こんにちは、阿久津です。以前からのリーク情報によれば7月は、Windows 8.1向け次期アップデートとなる「Windows 8.1 Update 2(仮称)」が、RTM(Release To Manufacturing version:製造工程版)に達する時期です。多くのリーク情報を流しているロシアのWZor氏はTwitterで、米国のワシントンD.C.で7月13日から17日に開催予定の、Microsoft Worldwide Partner Conference 2014で発表される可能性が高いとツイートしています(図01)。

図01 WZor氏のWindows 8.1 Update 2(仮称)に関するツイート。6月24日にRTMが完成した可能性が高いとも

WPCは過去、新販売プログラムなどの発表にとどまってきました。しかし、世界中のパートナー企業や営業担当者を対象にするというイベントの性格と、14日から連続3日間はMicrosoft上級役員によるキーノートが予定されています。WZor氏予想通り、Windows 8.1 Update 2(仮称)やWindows 9ベータ版が披露されてもおかしくはないでしょう。

さて、Windows 8.1からは、Windowsストアで配布している同アプリを自動的に更新する機能が用意されました。自動更新機能はWindows 8.1がアイドル状態にバックグラウンドで更新を検出し、ファイルのダウンロードや展開といった処理を自動的に実行します(図02)。

図02 「Windowsストア」の設定チャームから「アプリの更新」で選択できる自動更新機能の有無

図03 自動更新機能が無効の場合、Windows 8時代と同じく、更新情報取得時にメッセージが現れます

しかし、筆者のようにWindowsストアアプリのバージョンアップに伴う差異を確認するため、自動更新機能を無効にしている場合、Windowsストアアプリを手動で起動し、更新情報の検出を待たなければなりません。これらの処理を簡単にするのが、コマンドラインからWindowsストアをアップデートする方法です。今週は同機能を利用し、メニューからWindowsストアのアップデートを実行するチューニングをお送りします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\background\shellキーを開きます。
3. StoreUpdateキーを作成します。
4. 文字列値「Extended」および「NoWorkingDirectory」を作成します。
5. 文字列値「MUIVerb」を作成し、データを「ストアアップデート(&S)」に変更します。
6. 文字列値「Icon」を作成し、データを「C:\Windows\System32\WSCollect.exe,0」に変更します。
7. サブキーとしてcommandキーを作成します。
8. (既定)のデータを「explorer.exe ms-windows-store:updates」に変更します。
9. レジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが完了しました(図04~21)。

図04 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図05 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\background\shellまで、キーをたどって開きます

図06 shellーを右クリックし、メニューから<キー>をクリックして選択します

図07 キー名を「新しいキー #1」から「StoreUpdate」に変更します

図08 StoreUpdateキーを開き、何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図09 値名を「新しい値 #1」から「Extended」に変更します

図10 何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図11 値名を「新しい値 #1」から「NoWorkingDirectory」に変更します

図12 何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図13 値名を「新しい値 #1」から「MUIVerb」に変更します

図14 文字列値「MUIVerb」をダブルクリックし、データを「ストアアップデート(&S)」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図15 何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図16 値名を「新しい値 #1」から「Icon」に変更します

図17 文字列値「Icon」をダブルクリックし、データを「C:\Windows\System32\WSCollect.exe,0」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図18 今度はStoreUpdateキーを右クリックし、メニューから<キー>をクリックして選択します

図19 キー名を「新しいキー #1」から「command」に変更します

図20 (既定)をダブルクリックし、データを「explorer.exe ms-windows-store:updates」に変更して、<OK>ボタンをクリックします

図21 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

では、結果を確認してみましょう。コンテキストメニューに新たに<ストアアップデート>という項目が加わったことを確認できます。[S]キーを押すか同項目をクリックすることで、Windowsストアが起動し、自動的に更新プログラムの検出が行われます(図22~23)。

図22 [Shift]キーを押しながらデスクトップの何もないところを右クリック。メニューから<ストアアップデート>をクリックします

図23 これでWindowsストアが起動し、自動的に同アプリの更新処理が始まります

標準Windowsストアアプリの一部は、Webページからのアクセスを踏まえていくつかのプロトコルを用意してします(詳しくはこちら)。今回利用した「updates」もその一つ。コマンドプロンプトや「ファイル名を指定して実行」などから「explorer.exe ms-windows-store:updates」と実行すれば、同様の結果を得ることができます。なお、本チューニングを破棄する場合は、HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\background\shell\StoreUpdateキーを削除してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus