Windows 95以降、一貫してデスクトップの操作を補助してきた「タスクバー」。Windowsのバージョンアップとともに進化し、Windows 7以降は「ピン留め」という機能を備えるようになった。今回はタスクバーのピン留めとジャンプリストに関する機能を紹介する。

「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。

Windowsストア/デスクトップアプリのピン留め機能とは

元来のタスクバーは、稼働中のアプリケーションを示す場所だった。ウィンドウやアプリケーションのサイズ変更、終了といった基本的機能を備えていたが、Windows 7からは「ピン留め」機能を実装している。

タスクバー上のボタンを「Shift」キーを押しながら右クリック/長押しすると現れるメニュー。以前はこれが標準だった

アプリケーションが起動済みの場合、アプリケーション固有のメニュー項目も加わる

ピン留めは、タスクバーを(アプリケーションを起動するための)ランチャーとして使用可能にする便利な機能だ。ピン留めした場合、アプリケーションを閉じた状態でもタスクバーにボタンとして残り、このボタンでアプリケーションの起動や操作が可能になる。

アプリケーションを起動した状態でボタンを右クリック/長押しし、「タスクバーにピン留めする」をクリック/タップする

こちらはアプリケーションを終了した状態だが、タスクバーにボタンが残っている

ジャンプリストに並ぶ履歴の削除や追加

この状態で有益な存在となるのが、「ジャンプリスト」だ。タスクバーのボタンを右クリック/長押しすると現れるリストには、使用/参照履歴を列挙する「よく見るページ」「最近使ったもの」や、アプリケーションが用意した特定の機能「タスク」が並んでいる。

例えばエクスプローラーであれば、過去に参照したフォルダーが「最近使ったもの」に並ぶため、同じフォルダーを再び開くときにすばやい操作が可能だ。よく使うフォルダーをピン留めすれば、より参照しやすくなる。

ボタンを右クリック/長押しし、「最近使ったもの」に並ぶ履歴の右に現れるピン留めボタンをクリック/タップする

これで特定の履歴情報が「ピン留め」に移動し、他のフォルダー/ファイル/Webサイトを利用しても消えなくなる。再びピン留めボタンをクリック/タップすれば削除可能だ

ピン留めの操作は、ジャンプメニューだけでなく、タスクバー上のボタンへドラッグ&ドロップしてもよい。下図はエクスプローラーを例に説明しているが、一部のアプリケーションは本操作に対応していないので注意が必要だ。

登録するアイテム(ここではフォルダー)をタスクバー上のボタンにドラッグ&ドロップする

特定のアイテムを直接ピン留めすることもできる

さらに履歴情報を右クリック/長押しすれば、メニューからピン留めや削除、プロパティ情報の参照といった操作も行える。このようにジャンプリストを活用することで、Windowsのデスクトップを活用してほしい。

ジャンプリストの項目を右クリック/長押しすると、メニューから各種操作を実行できる

ジャンプリストの表示数を変更する

ジャンプリストの表示項目数は「10」が既定値だ。前述したピン留め操作を増やしていくと「よく使うもの」が消えてしまう場合、この数を「タスクバーとナビゲーションのプロパティ」ダイアログから増やすとよい。

タスクバーの何もないところを右クリック/長押しし、メニューの「プロパティ」をクリック/タップする

ダイアログの「ジャンプリスト」タブをクリック/タップで開き、「ジャンプリストの表示する最近使った項目の数」のスピンコントロールで数値を変更し、「OK」ボタンをクリック/タップ

ダイアログで設定する「ジャンプリストの表示する最近使った項目の数」は、「0」から「60」まで設定可能。あまり少なくすると「よく使うもの」が消えてしまい、増やし過ぎると、情報過多で使い勝手が低下してしまう。既定値の状態でピン留めを行い、「よく使うもの」がある程度残る状態がベストだろう。

「ジャンプリストの表示する最近使った項目の数」を「5」に変更した状態。「よく使うもの」が消えている

「ジャンプリストの表示する最近使った項目の数」を「60」に変更した状態。ここまで来ると使い勝手は低下する

阿久津良和(Cactus)