図12 サインアウトします

早速結果を確認してみましょう。DWORD値「ClearTilesOnExit」のデータが「1」の場合、ユーザーのサインアウト時にライブタイルのキャッシュを削除するため、サインイン直後のスタート画面に並ぶライブタイルはアイコンのみ表示されます(図13)。

図13 チューニング直後のスタート画面。ライブタイルが有効な場合でも直後はアイコンのみ表示されます

もちろん、ライブタイルの更新が有効な場合は、時間が経つごとにコンテンツを表示していきますが、チューニング前とは異なり、古いコンテンツを一瞬でも表示することはありません。なお、初期状態に戻す場合は、DWORD値「ClearTilesOnExit」を削除して、Windows 8.1へ再サインインしてください

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus