「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。

"ながら観"できる「コンパクトオーバーレイ」

Windows 10 バージョン1703(Creators Update)では、動画ウィンドウを小さく映し出す「コンパクトオーバーレイ」機能が加わった。動画を観ながら普段の作業を行うときに有用な機能である。

Windows 10の標準動画再生アプリケーションである「映画&テレビ」は、タイトルバーを消すことはできなかった。さらに、ウィンドウサイズを変更しても縦横比はそのままなので、上下に非描画領域が生まれてしまい、没入感が欠ける(フルスクリーン表示の場合は自動調整される)。

一方、コンパクトオーバーレイ機能を使うと、タイトルバーや非描画領域を解消することが可能だ。動画の縦横比はウィンドウに合わせて調整され、マウスオーバー時は「再生」「ポーズ」、10秒の「巻き戻しスキップ」、30秒の「早送りスキップ」ボタンが利用可能になる。なお、ウィンドウ下部に再生位置を示すシークバーが加わるものの、ここから移動することはできない。

「映画&テレビ」で動画再生中の状態。動画内容はご覧に入れられないが、ウィンドウ内の上下に非描画部分が加わる。コンパクトオーバーレイを実行するには、「ミニビューで再生」ボタンをクリック/タップ

コンパクトオーバーレイモードの「映画&テレビ」。マウスオーバー時はコントロールボタンが現れる。ウィンドウの位置やサイズは自由に変更可能だ。元に戻す場合は右下の「ミニビューをやめる」ボタンをクリック/タップ

コンパクトオーバーレイはUWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーション版「Skype」でも利用できる。通常のビデオ通話を行うとコンパクトオーバーレイウィンドウが現れ、相手のビデオカメラで撮影した動画がデスクトップ上に現れる仕組みだ。

UWP版Skypeでビデオ通話を行う際もコンパクトオーバーレイが利用できる

コンパクトオーバーレイモードはViewMode APIで実現可能にしている。コンパクトオーバーレイが利用できるPCか確認し、既存のウィンドウをコンパクトオーバーレイモードへ移行することなどが可能だ(詳しくは公式ブログを参照)。

UWPアプリケーションであれば、コンパクトオーバーレイは容易に実行できるため、少なくともMicrosoft製アプリケーションには、今後も実装が広まるだろう。

阿久津良和(Cactus)