前回はカスタム回復イメージを作成したが、「本当に使えるのか?」「どうやって使うのか」と思われた方もいらっしゃるだろう。そこで実際に、カスタム回復イメージを使った「PCのリフレッシュ」を実行し、その結果を紹介する。

「PCのリフレッシュ」を実行する

カスタム回復イメージを使ったリフレッシュを実行してみよう、とは言っても、「PCのリフレッシュ」を実行するだけだ。今回は既にカスタム回復イメージファイルを登録しているため、自動的にそちらが選択される。

「PC設定」の「保守と管理」-「回復」に並ぶ、「PCのリフレッシュ」の「開始する」→「次へ」と順にクリック/タップする

メッセージが準備完了に変わったら「リフレッシュ」ボタンをクリック/タップする

PCが再起動し、カスタム回復イメージファイルを元にPCのリフレッシュが始まる

「PCのリフレッシュ」の実行には結構な時間を要し、その後Windows 8.1の初期化設定やWindowsストアアプリの再インストールが行われるため、ここで離席しても構わないだろう。

Windowsストアアプリの再インストールも始まる。これはインストールプロセスに含まれているので省略できないようだ

30分強ほど待つとWindows 8.1のサインイン画面が現れる。PIN設定などはそのまま残っているため、Winodws 8.1にサインインすると、カスタム回復イメージ作成前にインストールしていたデスクトップアプリなどもそのまま残され、カスタム回復イメージを作成した時点の状態にリフレッシュできたことを確認した。

PCのリフレッシュが完了したあとのデスクトップ。実行前にインストールしていたデスクトップアプリも残っている

これまで適用してきた更新プログラムも残されていた

カスタム回復イメージ利用時の注意点

さて、前回の記事で書き切れなかった補足を加えておきたい。カスタム回復イメージは、Windows更新プログラムやデスクトップアプリをインストールした状態を対象にイメージ化するため、そこから「まっさらな状態」に戻すのは難しくなってしまう。

例えばどうしても解決できないトラブルが発生していた場合、同じトラブルに見舞われることになるのは明らかだ。そのため、カスタム回復イメージの作成は安定動作を確認した状態で始めることをおすすめする。

また、すべてがまったく同じ状態にならない点にも注意したい。今回試したところでは、とあるデスクトップアプリのライセンス情報がクリアされ、再レジストを求められている。どのようなアプリケーションでどのような症状が発生するか不明な点も少なくないため、リフレッシュ後は一通り動作確認しておきたい。

あと重要なのが、マイナー番号が変わるようなアップグレードが発生した場合、カスタム回復イメージの再構築が必要な点である。例えばWindows 8でカスタム回復イメージを作成し、Windows 8.1に更新したとしよう。

するとそのカスタム回復イメージは、Windows 8.1上で使用できない。このようにOSの大規模なアップデート後は、過去のイメージファイルが使えなくなる可能性がある。よって、カスタム回復イメージの定期的な再構築を心掛けてほしい。

阿久津良和(Cactus)