「au oneメール」の終了を告知するプレスリリース

こんにちは、阿久津です。Windows OSとは全く関係ありませんが、気になる出来事がありましたので、今週はこの話題から。KDDIから「『au oneメール』の提供終了について」という発表がありました。端的に述べると2013年9月30日で「au oneメール」サービスを終了するというものです。お使いになったことがある方ならご承知のとおり、Gmailをバックボーンにした同社のWebメールサービスとして、公式サイトでも「ずっと付き合える『100年メール』」と紹介していました。"100年安心"となるとどこかの国会答弁を連想させますが、同サービス終了後は携帯電話の電子メール(@ezweb.ne.jp)をコンピューターから利用可能にするサービスを提供予定と紹介しています。使用者は電子メールアドレスの変更連絡や設定変更などを強いられることに変わりはありません。同サービスを他所の認証サービスとして紐付けている場合も忙しくなるでしょう。

一昔前の電子メールは所属企業や所属教育機関が発行し、所属先が変わることで電子メールの変更を強いられていました。また、個人がISP(インターネットサービスプロバイダ)と契約する際も、ISPが発行する電子メールアドレスがメインとなるため、所属先や契約ISPの変更は実に面倒だった様に記憶しています。筆者が過去に経験した例では、契約していたISPが事業終了となり、強制的に他のISPへ契約変更。ドメインも変更するため、過去の電子メールが使えなくなったことも。

現在では独自ドメインを取得する方や、フリーメールサービスを使用するようになり、電子メールによる"縛り"から解放されました。自由になった電子メールアドレスの取得により、ユーザーは最適な電子メールサービスを選択できるようになりましたが、今回のように企業側の都合で電子メールサービスを終了されると一番困るのユーザーです。もちろんKDDI側の都合もあり、サービス終了に対して提供企業が悪いと責めるつもりはありません。しかし、Gmailを含むほかのWebメールサービスが、今後終了しないという保証はないことも念頭に置かなければならないのです。現在筆者は独自ドメインを取得し、そちらの電子メールアドレスをメインとして利用。自動転送設定でGmailから閲覧・返信しています。

さて、話題は変わってMicrosoftのオンラインストレージであるSkyDrive。SkyDriveアプリをWindows OSにインストールすることで、特定のフォルダーをSkyDriveフォルダーとしてローカルディスクとオンラインストレージを同期する機能が備わっています。同期は自動的に行われるため、ネットワーク帯域などさまざまな条件によりアップロードが遅延することもありますが、特に気にされていない方が多いのではないでしょうか。だが、SkyDriveアプリの設定ダイアログを確認しても、ネットワークに関する設定は一切用意されていません(図01)。

図01 SkyDriveアプリの設定ダイアログ。アップロード速度に関する設定項目は用意されていません

そもそもSkyDriveアプリの設定は、INIファイル(拡張子.ini)で管理されているのをご存じでしょうか。今週は同ファイルを編集し、SkyDriveアプリのアップロード速度を改善するチューニングをお届けします。

1. 「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\SkyDrive\settings\global.ini」を開きます。
2. 同ファイルに「numberOfConcurrentUploads=2」を追加し、保存します。
3. SkyDriveアプリを再起動します。

これでチューニングが終了しました(図02~09)。

図02 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\SkyDrive\settings\global.ini」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03 メモ帳で「global.ini」が開きました。同ファイル内に「numberOfConcurrentUploads」という記述がないか確認してください

図04 記述がない場合は「numberOfConcurrentUploads=2」と加えてください。ある場合は「=」の後に続く数値を変更します

図05 メモ帳の<×>ボタンをクリックすると、保存をうながすダイアログが現れます。<保存する>ボタンをクリックしてください

図06 通知領域にあるSkyDriveアイコンを右クリックし、メニューから<終了>をクリックしてください

図07 確認をうながすダイアログが現れたら、<SkyDriveを終了する>ボタンをクリックします

図08 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\SkyDrive\SkyDrive.exe」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図09 これでSkyDriveアプリが起動し、先ほど行った設定が反映されます

それでは結果を確認……と述べたいと頃ですが、ログファイルの内容がデバッグ用のため見分けることはできません。ただ、追加した「numberOfConcurrentUploads」は文字どおり同時アップロード数を意味し、「1」から「3」の間で設定可能です(図10)。

図10 「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\SkyDrive\logs」フォルダーにあるログファイル。「MN_Keyword」を持つファイルがアップロードされているのは確認できます

今回編集した「global.ini」は「numberOfConcurrentUploads」の記述はなく、同フォルダー内にある「ClientPolicy.ini」では、「numberOfConcurrentUploads=1」の記述を確認しました。もし、変化が見られないようであれば後者の記述も書き換えて、アップロード速度を確認してください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus