Microsoftは、Windows 8でスタートメニューを廃止した。その代わりとまではいかないが、かなり便利に使えるのが「Win」+「X」キーで呼び出すクイックアクセスメニューだ。ショートカットキーの組み合わせから「WinXメニュー」と呼ばれることもあるが、今回はクイックアクセスメニューの活用方法を紹介する。

「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。

アクセラレータキーで素早く操作する

2015年リリース予定のWindows 10はスタートメニューを復活させる見込みだが、さすがにWindows 10テクニカルプレビュー版をメインPCのOSとして使うことはおすすめできない。そのため、クイックアクセスメニューを活用すべきだ。

「Win」+「X」キーを押すと現れるクイックアクセスメニュー。デスクトップでもスタート画面でも呼び出せる

Windows 8.1でクイックアクセスメニューを呼び出すには、画面の左下隅を右クリックするか「Win」+「X」キーを押す。上図はWindows 8.1のものだが、Windows 8のそれと異なり、「シャットダウンまたはサインアウト」が項目として加わっている。

クイックアクセスメニューが特徴的なのは、アクセラレータキーが存在する点だ。例えば、コマンドプロンプトのアクセラレータキーは「C」のため、「Win」+「X」キー→「C」キーと押せば起動する。さらに管理者権限を持つコマンドプロンプトの場合は「Win」+「X」キー→「A」キーと押せばよい。

「Win」+「X」キー→「C」キーと押せば、コマンドプロンプトが起動する

中には、「ファイル名を指定して実行」のように、既存のショートカットキーと重複する項目もある。こちらは「Win」+「X」キー→「R」キーと押すよりも、「Win」+「R」キーと押すほうが簡単で、操作ステップも少ない。それでも、1つのツールに複数の起動方法を用意し、ユーザーの使用状況に合わせて選択できるのは便利だ。

さらに「Win」+「X」キー→「U」キーと押せば、サインアウト/スリープ/シャットダウン/再起動といったアクションを手軽に実行できるのは大きい。キーボードでWindows 8.1を操作するユーザーにとって、クイックアクセスメニューは有効活用できる存在なのだ。

懐かしのWindows XP。スタートメニューの各項目にはアクセラレータキーが用意されていた

クイックアクセスメニューの場合、「Win」+「X」キー→「U」キーでサインアウトや電源操作が可能になる

上図のとおり、サインアウトは「I」キー、スリープは「S」キー、シャットダウンは「U」キー、再起動は「R」キーが割り当てられている。例えば再起動する場合は、「Win」+「X」→「U」キー→「R」キーと押せばよい。

コマンドプロンプトとPowerShellを切り替える

本来、Windows PowerShellは、コマンドプロンプトに置き換わるCUI(キャラクターユーザーインタフェース)である。エクスプローラーのリボンからも簡単に呼び出せるが、PowerShellを多用するユーザーは下図の操作を試してみよう。

タスクバーの何もないところを右クリック/長押しし、メニューの「プロパティ」をクリック/タップする

「ナビゲーション」タブ→「左下隅を右クリックするかWindowsキー+Xキーを押したときに表示されるメニューで、コマンドプロンプトをWindows PowerShellに置き換える」→「OK」ボタンと順にクリック/タップする

この状態でクイックアクセスメニューを呼び出すと、コマンドプロンプトがPowerShellに置き換わる

クイックアクセスメニューの項目がコマンドプロンプトからPowerShellに切り替わり、より簡単にPowerShellを呼び出せるようになる。ただし、アクセラレータキーが「C」キーから「I」キーに変更するので、その点だけ注意してほしい。

阿久津良和(Cactus)