こんにちは、阿久津です。Windows 7が登場して一年半以上が過ぎ、既に次世代Windows OSとなるWindows 8(仮称)のインタフェースが公開されるなど、新しい動きが見て取れるようになりました。つまり来年の半ばか終わりには、新しいWindows OSへのバージョンアップ作業が発生することになります。

Windows Vista以降、OSのリリースサイクルが以前の様に狭まってきましたが、OSの入れ替えることで、自然と使わなくなってしまう機能やアプリケーションが出てきます。筆者が使わなくなった機能として筆頭にあげるのがプログラムメニュー。以前からコマンドライン型ランチャーを使っている関係から、アプリケーションの起動は大半がコマンドランチャーから起動します。より使用頻度の高いアプリケーションはタスクボタンにピン留めすることで、ジャンプリストの恩恵も受けられるのは大きなメリットとなりました。

また、スタートメニューにある検索ボックスのインデックス範囲はプログラムメニューも含まれますので、同ボックスからショートカットファイル名などを入力することで、ランチャーやピン留めしていないアプリケーションを起動することも可能です。

もちろん、これらは筆者のようにOSをキーボードで操作するのが好きな"キーボード派"の使い方であり、マウスやポインティングデバイスを主な入力インタフェースとして使う"マウス派"には馴染みません。そこで思いつくのが、デスクトップのコンテキストメニューを階層ランチャー化するチューニングです。

ロジックは以前の記事で紹介しましたが、今回は使用頻度はさほど高くありませんが、ないと困るOS標準のアクセサリーを同メニューから参照するチューニングをお届けします。

1.管理者権限で「regedit」を実行します。
2.レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT \ DesktopBackground \ Shell \ Accessoriesキーまでたどって開きます(ない場合は作成します)。
3.Accessoriesキー内に文字列値「MUIVerb」を作成します。
4.文字列値「MUIVerb」を開き、値のデータを「アクセサリ(&A)」に変更します。
5.ステップ03~04を参考に文字列値「Icon」を作成し、データ値を「imageres.dll,111」に変更します。
6.ステップ03~04を参考に文字列値「SubCommands」を作成し、データ値を
「Calc;CMD;NetworkProjector;Projector;GettingStarted;MIP;Notepad;Paint;
RDC;Run;SnippingTool;SoundRecorder;StickyNotes;SyncCenter;explorer;
MobilityCenter;WordPad」に変更します。
7.次はHKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ CommandStore \ shellキーまでたどって開きます。
8.shellキーを開いたら<編集>メニューなどから「calc\command」キーを作成します。
9.calcキーを開いたら、ステップ03~04を参考に文字列値「Icon」を作成し、データ値を「calc.exe」に変更します。
10.ステップ03~04を参考に文字列値「MUIVerb」を作成し、データ値を「電卓帳」に変更します。
11.commandキーを開いて「(既定)」をダブルクリックし、値のデータを「calc.exe」に変更して<OK>ボタンをクリックします。
12.ステップ08~11の手順を表01の内容に沿って繰り返します。
13.[F5]キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが終了しました(図01~27)。

図01: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図02: レジストリエディターが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT \ DesktopBackground \ Shellキーまでたどって開きます

図03: Shellキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>と順にクリックします

図04: キー名を「新しいキー #1」から「Accessories」に変更します

図05: 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図06: 値名を「新しい値 #1」から「MUIVerb」に変更します

図07: 文字列値「MUIVerb」をダブルクリックし、値のデータを「アクセサリ(&A)」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図08: 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図09: 値名を「新しい値 #1」から「icon」に変更します

図10: 文字列値「icon」をダブルクリックし、値のデータを「imageres.dll,100」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図11: 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図12: 値名を「新しい値 #1」から「SubCommands」に変更します

図13: 文字列値「SubCommands」をダブルクリックし、値のデータを
「Calc;CMD;NetworkProjector;Projector;GettingStarted;MIP;
Notepad;Paint;RDC;Run;SnippingTool;SoundRecorder;
StickyNotes;SyncCenter;explorer;MobilityCenter;
WMP;WordPad」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図14: これで一段目の手順が終わりました

図15: 次はHKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ CommandStore \ shellキーまでたどって開きます

図16: shellキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>と順にクリックします

図17: キー名を「新しいキー #1」から「Calc」に変更します

図18: Clacキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>と順にクリックします

図19: キー名を「新しいキー #1」から「command」に変更します

図20: Calcキーを開き直し、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図21: 値名を「新しい値 #1」から「Icon」に変更します

図22: 文字列値「Icon」をダブルクリックし、値のデータを「calc.exe」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図23: 右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします

図24: 値名を「新しい値 #1」から「MUIVerb」に変更します

図25: 文字列値「MUIVerb」をダブルクリックし、値のデータを「電卓」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図26: commandキーを開き直し、「(既定)」をダブルクリック。値のデータを「notepad.exe」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図27: 一連の操作を終えたら[F5]キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させますM@

早速結果を確認してみましょう。デスクトップの何もないところを右クリックしてください。すると<アクセサリ>という項目が加わっているはずです。同項目を選択しますと、サブメニューとして<電卓>や<コマンド プロンプト>といったアクセサリの内容が表示されます。もちろん各項目を選択すれば各アプリケーションが起動します(図28)。

図28: デスクトップの何もないところを右クリックしますと、メニューには<アクセサリ>という項目が加わり、サブメニューにプログラムメニューの「アクセサリ」の内容が並びます

ご覧のとおり、以前の記事と同じチューニングロジックを用いていますが、列挙する内容によって受ける印象も異なるのではないでしょうか。なお、お使いのエディションや環境によっては存在しないアプリケーションがあります(Home Premiumの場合「プロジェクターへの接続」など。デスクトップコンピューターの場合「Windows モビリティセンター」など)。その際は該当するキーやエントリを作成しないでください。

なお、今回の手順も煩雑なのでレジストリファイルを用意しました。「Enable-ContextMenu-Accessory.reg」は今回のチューニング内容をまとめたレジストリファイルですので、ダブルクリック一つで本チューニングを実行できます。また「Remove-ContextMenu-Accessory.reg」は今回のチューニングをすべて破棄するレジストリファイルです。具体的にはHKEY_CLASSES_ROOT \ DesktopBackground \ Shell \ Accessoriesキーと、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ CommandStore \ shell下の各キーを削除しています。必要に応じてお使いください。

「Enable-ContextMenu-Accessory.reg」をダウンロードする
「Remove-ContextMenu-Accessory.reg」をダウンロードする

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)

■表01: HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ CommandStore \ shellキーで作成する内容
キー 文字列値
Icon * MUIVerb (既定)
~shell \ Calc calc.exe 電卓 -
~shell \ Calc \ command - - calc.exe
~shell \ CMD cmd.exe コマンド プロンプト -
~shell \ CMD \ command - - cmd.exe
~shell \ NetworkProjector NetProj.exe ネットワーク プロジェクターへの接続 -
~shell \ NetworkProjector \ command - - NetProj.exe
~shell \ Projector displayswitch.exe プロジェクターへの接続 -
~shell \ Projector \ command - - displayswitch.exe
~shell \ GettingStarted %windir% \ branding \ shellbrd \ shellbrd.dll はじめに -
~shell \ GettingStarted \ command - - RunDLL32 oobefldr.dll,ShowWelcomeCenter
~shell \ MIP %CommonProgramFiles% \ Microsoft Shared \ Ink \ mip.exe 数式入力パネル -
~shell \ MIP \ command - - mip.exe
~shell \ Notepad notepad.exe メモ帳 -
~shell \ Notepad \ command - - notepad.exe
~shell \ Paint mspaint.exe ペイント -
~shell \ Paint \ command - - mspaint.exe
~shell \ RDC mstsc.exe リモート デスクトップ接続 -
~shell \ RDC \ command - - mstsc.exe
~shell \ Run imageres.dll,-100 ファイル名を指定して実行 -
~shell \ Run \ command - - RunDLL32 shell32.dll,#61
~shell \ SnippingTool SnippingTool.exe Snipping Tool -
~shell \ SnippingTool \ command - - SnippingTool.exe
~shell \ SoundRecorder SoundRecorder.exe サウンド レコーダー -
~shell \ SoundRecorder \ command - - SoundRecorder.exe
~shell \ StickyNotes StikyNot.exe 付箋 -
~shell \ StickyNotes \ command - - StikyNot.exe
~shell \ SyncCenter mobsync.exe 同期センター -
~shell \ SyncCenter \ command - - mobsync.exe
~shell \ explorer explorer.exe エクスプローラー -
~shell \ explorer \ command - - explorer.exe
~shell \ MobilityCenter mblctr.exe Windows モビリティセンター -
~shell \ MobilityCenter \ command - - mblctr.exe
~shell \ WordPad ProgramFiles% \\ Windows NT \\ Accessories \\ wordpad.exe ワードパッド -
~shell \ WordPad \ command - - wordpad.exe