こんにちは、阿久津です。2008年10月から復活した本連載ですが、おかげさまで200回を数えることができました。今後も役に立つチューニングテクニックを紹介していきますので、お付き合いのほどよろしくお願いします。

さて、筆者も年を重ねて健康が気になる年代に差し掛かりました。若い頃の不摂生から食事制限が設けられるようになり、自身で料理することを踏まえて最近はレシピ本を読む機会が増えています。健康系レシピ本と言えば体重計のタニタが有名ですが、筆者が興味を引かれたのが「日本マイクロソフトの社員食堂 野菜たっぷりデリレシピ63」というレシピ本。

日本マイクロソフトもリリースを出しているように、同社従業員を対象とした健康プログラムを実施し、その一環として発刊されたようです。筆者は趣味レベルで料理をしてきましたが、しょせんは素人ですのでレシピ本は調理に欠かせない強い味方です。

日頃レシピ本を購入する基準として、その本に"作りたいと"思う料理が三つ以上あるか否かで判断してきました。長年見てきたIT企業のレシピ本ということで気になっていましたが、本連載の話題半分・興味半分で購入しましたので、軽く紹介させてください。

「日本マイクロソフトの社員食堂 野菜たっぷりデリレシピ63」は、同社の社員食堂である「One Microsoft Cafe」で提供する料理のレシピを家庭向けにアレンジしたというもの。どちらかと言えば女性が好むスタイリッシュな料理が多いようですが、ヘルシー料理を集めた章は、摂生を必要とする筆者にはちょうど良さそうです。

本の途中にはコラムが設けられており、同社の社員食堂の紹介や社員のコメントが掲載されていました。中小企業はともかく、大手企業で働いた経験が皆無の筆者にはお酒が飲めることに魅力を感じましたが、興味深いのは後者の方。発表会や内覧会などで司会役を演じていたエバンジェリスト(IT技術をわかりやすく説明する役職)の方々が答えており、本の向こうにいる人々が見えないレシピ本よりも身近に感じました。

現在は仕事部屋の書棚に並んでいますが、Windows 8関連の執筆を一段落させたら、同レシピ本を見ながら料理を作り、酒を飲みたいと思います。

ところで今年の夏は猛暑日も多く、コンピューターの熱対策が必要なユーザーも多いでしょう。筆者のところでも日々撮りためたサッカーの試合をエンコード中に何度か熱暴走する事態に見舞われました。そのため、電源オプションの詳細設定や「Powercfg.exe」コマンドを触っていたところ、面白い項目を見つけました。

それが、GUID「833a6b62-dfa4-46d1-82f8-e09e34d029d6」で定義されている「強制ボタン/カバー シャットダウンを有効にする」という項目。文字どおり電源ボタンやノート型コンピューターのディスプレイを閉じた際に強制シャットダウンを実行するというものです。今週はこの機能を有効にするチューニングをお届けしましょう。

1.管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2.HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\4f971e89-eebd-4455-a8de-9e59040e7347\833a6b62-dfa4-46d1-82f8-e09e34d029d6キーを開きます。
3.DWORD値「Attributes」のデータ値を「2」に変更します。
4.[F5]キーを押してからレジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが終了しました(図01~04)。

図01 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「diskmgmt.msc」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図02 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\4f971e89-eebd-4455-a8de-9e59040e7347\833a6b62-dfa4-46d1-82f8-e09e34d029d6キーを開きます

図03 DWORD値「Attributes」をダブルクリックし、値のデータを「2」に変更します

図04 [F5]キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

それでは結果を確認してみましょう。まずはコントロールパネルなどから電源オプションダイアログを起動します。電源オプション→プラン設定の変更→詳細な電源設定の変更とたどるか、「Rundll32.exe Shell32.dll,Control_RunDLL powercfg.cpl,,1」を実行してください。同ダイアログの<電源ボタンとカバー>を展開しますと、<強制ボタン/カバー シャットダウンを有効にする>という項目が追加されました(図05~06)。

図05 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「Rundll32.exe Shell32.dll,Control_RunDLL powercfg.cpl,,1」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図06 <電源ボタンとカバー>を展開しますと、<強制ボタン/カバー シャットダウンを有効にする>という項目が追加されています

前述のとおり同項目はシャットダウンを強制実行するための設定です。そのため有効および実行時には、未保存のドキュメントをアプリケーションで編集中の場合、そのまま破棄されてしまうことがありますので注意してください。なお、本チューニングを無効にするには、ステップ03で編集したDWORD値「Attributes」のデータ値を「1」に戻します。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus