こんにちは、阿久津です。本誌でも報じられているように、Windows 7 RC版の一般公開が5月5日に決定しました。MSDN/TechNet加入者は4月30日と、本稿が掲載される次の日に公開。従来のWindows OS開発スケジュールに比べ、スピーディに展開されているWindows 7ですが、ある方面からは2009年冬から春。また別方面からは2009年秋と様々な伝聞が舞い込んできています。

個人的には2009年中にはリリースして欲しいと思いながらも、世界大不況の影は払拭し切れていませんし、コンピュータ販売台数も伸び悩み、Windows 7の未来は決して明るいとは言い難いものです。しかし、Microsoftとしても、悪評判が付きまとうWindows Vistaより、マイナーバージョンアップによりイメージを一新させたWindows 7に注役したいと考えているはず。リリースタイミングは断言できませんが、Windows XPとの完全互換も実現し、Windows 7への移行スケジュールは少しずつ固められています。

さて、Windows Vistaではセキュリティに対する意識が高まり、ユーザーのログオンに関する管理システムが強化されています。しかし、視覚的にそれらを確認するには、イベントビューアを起動し、Windowsログのセキュリティにある項目をチェックしていかなければなりません。個別のログオン成功・失敗やアカウントの種類などを詳細に確認できるのはよいのですが、網羅的に確認する場面にイベントビューアは不向きとなります(図1)。

図1: イベントビューアでもログオン回数は確認できますが、全体的な視認性はよくありません

もうひとつの手段として「保護者による制限」を各ユーザーに適用し、基本的な制限を設けずに活動記録レポートを確認するという方法もあります。しかし、この方法では自分のアカウントに管理者権限を与えている場合、使用できません(図2)。

図2: 保護者による制限では管理者権限を持つアカウントに制限を設けることができません

そこで登場するのが今回紹介するチューニングです。詳細は後ほど語ることにして、まずは実際のチューニング手順から紹介しましょう。

ログオン時にログオン情報を表示する

まず、クイック検索やファイル名を指定して実行などから「regedit」を実行してレジストリエディタを起動し、HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policies \ Systemまでキーをたどって開きます。次に右ペインの何もないところを右クリックし、メニューから<新規>→<DWORD値>と選択して、名前を「DisplayLastLogonInfo」に変更します。同DWORD値をダブルクリックで開き、値のデータを「1」に書き換えて<OK>ボタンをクリックしたら、レジストリエディタを終了してください。これで設定完了です(図3~5)。

図3: 「ファイル名を指定して実行」や「クイック検索」のテキストボックスに「regedit」と入力して[Enter]キーを押します

図4: HKEY_LOCAL_MACHINE \ SOFTWARE \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policies \ Systemまでキーをたどって開き、DWORD値「DisplayLastLogonInfo」を作成します

図5: ダイアログが起動したら値のデータを「1」に書き換えて、<OK>ボタンをクリックします。後はレジストリエディタを終了させてください

このチューニングを行なってから再ログオンしますと、前回のログオン日時や失敗したログオン日時、ログオン回数がログオン後に表示されるようになります。ちなみにログオン失敗時の回数は、ログオンに成功するとカウントがリセットされます。残念なのはチューニング前の情報は参照されず、チューニング後からの日時となってしまう点。同機能に起因する問題ですので、現時点では対処法がありません(図6~7)。

図6: カウントは設定後から行なわれるため、最初ははじめてログオンしたことになります

図7: それ以降はログオンの成功日時や、ログオンの失敗回数や日時が表示されるようになります

ログオン時の操作が1ステップ増えてしまうため、拙速を求める方には不向きのチューニングとなりますが、コンピュータの共用を強いられる環境で、自分のアカウントが不正利用されていないか確認する場面などにご活用ください。

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)