最近、容量が15GBに増えたオンラインストレージ「OneDrive(ワンドライブ)」。Windows 8.1からOSに統合され、シームレスな使い方が可能になった。そんなOneDriveに関する基本的な知識を紹介しよう。

「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。

紆余曲折をたどった「OneDrive」

「オンラインストレージ」とは、ネットワークの向こうにある記憶領域に、ファイルなどを保存できるストレージの一種。その形式から、「クラウドストレージ」や「リモートストレージ」といった呼ばれ方をすることもあるが、大抵は同じの仕組みを指している。

オンラインストレージを利用するメリットの1つが、ネットワーク接続環境さえあれば、どのデバイスからでも参照できる点だ。例えば、本原稿の保存先としてOneDriveを選択した場合、外出先からスマートフォンやタブレットを使って続きを書くことができる。

「OneDrive」を現すイメージイラスト。OneDriveがサポートする各デバイスとネットワーク環境があれば、いつでもファイルを参照・編集できる

当初「Windows Live Folders」としてローンチした2007年頃は、使用可能な容量も500MBだったが、同年中に「Windows Live SkyDrive」へ改称。この時点の容量は1GB。2008年には5GBに拡大し同種サービスを展開するライバルから抜きん出るため、さらに25GBへと拡大した。

2012年には7GBまで削減されたが、Windows Liveブランドの解消により「Microsoft SkyDrive」へ改称。さらに他社とのブランド名衝突問題により、現在の「OneDrive」へ改称した。2014年7月には、サインアップ時の容量を15GBに増やしている。なお、Windows 8.1やiOS、Android端末で撮影した写真のOneDrive自動バックアップを設定すると、「カメラロールのボーナス」として3GBが無料で増える。多くの人は、無料で使えるOneDriveの容量が18GBになっていることだろう。

「OneDrive」へのアクセス方法

このように、ベータ版の時代を含めて名称を頻繁に変え、無料の容量は時代に合わせて増減を繰り返してきた。だが、Windows 8.1によるエクスプローラーとの統合で使いやすくなったことは、各社オンラインストレージサービスと比較しても、OneDriveが抜きん出たポイントと言ってよいだろう。

Windows 8.1におけるOneDriveへのアクセス方法は3つある。まずはエクスプローラーのナビゲーションウィンドウにある「OneDrive」をクリック/タップする方法。こちらは直接オンラインストレージ(OneDrive)にアクセスするのではなく、「%USERPROFILE%」フォルダー下の「SkyDrive」フォルダーを参照している。

エクスプローラーのナビゲーションウィンドウにある「OneDrive」をクリック/タップすればファイルにアクセスできる

「Win」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「%USERPROFILE%」と入力し「OK」ボタンをクリック/タップする

OneDriveの同期フォルダーとなる、ローカルの「OneDriveフォルダー」が存在する

環境によってはフォルダー名が「OneDrive」に改称されている場合もあるが、これは同フォルダー内にある「desktop.ini」で設定されているので、実フォルダーが「%USERPROFILE%\SkyDrive」であることに変わりはない。

ちなみに、OneDriveフォルダーのプロパティダイアログには「場所」タブが用意されている。ここの「移動」ボタンを使えば、実フォルダーを別ドライブなどに移動させることも可能だ。メインストレージがSSDで空き容量に不安がある場合などに試してほしい。

OneDriveフォルダーのプロパティダイアログにある「場所」タブから、実フォルダーの場所も変更できる

次は「同期」の話だ。Windows 8.1は「OneDrive Sync Engine(SkyDrive.exe)」というプログラムを常駐させ、上記のOneDriveフォルダー(ローカル)とオンラインストレージの同期を適切なタイミングで実行している。

タスクスケジューラーから自動起動する「SkyDrive.exe」。オンラインストレージとの同期などを担っている

同期の手動実行や一時停止などは、通知領域に常駐するOneDriveアイコンから操作可能だ。アイコンをクリック/タップすると、最終同期からの経過時間や同期状態が示される。ここから同期の手動実行、一時停止といったアクションも実行可能だ。なお、下図の画面にするには、Windows Updateで通常はオプションとなる「KB2962409」を適用する必要がある。

通知領域のOneDriveアイコンをクリック/タップした状態。同期状況の確認やアクションが実行できる

一方で、通知領域のOneDriveアイコンを右クリック/長押しすると、同じようにメニューが現れるのをご存じだろうか。前述した各アクションの実行項目に加えて、Webサイトへのアクセス方法やモダンUI上の設定ページを呼び出す項目が並ぶ。

通知領域のOneDriveアイコンを右クリック/長押しした状態。各アクションに加えてエクスプローラーの起動やWebサイトへのアクセスを実行できる

この「OneDrive Webサイトに移動」をクリック/タップすれば、Webブラウザーによるアクセスが可能だ。さらにスタート画面に並ぶWindowsストアアプリの「OneDrive」によるファイル操作も行える。誌面が尽きてきたので、続きは次回お送りしよう。

WebブラウザーでOneDriveにアクセスした状態。エクスプローラーと同じく画像ファイルや動画ファイルはサムネイル機能が働く

こちらはWindowsストアアプリのOneDrive。エクスプローラーベースでWindows 8.1を使う場合、使用頻度は高くない

阿久津良和(Cactus)