こんにちは、阿久津です。その昔からコンピュータ上で作成したデータを外部に持ち出すには、リムーバブルメディアが使われてきました。フロッピーディスクからはじまり、容量の拡大に伴ってMO(光磁気ディスク)やCD-RWが主流となった時期を経て、今ではUSBメモリが圧倒的な地位を占めています。

OS側のサポートによって実現した気軽さと、小さな形状によるコンパクトさを持つUSBメモリは、手軽に持ち運べることから紛失してしまうことも多く、重要なデータが外部に漏れてしまうという事件が新聞を賑わすことも。また、Windows 7では、暗号化機能をUSBメモリなどリムーバブルメディアにも適用できるBitLocker to Goという機能を実装し、黎明期を経て普遍性を持ったといっても過言ではないでしょう。

少々前フリが長くなりましたが、Windows VistaにおけるUSBメモリの扱いは、あくまでもリムーバブルメディアの一種であり、外観や形状が異なるSDメモリーカードやコンパクトフラッシュと同等です。そのため、OS上に表示されるアイコンも外付けHDDが用いられるため、何となく寂しい気分を覚えてしまうのでは。

図01: コンピュータにUSBメモリを接続してもアイコンは外付けHDDが用いられます

これらのアイコン情報は、「%windir% \ system32 \ imageres.dll」ファイルに格納され、16×16ドットや32×32ドットだけでなく、中アイコンで使用される48×48ドット、大アイコンの96×96ドット、特大アイコンの256×256ドットが収録されています。ご覧になるとわかりますが、同ファイルのアイコンリソースを確認しますと、Windows VistaにはUSBメモリのアイコンが用意されていません(図02)。

図02: 「%windir% \ system32 \ imageres.dll」ファイルには、特大アイコンでも使用できるリソースが格納されています

ここではオリジナルのアイコンファイルを作成してみましょう。デジタルカメラで撮影したUSBメモリを、フォトレタッチソフトで加工し、無償使用可能なアイコンエディタ「IcoFX」で読み込みましょう。同ツールが持つ、Windows Vistaで使用される各解像度のアイコンを自動作成できる一括処理機能を使用すれば、簡単にアイコンを作成できます。筆者は絵心がありませんので、このまま先に進みますが、腕に自信がある方は細かいレタッチにもチャレンジしてみましょう(図03~07)。

図03: IcoFXを起動したら、<Option>メニュー→<Languages>→<Japanese>を選択して、表示言語を日本語に切り替えます

図04: <ツール>メニューから<一括処理>を選択します

図05: <イメージからアイコンを作成する>にチェックが入っているのを確認してから、<追加>ボタンでUSBメモリの画像を選択し、「出力ディレクトリ」をデスクトップなどに変更してから、<OK>ボタンをクリックします

図06: 画像からアイコンが作成されました。<閉じる>ボタンをクリックします

図07: 作成されたアイコンファイルは画像ファイルと同じ名前が付けられますので、「USB.ico」などわかりやすい名前に変更しておきましょう

次にアイコンをショートカットファイルのアイコンとするため、USBメモリのショートカットをデスクトップなどに作成し、プロパティダイアログから使用アイコンを変更しましょう(図08~12)。

図08: アイコンファイルはドキュメントフォルダなどに格納します

図09: コンピュータを開き、USBメモリアイコンをデスクトップにドラッグ&ドロップし、ショートカットアイコンを作成します

図10: ショートカットアイコンを右クリックし、コンテキストメニューから<プロパティ>を選択します

図11: <ショートカット>タブにある<アイコンの変更>ボタンをクリックし、起動したダイアログの<参照>ボタンで先のアイコンファイルを選択します。後は<OK>→<OK>とボタンをクリックしてください

図12: これでショートカットアイコンが変更されました

これでアイコンが正常に動作していることが確認できました。ちなみに海外のアーティスト向けコミュニティ「deviantART」などで検索しますと、USBメモリに使用できそうなアイコンを発見できます。前述した手順がうまく行かない場合は、同サイトからダウンロードしてみてましょう。個人使用の範囲であれば使用できそうです。

さて、ショートカットアイコンではなくコンピュータ内に表示される外付けHDDアイコンを変更する方法ですが、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SYSTEM \ CurrentControlSet \ Enum \ USBに生成されるハードウェアキーがポイントとなります。このロジックを説明するには、誌面が足りませんので、続きは次号で詳しく解説致します。ご了承ください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)