こんにちは、阿久津です。そもそもWindows OSでは、Windows 98の頃からエクスプローラの左側に何らかの機能を用意し、他フォルダへのアクセスを簡易化する仕組みを探求してきました。しかし、Windows Vistaのナビゲーションペインのように、迷走しているのではないか、と思ってしまうほど使い勝手の良くないものもあり、多くのユーザーは同機能を非表示にし、使ってきたのではないでしょうか。

Windows 7のエクスプローラには、「ナビゲーションウィンドウ」という各フォルダに素早くジャンプするための領域が用意されました。Windows 98のエクスプローラバーに似通った同機能は、異なるドライブへのアクセスや特殊フォルダへのアクセスが容易になり、Windows 7の新機能であるライブラリやホームグループへのアクセスも可能です(図01~04)。

図01: Windows 98のエクスプローラ。「エクスプローラバー」という名前でフォルダや履歴機能を参照可能にしていました

図02: Windows XPのエクスプローラ。「フォルダタスク(共通の作業)」として、フォルダに見合った機能や特殊フォルダへのアクセスを可能にしていました

図03: Windows Vistaのエクスプローラ。「ナビゲーションペイン」として、フォルダや各リンクが参照可能です

図04: Windows 7のエクスプローラは、「ナビゲーションウィンドウ」に名称変更され、特殊フォルダに対してツリー経由のアクセスが可能です

具体的には「お気に入り」「ライブラリ」「ホームグループ」「コンピューター」「ネットワーク」の5つ(「ホームグループ」はネットワークロケーションが「ホームネットワーク」のときのみ)が、ナビゲーションウィンドウに並びますが、これだけでは物足りないと感じる方もおられるのでは。そこで今回は、特殊アイコンをエクスプローラのナビゲーションウィンドウに追加するチューニングをお送りします。

ここでは例としてコントロールパネルを追加してみましょう。まずはAdministrators権限を持つアカウントを使用し、[Win]+[R]キーで「ファイル名を指定して実行」を起動してから「regedit」を実行します。レジストリエディタが起動しましたら、HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}までキーをたどって開いてください。次に{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}キーを右クリックし、メニューから<アクセス許可>を選択して、プロパティダイアログが起動したら、<詳細設定>ボタンをクリックします(図05~07)。

図05: [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して<OK>ボタンをクリックします

図06: レジストリエディタが起動したら、HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}までキーをたどって開き、{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}キーを右クリックして、メニューから<アクセス許可>をクリックします

図07: プロパティダイアログが起動したら、<詳細設定>ボタンをクリックします

すると「~のセキュリティの詳細設定」ダイアログが起動しますので、<所有者>タブから{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}キーの所有者を変更しましょう。初期状態では「TrustedInstaller」になっていますので、<Administrators>グループを選択してから<OK>ボタンをクリックしてください。すると元のプロパティダイアログに戻りますので、先ほど所有者に変更した<Administrators>グループを選択してから、「フルコントロール」に並ぶ「許可」のチェックボックスを有効にしましょう。設定を反映させるため、<OK>ボタンをクリックしてください(図08~09)。

図08: 詳細設定ダイアログが起動したら、<所有者>タブを開き、「所有者の変更」の一覧から<Administrators>を選択して<OK>ボタンをクリックします

図09: 元のプロパティダイアログに戻ったら、<Administrators>を選択した状態で「フルコントロール」の<許可>に並ぶチェックボックスをクリックした後、<OK>ボタンをクリックします

これでレジストリエディタから、{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683}キーの操作が可能になりました。次にShellFolderキーを開き、右ペインの何もないところを右クリックして、メニューから<新規>→<文字列値>と選択します。名前を「PinToNameSpaceTree」に変更しておきましょう。ShellFolderキー内に同文字列値が存在することで、本チューニングは有効になりますので、レジストリエディタを終了し、Windows 7へ再ログオンしてください(図10~11)。

図10: 今度は{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683} \ ShellFolderキーを開き、右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<文字列値>とクリックします。名前は「PinToNameSpaceTree」に変更してください

図11: 後はレジストリエディタを終了し、Windows 7へ再ログオンします。<スタート>メニューを開き、矢印ボタンを押して、メニューから<ログオフ>をクリックしてください

これでチューニング完了です。再ログオン後にエクスプローラを起動しますと、ナビゲーションウィンドウには<コントロールパネル>が表示されます。同リンクをクリックしますと、エクスプローラの表示がコントロールパネルに変更されますが、コントロールパネルの表示形式はナビゲーションウィンドウに対応していないため、同ウィンドウが消えた状態で開きます(図12~13)。

図12: 再ログオン後、エクスプローラを起動しますと、ナビゲーションウィンドウに<コントロールパネル>が表示されます

図13: <コントロールパネル>をクリックしますと、ナビゲーションウィンドウが消えた状態でコントロールパネルが開きます

なお、今回はコントロールパネルを追加してみましたが、ユーザーフォルダを追加する場合は「HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {59031a47-3f72-44a7-89c5-5595fe6b30ee}」、ごみ箱なら「HKEY_CLASSES_ROOT \ CLSID \ {645FF040-5081-101B-9F08-00AA002F954E}」から操作しましょう。また、作成したリンクを削除するには、文字列値「PinToNameSpaceTree」を削除してください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)