こんにちは、阿久津です。ちまたで話題のNew iPadですが、早速筆者も購入しました。もともとiPad2を使っていたため新鮮味はありませんが、解像度の向上は素晴らしいものです。クアッドコアグラフィックスのせいか、内蔵バッテリーのせいか不明ながらも、動画再生を行うと背面がほんのりと暖かくなります。

海外のニュースサイトでは既に同様の問題が報じられているそうですが、現時点では原因は明らかにされていません。熱くて持てないというほどではありませんが、これまで使っていたiPad2では起きなかった現象だけに、少々気になりました。

それでも高解像度化による視認性の向上は、最近低下していた読書欲をかき立てられます。これまでもiPad2で電子書籍や青空文庫などをボチボチと読んでいましたが、細かい文字がクリアに読めるようになりますと、狭い部屋を専有している大量の書籍をデータ化する"自炊"にチャレンジしたくなりました。

既にADF付きスキャナーは以前から所有していますが、あくまでもフラットベットスキャナーのオプションですので、パフォーマンスを鑑みると新しいドキュメントスキャナーを購入しなければなりません。加えて大量の書籍を裁断するためには裁断機も購入する必要があります。前者は長年蓄積してきたコンピューターの知識で有無を判断できますが、文房具関係は完全に門外漢。先人たちのブログを拝見しながら、どの裁断機が良いか勉強中です。

さて、Windows OSのエクスプローラーで、すべてのファイルを選択する方法は複数用意されています。メニューバーを表示させてから<編集>メニューの<すべて選択>を選択、もしくは<整理>ボタンをクリックすると現れるメニューの同項目を選択、そして[Ctrl]+[A]キーを押すというもの。一見するとツールバーから直接操作できても良さそうなものですが、残念ながら用意されていません。

ツールバーの機能を管理している、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ CommandStore \ shellキーを確認しますと、同等の機能を実行するWindows.selectallキーが用意されています(図01)。

図01: HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ CommandStore \ shell \ Windows.selectallキーの内容

サブキーのCommandキー内の文字列値「DelegateExecute」で呼び出しているクラスキー「{aa28fbc7-59f1-4c42-9fd8-ba2be27ea319}」をコンテキストメニューから呼び出せば、同等の機能が実現できるはずと考えました。そこで今回はコンテキストメニューから<すべて選択>を実行するチューニングをお送りします。

1.管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2.HKEY_CLASSES_ROOT \ AllFilesystemObjects \ shell \ selectallキーを開きます(ない場合は作成します)。
3.「(既定)」の値のデータを「すべて選択(&A)」に変更します。
4.サブキーとしてcommandキーを作成します。
5.文字列値「DelegateExecute」を作成し、値のデータを「{aa28fbc7-59f1-4c42-9fd8-ba2be27ea319}」に変更します。
6.HKEY_CLASSES_ROOT \ Directory \ Background \ shell \ selectallキーを開きます(ない場合は作成します)。
7.ステップ03~05の操作を同キーで繰り返します。
8.HKEY_CLASSES_ROOT \ LibraryFolder \ shell \ selectallキーを開きます(ない場合は作成します)。
9.文字列値「MUIVerb」を作成し、値のデータを「@shell32.dll,-31276」に変更します。
10.ステップ04~05の操作を同キーで繰り返します。
11.[F5]キーを押してからレジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが終了しました(図02~36)。

図02: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図03: レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT \ AllFilesystemObjectsキーを開きます

図04: AllFilesystemObjectsキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図05: キー名を「新しいキー #1」から「shell」に変更します

図06: shellキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図07: キー名を「新しいキー #1」から「Selectall」に変更します

図08: 右ペインにある「(既定)」をダブルクリックし、値のデータを「すべて選択(&A)」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図09: Selectallキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図10: キー名を「新しいキー #1」から「command」に変更します

図11: 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図12: 値名を「新しい値 #1」から「DelegateExecute」に変更します

図13: 文字列値「DelegateExecute」をダブルクリックし、値のデータを「{aa28fbc7-59f1-4c42-9fd8-ba2be27ea319}」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図14: 次にHKEY_CLASSES_ROOT \ Directory \ Backgroundキーを開きます

図15: shellキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図16: キー名を「新しいキー #1」から「Selectall」に変更します

図17: 右ペインにある「(既定)」をダブルクリックし、値のデータを「すべて選択(&A)」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図18: Selectallキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図19: キー名を「新しいキー #1」から「command」に変更します

図20: 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図21: 値名を「新しい値 #1」から「DelegateExecute」に変更します

図22: 文字列値「DelegateExecute」をダブルクリックし、値のデータを「{aa28fbc7-59f1-4c42-9fd8-ba2be27ea319}」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図23: 次にHKEY_CLASSES_ROOT \ LibraryFolderキーを開きます

図24: LibraryFolderキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図25: キー名を「新しいキー #1」から「shell」に変更します

図26: shellキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図27: キー名を「新しいキー #1」から「Selectall」に変更します

図28: 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図29: 値名を「新しい値 #1」から「MUIVerb」に変更します

図30: 文字列値「MUIVerb」を、値のデータを「@shell32.dll,-31276」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図31: Selectallキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図32: キー名を「新しいキー #1」から「command」に変更します

図33: 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図34: 値名を「新しい値 #1」から「DelegateExecute」に変更します

図35: 文字列値「DelegateExecute」をダブルクリックし、値のデータを「{aa28fbc7-59f1-4c42-9fd8-ba2be27ea319}」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図36: 操作を終えたら、[F5]キーを押してから<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

早速動作を確認してみましょう。エクスプローラーを起動し、任意のフォルダーを開いてから何もないところを右クリックしてください。するとコンテキストメニューに<すべて選択>が加わっていることを確認できます。同項目を選択すると[Ctrl]+[A]キーと同じようにすべてのファイル/フォルダーを選択することが可能になります。コンテキストメニューが開いた状態で[A]キーを押せば、同項目を選択したことになりますので、GUI操作が中心の方にも便利な機能になるのではないでしょうか(図37)。

図37: 各フォルダーのコンテキストメニューに<すべて選択>という項目が加わり、同項目を選択することですべてのファイル/フォルダーを選択できます

今回は、すべてファイルとフォルダーに対するHKEY_CLASSES_ROOT \ AllFilesystemObjectsキーと、デスクトップなどに対するHKEY_CLASSES_ROOT \ Directory \ Backgroundに加え、ライブラリフォルダーに対するHKEY_CLASSES_ROOT \ LibraryFolderキーにshellキーをおよび実行コマンドを追加しました。

LibraryFolderキーのみ「(既定)」ではなく、文字列値「MUIVerb」を使用したのは、ライブラリフォルダーのコンテキストメニューにある<整列>が存在するためです。同項目もショートカットキーとして「A」が割り当てられているため、今回はOS側で定義されている文字列をそのまま使用しました。なお、本機能が不要になりましたら、各キーに作成したselectallキー以下をそのまま削除してください(図38)。

図38: ライブラリのコンテキストメニューには<整列>が存在し、ショートカットキーがかぶってしまうため、文字列値「MUIVerb」による項目名を利用しました

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)