こんにちは、阿久津です。予告どおり前回の続きから始めましょう。前回チューニング対象とした、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {0b2baaeb-0042-4dca-aa4d-3ee8648d03e5}キーはピクチャライブラリであり、そのほかのフォルダーは表01にまとめたクラスIDが割り当てられています。

■表01 チューニング対象となる主なキー
一般項目 HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {5c4f28b5-f869-4e84-8e60-f11db97c5cc7}
ドキュメント HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {7d49d726-3c21-4f05-99aa-fdc2c9474656}
ピクチャ HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {b3690e58-e961-423b-b687-386ebfd83239}
ミュージック HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {94d6ddcc-4a68-4175-a374-bd584a510b78}
ビデオ HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {5fa96407-7e77-483c-ac93-691d05850de8}
一般項目(ライブラリ) HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {da3f6866-35fe-4229-821a-26553a67fc18}
ドキュメント(ライブラリ) HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {fbb3477e-c9e4-4b3b-a2ba-d3f5d3cd46f9}
ミュージック(ライブラリ) HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {3f2a72a7-99fa-4ddb-a5a8-c604edf61d6b}
ピクチャ(ライブラリ) HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {0b2baaeb-0042-4dca-aa4d-3ee8648d03e5}
ビデオ(ライブラリ) HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {631958a6-ad0f-4035-a745-28ac066dc6ed}

このほかにも、アドレス帳(%USERPROFILE% \ Contactsフォルダー)であれば、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {de2b70ec-9bf7-4a93-bd3d-243f7881d492}キーが参照されますが、今回は"フォルダーの種類"をカスタマイズしていない「一般項目」となるフォルダーのツールバーをチューニングしてみましょう。まずは下記手順をご覧ください。

1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {5c4f28b5-f869-4e84-8e60-f11db97c5cc7}キーまでたどって開きます。
3.{5c4f28b5-f869-4e84-8e60-f11db97c5cc7}キーを右クリックし、メニューから<アクセス許可>をクリックします。
4.アクセス許可ダイアログが起動したら、<詳細設定>ボタンをクリックします。
5.セキュリティの詳細設定ダイアログが起動したら、<所有者>タブをクリックして開き、「Administrators」グループを選択して<OK>ボタンをクリックします。
6.元のアクセス許可ダイアログに戻ったら、「Administrators」グループを選択し、「フルコントロール」の「許可」にチェックを入れて<OK>ボタンをクリックします。
7.{5c4f28b5-f869-4e84-8e60-f11db97c5cc7}キーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックし、TasksItemsSelectedキーを作成します。
8.同様の手順でTasksNoItemsSelectedキーを作成します。
9.TasksItemsSelectedキーを開き、「(既定)」をダブルクリックで開きます。
10.値のデータを「Windows.properties;Windows.removeproperties」に変更して<OK>ボタンをクリックします。
11.設定を有効にするためレジストリエディターを終了し、Windows 7へ再ログオンします。

これでチューニングが終了しました(図01~13)。

図01: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図02: レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {5c4f28b5-f869-4e84-8e60-f11db97c5cc7}キーまでたどって開きます

図03: {5c4f28b5-f869-4e84-8e60-f11db97c5cc7}キーを右クリックし、メニューから<アクセス許可>をクリックします

図04: アクセス許可ダイアログが起動したら、<詳細設定>ボタンをクリックします

図05: セキュリティの詳細設定ダイアログの<所有者>タブをクリックし、「Administrators」グループを選択してから<OK>ボタンをクリックします。これで所有者が変更されました

図06: アクセス許可ダイアログで「Administrators」グループを選択してから、「フルコントロール」の「許可」をクリックしてチェックを入れます。<OK>ボタンをクリックしてダイアログを閉じてください

図07: {5c4f28b5-f869-4e84-8e60-f11db97c5cc7}キーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図08: キー名を「新しいキー #1」から「TasksItemsSelected」に変更してください

図09: {5c4f28b5-f869-4e84-8e60-f11db97c5cc7}キーを右クリックし、メニューから<新規>→<キー>とクリックします

図10: キー名を「新しいキー #1」から「TasksNoItemSelected」に変更してください

図11: TasksItemSelectedキーを開き「(既定)」をダブルクリックします。ダイアログにある値のデータを「Windows.properties;Windows.removeproperties」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図12: 作業を終えたら<×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了してください

図13: 設定を有効にするため、<スタート>メニューの電源ボタンから<ログオフ>を選択して、Windows 7に再ログオンします

それでは結果を確認してみましょう。適当なフォルダーを作成し、フォルダー内にやはり適当なファイルを作成してください。そのファイルを選択するとツールバーには、<プロパティ><プロパティの削除>が加わります。これはステップ10で追加したデータ値がツールバーに反映されたものであり、前者の「Windows.properties」が<プロパティ>、後者の「Windows.removeproperties」が<プロパティの削除>を加える値であることが理解できるでしょう(図14)。

図14: 適当なフォルダーを開いて任意のファイルを選択しますと、<プロパティ><プロパティの削除>がツールバーに追加されました

その一方で、前回のチューニング対象であるピクチャライブラリに変化は起きているでしょうか。答えは否。同フォルダーが参照するのは、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Explorer \ FolderTypes \ {0b2baaeb-0042-4dca-aa4d-3ee8648d03e5}キーであるため、今回行なったチューニングの影響は受けません(図15)。

図15: こちらはピクチャライブラリですが、図13のように<プロパティ>が追加されていません。各クラスIDを名前に持つキーが独立していることが確認できます

どのようなボタンが加えられるかは表02をご覧ください。このほかにも数多くの設定値が存在しますが、筆者が動作確認したもののみ掲載しました。また、「Windows.email」は、Windows Liveメールの導入が必要となり、「Windows.separator」は何も書かれていない空白ボタンが現われるます。

■表02
設定値 ツールバーボタン名
Windows.burn 書き込む
Windows.closewindow 閉じる
Windows.Copy コピー
Windows.Cut 切り取り
Windows.Delete 削除
Windows.Paste 貼り付け
Windows.previewpane 詳細ウィンドウ
Windows.topviewrestoredefault 変更をクリア
Windows.email 電子メールで送信する
Windows.folderoptions フォルダーと検索のオプション
Windows.includeinlibrary ライブラリに追加
Windows.layout レイアウト
Windows.librarypane ライブラリ ウィンドウ
Windows.menubar メニューバー
Windows.navpane ナビゲーション ウィンドウ
Windows.newfolder 新しいフォルダー
Windows.playmusic すべて再生する
Windows.properties プロパティ
Windows.readingpane プレビュー ウィンドウ
Windows.print 印刷
Windows.redo やり直し
Windows.rename 名前の変更
Windows.removeproperties プロパティの削除
Windows.selectall すべて選択
Windows.separator
Windows.Share 共有
Windows.ShareHomegroupFullAcces 共有→ホームグループ(読み取り/書き込み)
Windows.ShareHomegroupReadAccess 共有→ホームグループ(読み取り)
Windows.SharePrivate 共有→なし
Windows.ShareSpecificUsers 共有→特定のユーザー
Windows.slideshow スライドショー
Windows.undo 元に戻す

前回、今回のチューニングでご理解頂けるように、本チューニングは無駄な機能を削るソリッドなものではなく、コンピューター初心者の操作性を向上させるチューニングとなります。ご家族や回りの方の一助となるカスタマイズとしてご活用ください。なお、本年中の「Windowsスマートチューニング」はこれで終了です。今年もご覧頂きありがとうございました。また来年もよろしくお願いいたします。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)