こんにちは、阿久津です。筆者の電子メール送受信環境は、複数の電子メールアカウントをGmailに集約させ、送信時は内容に沿った各電子メールアドレスをFromとして選択するように運用しています。そのため、Gmailの電子メールアドレスを周りに通知する必要はなく、筆者が保有するドメインや自宅サーバで管理しているメールサーバ経由でしか、電子メールは届かないはず、なのですが……。

そのGmailの電子メールアドレスに、間違いメールが舞い込んでくるのです。筆者が使っているGmailの電子メールアドレスは初期に取得したため非常に短く、きっと送信時のタイプミスなどで送ってしまうのでしょう。ちょうど昨晩舞い込んできた間違いメールは連休を一緒に過ごした息子さん(?)へのお礼メールでしたが、以前は打ち合わせのサマリーやテレビ番組の台本、学生が大学教授へ送ったと見られる論文などもありました。

当初は「送り先が間違っていますよ~」とその都度返信していたのですが、自分の非を認めず文句を言う不思議な人がいたのを機に、フィルター機能で設定してから間違いメールを削除しています。一度Gmailアカウントの変更も考えてみましたが、同アカウントでは、カレンダーなど各Googleサービスも併用しているため、現実的な選択肢ではありません。

間違いメールはSPAMメールと違って、数カ月に一回程度と舞い込む頻度は低いものの、各電子メールアカウントで受信した電子メールをバックアップとして取得するMozilla Thunderbirdで間違いメールを目にすると、少々ゲンナリしてしまうことも。人間ですからケアレスミスは必ず発生するのは致し方ありませんが、電子メール送信前はそのアドレスが正しいか確認する習慣を付けて欲しいものです。

さて、Internet Explorer 9には前バージョンに引き続き、SmartScreenフィルターが搭載されています。バックグラウンドでアクセス先となるWebサイトの分析と、Microsoftが管理するデータベースを元にチェックを行い、訪問先が危険なサイトと判断した場合、警告を発する機能として搭載されました。本フィルターはWebサイトだけでなく、ダウンロードするファイルに対しても適用されます(図01)。

図01: SmartScreenフィルター機能の有無は、<セキュリティ>タブから呼び出すゾーンの設定で制御可能です

実際に危険なWebサイトにアクセスすると、アドレスバーや背景色を赤色に変更して警告を発し、ホームページへの移動などをうながします。しかし<詳細情報>をクリックして項目を展開すると、そこにはWebサイトに関する情報確認に加え、<無視して続行>という項目が用意されているため、完全にブロックされたことにはなりません(図02)。

図02: 危険と判断されたWebサイトにアクセスする前は、アドレスバーや背景色を赤色に変更して警告を発します

同項目はSmartScreenフィルターが誤った判断を行った際や、Microsoftのデータベースに間違った情報が登録されていた場合の回避作として用意されたものです。しかし、コンピュータ初心者がInternet Explorer 9を使用し、危険なWebサイトへのアクセスをブロックするという本来の意図からすれば、存在すべきではありません。そこで今回は、SmartScreenフィルターのブロック回避項目を削除するチューニングをお届けしましょう。

1.Internet Explorer 9を終了します。
2.管理者権限でレジストリエディターを起動します。
3.HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Policies \ Microsoft \ Internet Explorer \ PhishingFilterキーを開きます(ない場合は作成します)。
4.DWORD値「PhishingFilter」を作成し、値のデータを「1」に変更します。
5.[F5]キーを押してから、レジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが終了しました(図03~12)。

図03: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04: レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Policies \ Microsoftまでキーをたどって開きます

図05: Microsoftキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>と順にクリックします

図06: 「新しいキー #1」の名前を「Internet Explorer」に変更します

図07: Internet Explorerキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>と順にクリックします

図08: 「新しいキー #1」の名前を「PhishingFilter」に変更します

図09: PhishingFilterキーを開き、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD値>と順にクリックします

図10: 「新しい値 #1」の名前を「PreventOverride」に変更します

図11: DWORD値「PreventOverride」をダブルクリックで開き、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図12: 操作を終えたら[F5]キーを押した後、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

早速結果を確認してみましょう。Internet Explorer 9を起動し、警告を発するWebサイトにアクセスしてください。するとチューニング前と同じようにSmartScreenフィルターによる警告が発せられます。<詳細情報>をクリックすると、同じようにWebサイトに関する情報のリンクなどが表示されますが、<無視して続行>は見当たりません。図02と見比べると違いがわかります(図13)。

図13: チューニング後は<詳細情報>から<無視して続行>が削除されています

これでコンピューターに詳しくない家族などがInternet Explorer 9を使う際も安心です。なお、元の状態に戻すには、DWORD値「PhishingFilter」のデータ値を「0」に変更するが、DWORD値自体を削除してください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)