こんにちは、阿久津です。タブレット型コンピューター向けに設計されたWindows 8ですが、Microsoft Surfaceの発売も日本国内は見送られ、早くも次期モデルのうわさが出回るようになりました。そのせいか、タブレット型コンピューター上でのタッチ操作に興味を覚えなくなり、デスクトップを中心とした操作が加速的に増えています。そもそも、Windows 7時代と同じデスクトップ型コンピューターを使用している時点で、タッチ操作などWindows 8のUI(ユーザーインターフェース)による恩恵を受けることはできませんので、この流れは必至でした。

デスクトップ環境を中心にWindows 8を使用しますと、リボンの存在が気になるところですが、このあたりはショートカットキーを身に付ければ大きな問題となりません。個人的にはWindows 7時代と同じくナビゲーションウィンドウを非表示に切り替えたいのですが、意外にも使用頻度が高いため、現時点では初期状態のまま。記憶をたどって見ますとスタートメニューからコントロールパネルを起動しており、あらためてスタートメニューを使っている場面があることを思い出しました(ちなみにコントロールパネルは、「ファイル名を指定して実行」などから「control」で起動可能です)。

このようにデスクトップ環境の使用頻度が高まりますと、気になるのがデスクトップ周りのチューニング。過去の本コラムでも何度か紹介したコンテキストメニューの拡張はもちろん、配色や背景色の指定などを行いました。だが、ご存じのとおりWindows 8には、「画面のプロパティ」ダイアログから呼び出せる「デザインの詳細」ダイアログに相当する機能は用意されていません。もちろんWindows Vista以降はデスクトップ描画を行うシステムも変化し、Windows 8では廃止されました(図01)。

図01 Windows XPの「デザインの詳細」ダイアログ。ウィンドウフレームの配色やフォント、サイズといった設定がダイアログ上で可能でした

しかし、ウィンドウフレームの配色は「パーソナル設定」の「スタート画面」で変更できますが、フォントやアイコンの間隔などは調整できません。そこで今週はアイコンの間隔をレジストリから調整するチューニングをお届けしましょう。Windows OSのレジストリチューニングに慣れた方ならご存じのとおり、HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\WindowMetricsキーにある文字列値「IconSpacing」および「IconVerticalSpacing」が、アイコンの左右と上下間隔を管理しています(図02)。

図02 、HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\WindowMetricsキーにある文字列値「IconSpacing」および「IconVerticalSpacing」で、アイコン間隔を管理しています

各データ値は文字列値「IconSpacing」が「-1500」、文字列値「IconVerticalSpacing」が「-1125」。この数値は直感的ではありませんが、Windows 95時代から受け継がれてきた計算式から導き出された数値です。筆者もベースとなる計算式はわかりませんが、データ値としては「0」から「-2730」まで指定可能でした。ロジックは棚上げして、まずは以下の手順をお試しください。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\WindowMetricsキーを開きます。
3. 文字列値「IconSpacing」をダブルクリックし、値のデータを「-480」に変更します。
4. 文字列値「IconVerticalSpacing」をダブルクリックし、値のデータを「-480」に変更します。
5. レジストリエディターを終了させます。
6. Windows 8へ再サインインします。

これでチューニングが終了しました(図03~09)。

図03 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「reedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04 レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop\WindowMetricsまでキーをたどって開きます

図05 右ペインにある文字列値「IconSpacing」をダブルクリックし、値のデータを「-480」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図06 続いて文字列値「IconVerticalSpacing」をダブルクリックします

図07 値のデータを「-480」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図08 操作を終えたら、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

図09 スタート画面のユーザーアイコンをクリックし、メニューから<サインアウト>をクリック。Windows 8へ再サインインします

それでは結果を確認してみましょう。デスクトップに任意のフォルダーを作成していない場合は、図10~12の手順でデスクトップに特殊アイコンを表示させましょう。なお、この時点でアイコンの表示間隔に変化が生じています。自動的にデスクトップ再描画が行われますが、うまくいかないときは[F5]キーを押してください。するといくつかの特殊アイコンがデスクトップに現れますが、初期状態と異なり、アイコン間隔は大きく狭まりました(図10~14)。

図10 デスクトップの何もないところを右クリックし、メニューから<個人設定>をクリックします

図11 ナビゲーションウィンドウにある<デスクトップアイコンの変更>をクリックします

図12 ダイアログの「デスクトップアイコン」セクションにある項目をいくつかクリックし、<OK>ボタンをクリックします

図13 各データ値が「-480」の状態。表示間隔が狭まると同時に長いアイコン名は折り返し表示されています

図14 こちらは初期状態のデスクトップ。チューニングを加えた図13と見比べてください

先ほど設定値は「0」から「-2730」と述べましたが、それでは各数値を実際に指定してみるとどうなるかも実験してみましょう。図15は各データ値を「0」にした状態ですが、ご覧のとおりアイコン間隔が狭まりすぎて使いにくくなってしまいます。図16は各データ値を「-2000」にしたものですが、こちらもアイコン間隔が広くなりすぎました(図15~16)。

図15 各データ値を「0」にした状態。間隔が狭まりすぎて使いにくくなります

図16 各データ値を「-2000」にした状態。間隔がやや広すぎます

用途や使用スタイルによってベストな値は異なりますので試行錯誤を繰り返し、ご自身が納得いく数値を見つけましょう。なお、これらの設定はデスクトップのみ有効で、フォルダー内のアイコン(ファイル)間隔には影響しませんでした(図17)。

図17 チューニング後もフォルダー内の表示は影響されません。これは表示レイアウトを変更しても同じでした

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus