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ユーザー設定やMicrosoftアカウント情報が削除される

第172回で紹介したように、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションには、リセット機能が用意されている。これは、UWPアプリケーションへアドオンを追加し、不安定になってしまった際、初期状態に戻す機能だ(ちなみに執筆時点でUWPアプリケーションのアドオンを見かけることはない)。

「設定」の「アプリ/アプリと機能」から対象となるUWPアプリケーション→「詳細オプション」とクリック/タップ

後は「リセット」→「リセット」と順にボタンをクリック/タップ

「設定」の説明にあるとおり、リセットするとMicrosoftアカウントのサインイン情報や、アプリケーション上で行った設定情報が初期状態に戻る。

リセット前の「ストア」。Microsoftアカウントで用いているアイコンが確認できる

リセット後はMicrosoftアカウント情報が破棄され、再サインインを求められる

ここで意識したいのが、「何がリセットされるのか?」だ。Microsoftのドキュメントによれば、UWPアプリケーション上で使用するデータを、ユーザー設定やアプリケーションの状態情報と、ファイルの2種類と定義している。

例えば「ストア」をリセットした際、設定情報を格納していると思われる「%USERPROFILE%\AppData\Local\Packages\Microsoft.WindowsStore_8wekyb3d8bbwe\Settings\settings.dat」が初期状態に戻ることを確認した。

「settings.dat」のプロパティダイアログ。リセットを実行したタイミングよりも、古い更新日時となる

つまり、UWPアプリケーションのリセットは、設定や参照するファイル用のデータストア(保存先)を初期化するアクションであり、参照するファイルが削除されることはない。

その1例として紹介したいのが「Grooveミュージック」である。下図にあるとおり、リセットすると初期設定から始まるものの、Grooveミュージックが参照するフォルダー(「ミュージック」フォルダーおよびOneDriveの「ミュージック」フォルダー)内のファイルは削除されないのだ。

リセット前の「Grooveミュージック」。各「ミュージック」フォルダーに保存した楽曲ファイルをリストアップする

リセット後にGrooveミュージックを起動すると、初期設定から始まる。だが、楽曲ファイルは削除されないため、再びリストアップされる

UWPアプリケーションが不安定になった場合は、安心してリセットを実行してほしい。

阿久津良和(Cactus)