Windowsに限らず多くのOSは、「ディレクトリ」と呼ばれる階層構造を採用している。WindowsやMacなどGUIを採用したOSでは「フォルダー」と現すが、パスを意識して利用しなければ、Windowsの使い勝手を向上させるのは難しい。今回はフォルダーのパスを簡単に参照・コピーする方法を紹介する。

「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。

フォルダーのパスを簡単にコピーする

まず「パス」とは、フォルダーの階層構造やフォルダーの場所を、文字列で表したものだ。「c:\aaaaa」と書けば「Cドライブにあるaaaaaフォルダー」、「c:\aaaaa\bbbbb」なら「Cドライブにあるaaaaaフォルダーの中にあるbbbbbフォルダー」を表す。ここでいう「Cドライブ」のように、記憶装置の先頭から記述したパスを「絶対パス」、または「フルパス」と呼ぶ。ほかに「相対パス」という記述もあるのだが、ここでは省略する。

普段からマウスでWindowsを操作している場合、フォルダー階層を1つずつ移動することが多くなる。このため、フォルダーの階層構造は頭に入っていても、意外と冗長な操作をしているのだ。

そこで「ファイル名を指定して実行」などを使うと、絶対パス(フルパス)を入力することによって、目的のサブフォルダーにすぐ移動できる。ただ、サブフォルダーのフルパスを補完するリストボックスが現れるものの、パスを直接入力するため、キーボード操作に慣れないユーザーにはハードルが高い。

「ファイル名を指定して実行」やエクスプローラーのアドレスバーでは、パスを入力することで、サブフォルダーに対する入力補完機能が動作する

では、キーボード派なら「ファイル名を指定して実行」やエクスプローラーのアドレスバーなどにタイプすれば簡単かと言えば、今度はタイプミスという問題が発生する。こちらも万全の方法とは言い難い。

フォルダーのフルパス参照やコピーに活用したいのが、コピー&ペースト機能である。例えば、エクスプローラーが起動した状態で「Alt」+「D」キーを押すと、アドレスバーを選択した状態になるため、そのまま「Ctrl」+「C」キーを押す。アドレスバーに示されたフルパスがクリップボードにコピーされ、メモ帳へのペーストや、Excelのセルに入力するなど、さまざまな2次利用が可能になる。

エクスプローラー起動時に「Alt」+「D」キー→「Ctrl」+「C」キーを順に押すと、フルパスの内容をクリップボードにコピーできる

クリップボードの内容は、さまざまな用途に利用できる

もう1つの方法が、フォルダーを右クリックした際のメニュー項目だ。「Shift」キーを押しながらフォルダーを右クリックすると、「パスのコピー」という項目が現れる。こちらを選択することで、同じようにクリップボードにフルパスを格納することが可能だ。フルパスがダブルクォーテーションで囲われている点が先ほどと異なるが、取り出せる内容は基本的に変わらない。

「Shift」キーを押しながらフォルダーを右クリック。メニューの「パスとコピー」をクリック/タップする

同じようにメモ帳にペーストすると、ダブルクォーテーションで囲んだフルパスを確認できる

アドレスバーによるカレントフォルダーの移動

エクスプローラーにおけるフォルダーの移動は、「上へ」ボタン(「Alt」+「↑」キー)など直感的な操作だが、見落としがちなのがアドレスバーの三角ボタンだ。先ほどはアドレスバーを選択し、パスを文字列として扱ったが、通常はパスとパスの間に三角ボタンが示される。

アドレスバーの三角ボタン(ここではローカルディスクの右部分)をクリック/タップする

するとルートフォルダーに連なるサブフォルダーがリスト表示される。ここでは「Windows」をクリック/タップした

ここをクリック/タップすることで、サブフォルダーもしくは上位フォルダーがドロップダウンリストとして現れるのだ。特に上位の異なるフォルダーに移動する場合、1度丈フォルダーに移動し、そこから異なるフォルダーを参照するステップを要するが、こちらの場合はリストから移動先フォルダーをクリック/タップだけで済む。GUI操作が中心の場合は、この操作も便利に使えるはずだ。

これでWindowsフォルダーに移動した。通常の操作よりも簡単に他フォルダーへ移動できる

ちなみに、ディレクトリ構造が頭に入っていれば、冒頭で述べた「ファイル名を指定して実行」でフォルダーを移動するのがすばやいと思う。このあたりは好みの問題もあるので、紹介してきた操作を試してみてほしい。

阿久津良和(Cactus)