こんにちは。阿久津です。ついにWindows 7のPre-Beta版が発表され、本連載が掲載されているマイコミジャーナルでもレポート記事が掲載されました。Windows 7は、ある種の予想を裏切らず、大量の新機能を搭載するのではなく、Windows Vistaで明確化された問題点やユーザーインタフェースの改良にとどまっています。そのためWindows 7は、Windows 2000におけるXPのようなポジショニングを目指し、市場も受け入れるのではないでしょうか。

個人的にはWindows 7に搭載されるDirect Xの方に興味があり、Windows XPまで使われてきたGDI/GDI+と混合できるDirect2Dや、高クオリティのテキストレンダリングに用いられるDirectWrite。特に後者は、Direct2Dを使ったハードウェアアクセラレーションも可能だとか。この情報は、Windows 7 Developer Guideで配布しているWordドキュメントファイルに記述されていますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

Windows 7と言えば以前のニュースで、Windows Mail(旧Outlook Express)や、Windows Movie Makerを搭載しないと報道されました。ツールの出来不出来はともかく、Windows Liveサービスの一環として各ツールをダウンロード提供していますので、同サービスとの連動をはかるのでしょう。必要なユーザーのみ取捨選択して入手できるのであれば、不要なツールでHDDの空き容量をひっ迫せずに済む、良い傾向と言えます。

このようにWindows OSを導入しても、「使ったことがない機能」の代表格とも言えるのが、CD/DVDライティング機能ではないでしょうか。古くからCD-Rを活用してきたユーザーは、市販もしくはドライブに同梱されたCD/DVDライティングソフトを使用し、現在では多くの無償使用可能なCD/DVDライティングソフトが公開されているため、データの書き出しに困ることはありません。

また、Windows VistaのCD/DVDライティング機能では、従来のパケットライト形式に相当するライブファイルシステム形式が用意されていますが、Windows XP以前のOSでは書き込んだデータを読み出せない場合があります。具体的にはUDFのバージョンに起因し、初期設定である2.01では読み込み可能ですが、バージョン2.50に変更するとWindows XPでも読み込めないなど、不便を強いられます。そこで今回のチューニングは、Windows VistaのCD/DVDライティング機能を無効にする手順を紹介しましょう。

  1. <スタート>メニュー→クイック検索に「regedit」と入力して[Enter]キーを押す。
  2. レジストリエディタが起動したら、HKEY_CURRENT_USER \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policies \ Explorerまでキーをたどって開く。
  3. 右ペインの何もないところを右クリック。メニューから<新規>→<DWORD値>と選択。名前を「NoCDBurning」に変更する。
  4. 「NoCDBurning」をダブルクリックし、値のデータを「1」に書き換えてから<OK>ボタンをクリック。
  5. レジストリエディタを終了し、Windows Vistaを再起動する。
※直接入力の際は、バックスラッシュ(\)前後のスペースを取り除いてください。

これで設定完了です。ログオン中のユーザーだけでなく、システム全体で無効にする場合は、ステップ2で開くキーを、HKEY_LOCAL_MACHINE \ Software \ Microsoft \ Windows \ CurrentVersion \ Policies \ Explorerに変更してください。設定完了後は、CD/DVDドライブのプロパティダイアログにあった<書き込み>タブが表示されなくなります(図1、図2)。

図1: 本チューニングを行なう前は、CD/DVDドライブのプロパティダイアログに<書き込み>タブが表示されています

図2: チューニング後は<書き込み>タブが消え、CD/DVDライティング機能が使えなくなります

それでは、また次号でお会いしましょう。

阿久津良和(Cactus)