Windows 7から実装したライブラリは、各所に散らばるファイルをまとめる便利な機能だ。今回はライブラリに関するTipsを紹介する。

「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。

オリジナルのライブラリを作成する

Windows 7以降、4種類のライブラリ(ドキュメント/ピクチャ/ビデオ/ミュージック)が用意されているものの、新たにライブラリを作ることもできる。例えば、取りかかっているプロジェクト用ライブラリや趣味のデータなど、場面に応じて作成すると便利だ。

通常ならドキュメントフォルダーの奥底にしまい込むと、そのファイルを探すだけでも一苦労である。だが、オリジナルのライブラリを作成すれば、容易にアクセスできると同時に、目にもつきやすい。

操作は簡単。ライブラリフォルダーを開き、背景の右クリックメニュー「新規作成」から作成するだけだ。通常のフォルダーと同じく「新しいライブラリ」という名前で新規作成したら、用途に応じたライブラリ名をつけて、後は参照するフォルダーをプロパティダイアログから追加すればよい。

ライブラリフォルダーの何もないところ(背景)を右クリック/長押しし、「新規作成」→「ライブラリ」とクリック/タップする。なお、ライブラリフォルダーを表示するにはいくつか方法があるが、適当なフォルダーを開いて1つずつ上のフォルダーを表示していき(「↑」ボタン)、デスクトップフォルダーまでたどると「ライブラリ」アイコンがある

「新しいライブラリ」を分かりやすい名称に変更する

プロパティダイアログから、参照するフォルダーを追加する

ライブラリをコピー/移動する

このライブラリ情報、どこに保存されるか気になった方もおられるだろう。こちらは「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Libraries」フォルダーの拡張子「.library-ms」を持つファイルが、ライブラリの実体だ。

「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Libraries」フォルダーを開いた状態。先ほど作成したオリジナルのライブラリも確認できる

libraryフォルダーをコマンドプロンプトで開き、「dir」コマンドで確認すれば、ライブラリの拡張子を確認できる

ライブラリファイル(*.Libraries-ms)を任意のテキストエディターで開くと、XML形式ファイルであることが確認できる。つまり、通常のファイルと同じ扱いが可能なのだ。

さらにライブラリファイルをメモ帳で開くと、XML形式ファイルであることが分かる

コピー/移動の操作を行うと通常のフォルダーに変化してしまうのは、Windows 7時代と変わらない。だが、「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Libraries」フォルダーから操作すると、ライブラリの状態を維持したままコピー/移動できるのだ。

ライブラリフォルダーからデスクトップにコピーすると、通常のフォルダーに変化する

「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Libraries」フォルダーから操作すれば、ライブラリの状態が維持される

こちらはコピー後のプロパティダイアログ。デスクトップにあることが「場所」で確認できる

前述した「目立たせる」という意味では、デスクトップにコピーもしくは移動すれば、より参照しやすく、作業もはかどるだろう。

ネットワークフォルダーを追加できない?

このように便利なオリジナルライブラリだが、社内の共有フォルダーもライブラリに加えれば、さらに便利に思える。だが、プロパティダイアログからネットワーク上の共有フォルダーを追加すると、下図のようなメッセージが現れるはずだ。

共有フォルダーをライブラリに追加すると現れるエラーメッセージ

そもそも「仮想フォルダー」であるライブラリが、通常のフォルダーとほぼ同じ感覚で操作できるのは、事前にインデックス情報を作成するからである。そのため、既定ではインデックス情報の作成対象外となる共有フォルダーの追加を試みると、エラーになってしまうのだ。

この他にも、CD/DVD-ROMといった光学メディアは基本的に追加できない。USBメモリーは追加できるが、ドライブ接続時に限定されるため、ライブラリに追加するメリットはないだろう。

では、具体的な方法は……となるが、誌面も尽きてきたので、続きは次回お送りする。

阿久津良和(Cactus)