こんにちは、阿久津です。Windows 8.1プレビューにおいて復活したスタートボタンは、一部のユーザーを落胆させました。筆者が寄稿したハウツー記事でも述べた様に、ユーザーが欲していたのは、"各機能を備えるスタートメニューや、アプリケーションを起動するプログラムメニュー"であり、スタートボタンではないからです。

アプリケーションを起動する仕組みを一般的に「ランチャー」と称しますが、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を是として進化してきたWindows OSは、マウス操作型のプログラムメニューやクイック起動ツールバーを搭載し、利便性を高めてきました。Mac OSもメニュー形式であるアップルメニューを採用していましたが、Mac OS X(現OS X)では、Dock(ドック)に置き換わっています(図01~02)。

図01 Windows 7以降はタスクバー上のボタンに機能を持たせたため、クイック起動ツールバーは使われなくなりました

図02 OS Xではアプリケーションを起動するランチャーとして、デスクトップ下部のDockを利用します

この他にもコマンドライン型など各種ランチャーが存在しますが、現在はタブレットの台頭により、タッチ操作を前提にしたUIデザインが主流です。従来のクリック操作はタップに、スクロール操作はフリックなどに置き換わり、フィンガーアクションで大方の操作を可能にしましたが、タブレット型コンピューターと、キーボードを標準的に備えるコンピューター向けOSを同列に語るわけにはいきません。

そもそもアプリケーションのUIデザインは機能性を優先し、タブレット上で利用することが多いWebサイトもしくはWebアプリケーションなどは、大量の情報を整然と配置することが主目的となります。もちろん筆者が改めて述べることではありませんが、これらを考慮してMicrosoftは、従来のデスクトップ環境とキーボードレスのタブレット環境を両立させたモダンUIを生み出し、Windows 8を開発しました(図03)。

図03 Windows 8のスタート画面。WindowsストアアプリのUIデザインも含め、「モダンUI」と称します

しかし、デスクトップUI/モダンUIは必ずしも使い勝手が良いとは言い切れません。使用するデバイスによって異なりますが、デスクトップUIはマウス操作およびキーボード操作を前提したデザインのため、ペンやタッチ操作でボタン操作や項目の選択が難しいのは使った方ならご承知のとおり。

現在、筆者の手元にあるタッチ対応デバイスはSurface Proのみですが、モダンUIに関する操作は何ら不満を覚えないものの、デスクトップ環境を利用する場合はマウスが欠かせません。残念ながらWindows 8.1でも、これらの問題を根本的に解決できてはおらず、一部分の改善にとどまっています。

Windows 8およびWindows 8.1をデスクトップOSとして利用する場合は不満を感じることは多くありませんが、現在はタブレット型コンピューターが浸透しつつある過渡期。下位互換性の維持が必ずしもベストと述べるつもりはありませんが、従来の操作性を維持もしくは選択できる余地を残すのは、Microsoftにとって決して難しくありません。

現在のMicrosoftに対し、Windows 9x時代のように"OSはアプリケーションを実行するための土台として、下位互換性を重要視する"という価値観を求めるのは難しいことでしょうか。Windows 8.1正式版リリースに期待しつつも、わずかな不安を覚えます。

さて、Windows 8では、新しいアプリケーションをインストールし、それに関連する形式のファイルを開くと、「この種類のファイルを開くことができる、新しいアプリがあります」というメッセージが通知されます。この通知をクリックすると、ポップアップから関連付けを維持するか、異なるアプリケーションに関連付けを変更するか選択できますが、本稿をご覧になっている方には不要な存在でしょう(図04~05)。

図04 関連付けられる新たなアプリケーションが存在すると、メッセージが通知されます

図05 通知をクリックすると、関連付けの設定を行うポップアップが現れます

そこで今週は「~新しいアプリがあります」の通知をレジストリから無効にするチューニングをお届けします。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Explorerキーを開きます。
3. DWORD値「NoNewAppAlert」を作成し、値のデータを「1」に変更します。
4. [F5]キーを押してから、レジストリエディターを終了させます。
5. コンピューターを再起動します。

これでチューニングが完了しました(図06~12)。

図06 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図07 レジストリエディターが起動したら、 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\Explorerまでキーをたどって開きます

図08 Explorerキーの右ペインを右クリックし、<新規>→<DWORD値>とクリックします

図09 値名を「新しい値 #1」から「NoNewAppAlert」に変更します

図10 DWORD値「NoNewAppAlert」をダブルクリックで開き、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図11 <×>ボタンをクリックして、レジストリエディターを終了させます

図12 [Win]+[I]キーを押すなどして設定チャームを呼び出し、<電源>ボタン→<再起動>とクリックします

それでは結果を確認してみましょう。任意のアプリケーションをインストールし、関連付けの選択肢を増やした状態で、任意のファイルをダブルクリックで開いてください。すると先ほどまで通知されていたメッセージが現れなくなります。なお、同通知は一度放置すると環境に変化が加わるまで現れません。動作確認時は注意してください(図13)。

図13 チューニング実行後は、ファイルを開いても左の画面のような通知は現れません

このチューニングは、新しいアプリケーションに関連付けられたファイルの種類やプロトコルに対して影響を及ぼします。再び通知を表示させる場合は、DWORD「NoNewAppAlert」の値のデータを「0」に変更するか、同DWORD値を削除し、コンピューターを再起動してください。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus