こんにちは、阿久津です。ようやく春の暖かさを感じたかと思ったら次の日は雪景色。こんな不思議な天候で花粉症の症状も軽微だったり、ティッシュペーパーが手離せなかったり。コンピュータも「日によって調子がおかしい」と言われることがありますが、空間温度や湿度などを除けば、調子が変わるということはありません。「何もしていないのに……」と言うのも勘違い。トラブルや異常現象は、前日に導入したアプリケーションや行った設定が一因となります。もちろんOS自体に潜む未発見のバグが起因となるることもありますが……。

この手の質問から始まる友人・知人のトラブルシューティングは決して楽ではありません。当人自身が意識していないため、トラブルの原因を探るために当人からのリサーチを行うか、自身でコンピュータの状態やOSの状況を、端から端まで確認しなければならないのです。先頃経験した友人のトラブルシューティングを紹介しましょう。当初は電話で「プリンタが使えなくなった」という相談から始まりました。コンピュータのOSはWindows XPだったため、コントロールパネルからプリンタのウィンドウを開かせ、×印のオーバーレイアイコンが表示されていないか、オフラインを示す半透明表示になっていないか確認してもらいました。

すると、プリンタの電源は入っているのにオフライン状態になっていましたので、メニューからオフラインのチェックを外し、テスト印刷を実行してくれと伝えたところでいったん終了。一時間後に再び電話があり、「手に負えないから来て欲しい」と哀願されたため、友人の事務所に出向きました。コンピュータの状態を小一時間かけて調べたところ、とある業者が納入したネットワークルータの設定が曖昧だったため、プリンタがLANにぶら下がっていない状態。これでは動作する訳がありません。早速コンピュータとプリンタのDHCP設定を変更することでオフライン状態は改善されましたが、今度は印刷を実行するとプリントスプーラーが起因となるエラーが発生。

サービスの再起動やプリンタドライバーの修復を行っても改善しないため、「%windir%\System32\spoolsv.exe」ファイルを確認してみますと、ファイルが破損していることが判りました。友人に使い方を問いただしますと、電源ボタンによる強制シャットダウンを繰り返していたとのこと。そのため、ファイルシステムの整合性が破損し、ファイル自体が壊れてしまったのでしょう。言葉にするとあっという間ですが、対象となるコンピュータの搭載メモリは384MBと貧弱で、動作検証一つとっても数分から数十分かかります。結局日中から始めた一連のメンテナンスは日が暮れる頃に終了。四~五時間も費やすことになりました。

当人は認識していませんが、「強制シャットダウンによるシステムファイルの破損。それに伴うプリントスプーラーの異常行動」という自身の行動から発生したトラブルだったのです。本連載をご覧の方々はトラブルを引き起こすというよりも、筆者と同じように相談を受ける側に立つ方が多いと思いますが、コンピュータにまつわるトラブルは必ず当人の使用スタイルや実行したアクションに起因しています。メンテナンスに取りかかる前に当人から念入りに聞き込みを行いましょう。

さて、その事務所でWindows XPのメンテナンスを行っている最中に受けた相談が、IE(Internet Explorer)の履歴を残す方法。そのコンピュータは姪っ子が遊びに使うこともあり、履歴を監視したいとのことでした。Windows Liveファミリーセーフティを使えばアクセス履歴を監視することも可能ですが、前述の重いマシンだったため、IEの履歴削除機能を無効にする方法を選択しました。今回はこのチューニングをお送りします。

1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Policies \ Microsoft \ Internet Explorer \ Control Panelキーまでたどって開きます(ない場合は作成します)。
3.Control Panelキーを開き、右ペインの何もないところを右クリックします。メニューから<新規>→<DWORD値>と選択して、値名を「DisableDeleteBrowsingHistory」に変更します。
4.DWORD値「DisableDeleteBrowsingHistory」をダブルクリックし、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします。
5.[F5]キーを押して変更内容をシステムに反映させてから、<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます。

これでチューニングが終了しました(図01~10)。

図01: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図02: レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Policies \ Microsoftキーまでたどって開きます

図03: Microsoftキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>と順番にクリックします

図04: キー名を「新しいキー #1」から「Internet Explorer」に変更します

図05: Internet Explorerキーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>と順番にクリックします

図06: キー名を「新しいキー #1」から「Control Panel」に変更します

図07: Internet Explorerキーを開き、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD値>とクリックします

図08: 値名を「新しい値 #1」から「DisableDeleteBrowsingHistory」に変更します

図09: DWORD値「DisableDeleteBrowsingHistory」をダブルクリックし、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図10: <×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了させます

早速、結果を確認してみましょう。IEを再起動し、[Alt]キーを押してメニューバーを表示させたら、<ツール>メニュー→<インターネットオプション>と選択して同名のダイアログを起動させましょう。すると<全般>タブの「閲覧の履歴」セクションにある項目<終了時に閲覧の履歴を削除する>と<削除>ボタンがグレーアウトし、操作できなくなります(図11~14)。

図11: IEを起動し、[Alt]キーを押してメニューバーを表示させたら、<ツール>メニュー→<インターネットオプション>と選択します

図12: こちらはチューニング前の状態。普段と何ら変わりはありません

図13: こちらはチューニング後の状態。「閲覧の履歴」セクションにある<削除>ボタンがグレーアウトしています

図14: <設定>ボタンで起動するダイアログでも設定項目が制限されます

この状態でウェブ閲覧を繰り返せば履歴が積み重なり、監視という観点からは有益なチューニングとなります。ただし、履歴保存日数はインターネット一時ファイルと履歴の設定ダイアログで調整可能。ここを変更されると当日の履歴しか残らなくなりますので注意しましょう。また、本チューニングを無効にするにはDWORD値「DisableDeleteBrowsingHistory」のデータ値を「0」に変更するか値自体を削除してください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)