Windowsには、不要なウィンドウを最小化する操作方法が複数存在するのをご存じだろうか。今回は最小化に関する操作方法と、その違いについて解説する。

「Windows 8.1ミニTips 第17回」より、2014年4月9日にリリースされたWindows 8.1 Updateを適用した環境を対象としています。

ウィンドウを最小化する方法

Windowsに限った話ではないが、デスクトップに複数のウィンドウを並べて異なる作業を並行して行えるのが、ウィンドウシステムを採用するOSやGUIの利点である。とはいっても、画面解像度などの関係で、異なる作業に切り替える場合は既存のウィンドウを最小化し、別のアプリケーションを起動するシーンは多い。

標準のWindowsでは、ウィンドウの右上に並ぶ「最小化」ボタンや、左上のアイコンをクリック/タップして開くシステムメニューの「最小化」を選択することで、ウィンドウを最小化することが可能だ。

さらにシステムメニューは、タスクバー上のボタン(該当するウィンドウ)にマウスカーソルを置き、Shiftキー+右クリック/長押しで呼び出せる。こうした複数の方法によって、特定のウィンドウだけを最小化できるのだ。

ウィンドウフレームの右上にある「最小化」ボタンをクリック/タップする

ウィンドウフレームの左上にあるアイコンをクリック/タップし、システムメニューの「最小化」をクリック/タップする

タスクバー上のボタンを「Shift」キーを押しながら右クリック/長押し。これでシステムメニューが現れる

すべてを最小化する「デスクトップの表示」

すべてのウィンドウを最小化する場合、Aeroシェイクというマウスジェスチャーもあるが、タスクバーの右端に用意された「デスクトップの表示」機能も見逃せない。こちらは一度ウィンドウを最小化し、再び同じアクションを実行すると、最小化していたウィンドウが復元するというもの。

以前は、クイック起動バーに「デスクトップの表示」ショートカットが用意されていたものの、Windows 8の初期状態ではクイック起動バーが非表示となった。そのため、ワンステップで全ウィンドウの最小化/復元を行う本機能に限られる。

タスクバー右端の「デスクトップの表示」ボタンをクリック/タップで、すべてのウィンドウが最小化し、再度同じボタンをクリック/タップすると元の状態に戻る

「デスクトップの表示」ボタンを右クリック/長押しするとメニューが現れ、既定アクションである「デスクトップの表示」と「デスクトップのプレビュー」という項目を確認できるはずだ。

「デスクトップのプレビュー」は、Windows 7時代に用意されていたデスクトップガジェットを、素早く表示させるシーンを想定して実装した機能である。だが、Windows 8以降、デスクトップガジェットは廃止されたため、本機能の活躍場所はデスクトップの背景画像を見るくらいしかない。

「デスクトップの表示」ボタンを右クリック/長押しし、「デスクトップのプレビュー」をクリック/タップしてチェックを入れる

「デスクトップの表示」ボタンにマウスオーバーすると、ウィンドウに半透過効果が加わり、デスクトップが現れる

なお、これらの機能を呼び出すには、ショートカットキーを使った方が便利だ。Windows 8.1は、「Win」+「M」キーと「Win」+「D」キーの2種類を用意している。前者は開いているウィンドウを「すべて最小化」、後者は前述した「デスクトップの表示」を実行するというものだ。

「すべて最小化」と「デスクトップの表示」の違い

ここで気になるのは、その違いである。「Win」+「M」キーの「すべて最小化」は、システムメニューの「最小化」を繰り返し実行している。そのため、「最小化」をサポートしていないウィンドウは取り残されてしまうのだ。

コントロールパネルの「システム」と、「システムのプロパティ」を開いたところ。「システムのプロパティ」ウィンドウには、右上に最小化ボタンがない

上図の状態で「Win」+「M」キーの「すべて最小化」を実行すると、「システムのプロパティ」ウィンドウだけデスクトップに取り残される

一方の「Win」+「D」キーで実行する「デスクトップの表示」は、「すべて最小化」を拡張した機能であり、すべてのウィンドウの順番(スタック)を一番後ろに引き下げている。そのため、同じアクションを実行すれば、ウィンドウを復元することが可能なのだ。

ちなみに「デスクトップの表示」を実装したのはWindows 98以降だが、まれにウィンドウの順番が正しく復元されないケースが発生する。例えば、ネットワークの共有フォルダーを表示している場合など、応答に時間がかかるウィンドウが含まれているときに、復元を後回しにするため起きる現象だ。

阿久津良和(Cactus)