こんにちは、阿久津です。現在多くの注目を集めているInternet Explorer 9は、2009年11月18日に行なわれたPDC09で基本的な仕様が発表され、2010年3月16日にPP(Platform Preview)1、同年5月5日にPP2と続き、PP6まで開発されてきました。そして、2010年9月16日にベータ版が公開され、来年には正式版が公開される予定です。

既にお試しの方はご存じのとおり、本バージョンからWindows XPをサポートから除外し、対象となるのはWindows Vista/7のみ(Server 2008/R2も含まれます)。筆者もビデオキャプチャ用のサブマシンでは、いまだにWindows XPを使用していますが、さすがにInternet Explorer 6.0や現時点の最新版を使う気になれず、あくまでもサブマシン用ということでGoogle Chromeを使用しています。

同Webブラウザは全体的な軽快さが好ましく、普段使っている執筆用マシンや休憩中に遊ぶサブマシンにも導入したいと考えつつも、多くのアドオンで動作が安定し、利便性が向上したMozilla Firefoxを捨てることはできません。

あれこれと悩みつつも結局のところメイン/執筆用マシンは、Internet Explorer 8.0/Mozilla Firefox 3.x/Google Chrome開発版と、3つのWebブラウザを導入し、ビデオキャプチャ用サブマシンはInternet Explorer 6/Google Chrome安定版。サブマシンはInternet Explorer 8.0/Mozilla Firefox 3.xという構成に至りました。

そもそも以前からブラウザ戦争という呼称が付けられるほど、Webブラウザの市場シェア争奪は続けられてきましたが、Internet ExplorerがほかのWebブラウザに追いやられてきたのは、数字的に見ても明らかです。

NetApplications社の情報によると、Internet Explorer各バージョンの合計は、2009年同時期は66.83%でしたが、執筆時点の情報(2010年10月15日時点)は58.97%と7.86%も減少。一見するとInternet Explorerのシェアが減少し、ほかのWebブラウザシェアが増えたようにも見えますが、リンク先から同データを見ると「Other」に分類されているのは18.99%と大幅に増えているため、Internet Explorerのシェア減少は事実ながらも、断言には至りません(図01~02)。

図01: NetApplications社の情報を元に筆者がまとめた2010年のWebブラウザシェア。Internet Explorerは各バージョン合計で58.97%

図02: 同じく2009年のWebブラウザシェア。Internet Explorerは各バージョン合計で66.83%

個人的にはInternet Explorer 9に期待していますが、アドオンの利便性が現状を超えない限り、メインWebブラウザとして乗り換えるつもりはありません。また、既にほかのWebブラウザに乗り換えている方々もInternet Explorer 9に圧倒的なアドバンテージがない限り、復活する可能性は少ないでしょう。確かに圧倒的なシェアを持つInternet Explorerですが、新バージョンの登場がどのような結果になるのか興味深く見ていきたいと思います。

さて、Internet Explorerの機能というよりも、Windows OSで施されたセキュリティ強化の一環として「ゾーン情報」が加わりました。具体的には、Windows XP Server Pack 2から導入されたセキュリティ強化機能のため、ご存じの方も多いことでしょう。

正式名称はWebコンテンツゾーン情報と言い、Webブラウザでダウンロードしたファイルや電子メールに添付されたファイルをローカルディスクに保存する際、Webコンテンツゾーン情報をNTFS上のストリームに合わせて保存するというものです。しかし、このゾーン情報は簡単に削除できてしまうため、セキュリティ面で見ると芳しくありません。そこで今回はゾーン情報を削除する方法を非表示にするチューニングをお送りしましょう。

1.[Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力してから<OK>ボタンをクリックします。
2.レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policies \ Attachmentsキーまでたどって開きます(ない場合は作成します)。
3.右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>と選択。名前を「HideZoneInfoOnProperties」に変更します。
4.DWORD値「HideZoneInfoOnProperties」をダブルクリックで開き、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします。
5.レジストリエディターを終了させ、Windows 7へ再ログオンしてください。

これでチューニングが終了しました(図03~10)。

図03: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図04: レジストリエディターが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policiesキーまでたどって開き、同キーを右クリックします。メニューから<新規>→<キー>と選択してください

図05: キー名を「新しいキー #1」から「Attachments」に変更します

図06: Attachmentsキーを開き、右ペインの何もないところを右クリックします。メニューから<新規>→<DWORD値>と選択してください

図07: エントリ名を「新しい値 #1」から「HideZoneInfoOnProperties」に変更します

図08: DWORD値「HideZoneInfoOnProperties」をダブルクリックで開き、値のデータを「1」に変更して<OK>ボタンをクリックします

図09: <×>ボタンをクリックしてレジストリエディターを終了します

図10: <スタート>メニューの電源ボタンからメニューを呼び出し、<ログオフ>を選択してWindows 7に再ログオンします

早速結果を確認してみましょう。Internet Explorerを起動し、任意のファイルをダウンロードしてください。実行時に起動するセキュリティの警告ダイアログから、<このファイル開く前に常に警告する>が表示されなくなりました。また、ダウンロードしたファイルのプロパティダイアログにあった<ブロックの解除>ボタンも非表示になるため、同ダイアログを無効にすることができなくなります(図11~12)。

図11: チューニング後はダウンロード時に起動するセキュリティの警告ダイアログにある<このファイル開く前に常に警告する>が表示されなくなります

図12: プロパティダイアログからは、<ブロックの解除>ボタンが表示されなくなり、同機能を使用することができなくなります

ちなみに、本チューニングを破棄して初期状態に戻す場合は、DWORD値「HideZoneInfoOnProperties」のデータ値を「0」に変更するか、エントリ自体を削除してください。また、何らかの理由でプロパティダイアログから<ブロックの削除>ボタンが消えてしまった場合は、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policies \ Attachmentsキーに、同様のエントリが作成されていないか確認してみることをお勧めします。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)