長年Windowsを使ってきたユーザーには、「タスクトレイ」や「システムトレイ」という呼び名がなじみやすい「通知領域」。Windows 95以降、一貫したスタイルで実装し続け、Windows 8.1のデスクトップでも利用する場面は少なくない。そこで通知領域に並ぶアイコンをシンプルに管理する方法を紹介する。

「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。

「通知領域」の正式名称は?

「タスクトレイ」「システムトレイ」という誤用の理由を調べると、Windows 95開発当時までさかのぼる。Windows 3.1を思い出すと分かりやすいのだが、その当時タスクバーと呼ばれる機能は存在しなかった。また、Windows 95も開発当時は特殊な機能を備えたトレイとして実装し、途中でタスクバーという機能に置き換えたという経緯がある。

さらに当時のシステムモジュール名が「systray.exe」で、誤った呼称がそのまま他のチームにまで広まったため、公式ナレッジベースやヘルプファイルにも、前述の呼称がドキュメントとして残ってしまったのだ。

Windows 95の「systray.exe」。ちなみにWindows 8.1にも同名のシステムモジュールは存在する

すべての通知領域アイコンを表示する

小さなタブレットでデスクトップの操作を行う場合、通知領域を開く「▲」ボタンは実に押しにくいが、キーボードが使えるタブレットならば「Win」+「B」キーを試してほしい。するとカーソルのフォーカスが「▲」ボタンに移動する。この状態で「スペース」キーを押せば、隠れている通知アイコンを表示する通知領域オーバーフロー(ウィンドウ)が開く仕組みだ。

「Win」+「B」キーを押すと「▲」ボタンにカーソルが移動する

この状態で「スペース」キーを押せば、ウィンドウが開く

さて、「カスタマイズ」を選択すると「通知アイコン」が開く。ここでポイントとなるのが、通知アイコンの表示/非表示の切り替えだ。各アイコンのドロップダウンリストからは「アイコンと通知を表示」「アイコンと通知を非表示」「通知のみを表示」の3つから1つが選べる。

ドロップダウンリスト部分をクリック/タップすれば、リストから各通知アイコンの動作を選択できる

動作は項目名を読んで分かるように、システムアイコンのように最初から通知領域に並ぶ場合は「アイコンと通知を表示」。通知アイコンだけでなく、バルーンによる通知すら非表示にする場合は「アイコンと通知を非表示」。いずれも表示させない場合は「アイコンと通知を非表示」を選択する。

さらにすべての通知アイコンを表示させる場合、「タスクバーに常にすべてのアイコンと通知を表示する」を選択すればよい。こちらはWindows XPから加わった、使用頻度の低い(参照機会や通知を行わない)アイコンを隠すための機能をコントロールする項目だ。

「タスクバーに常にすべてのアイコンと通知を表示する」が未チェックの状態(既定)。アイコンの動作に応じてシステムアイコンの一部のみ表示する

「タスクバーに常にすべてのアイコンと通知を表示する」をクリック/タップした状態。通知領域オーバーフローが無効になり、すべてのアイコンが並ぶ

Windows 2000風に通知アイコンを常に確認したい方は、こちらの項目にチェックを入れておこう。

通知アイコンはドラッグ&ドロップ可能

通知領域を使いこなす上で覚えておきたいのが、すべてのアイコンはドラッグ&ドロップ可能な点。タスクバー上の通知領域はもちろん、通知領域オーバーフロー内、両者の間もドラッグ&ドロップで移動できる。

通知領域オーバーフローのアイコン(ここでは「OneDrive Sync Engine」)を通知領域へドラッグ&ドロップする

これでアイコンは常に表示させると同時に、動作が「アイコンと通知を表示」に切り替わる

例えば上図は、「OneDrive Sync Engine」を通知領域オーバーフローから通知領域にドラッグ&ドロップしてアイコンを移動させた状態だ。この操作だけでOneDrive Sync Engineの動作は「通知のみを表示」から、「アイコンと通知を表示」へと自動的に切り替わる。

このようにドロップダウンリストから操作するよりも、ドラッグ&ドロップで直感的に操作した方が、通知領域のアイコンは整理しやすいのである。

阿久津良和(Cactus)