「Windows 10ミニTips」は各回の作成時点で最新のWindows 10環境を使用しています。

Windowsのセッションとは

Microsoftは、Windows NT 4.0時代に各PCをシンクライアントとして利用するTerminal Serverエディションを用意していた。この機能は以降も引き継がれ、Windows 10でもリモートデスクトップ接続などいくつかの機能が利用できる。シングルユーザーには関係のない話に見えるが、Windows 10にサインインし、PCを対話的に利用できる「セッション」という概念に注目だ。

コマンドプロンプト上で「query user」を実行すると、現在のセッション一覧が現れる

例えば、Windows XP時代に加わった「ユーザーの高速切り替え」は、現在のユーザーをサインアウトせずにセッションだけを切断し、他のユーザーによるサインインを可能にする機能だ。

通常であればスタートメニューのユーザーアイコンをクリック/タップし、サインインするユーザーをクリック/タップすることで、サインイン中のユーザーを切り替えられる

この操作をコマンドラインから実行するのが「tsdiscon.exe」。文字どおり「Terminal SessionをDISCONnect(切断)」するコマンドだが、こちらをワンクリックで実行できれば、1台のPCを複数のユーザーで利用する環境で便利だろう。

「tsdiscon」のヘルプメッセージ。主にセッションの切断を主目的としている

ショートカットファイルを作成する

基本的な作成方法は下図に示したとおり、ショートカット作成ウィザードを利用する。今回はショートカットファイルのアイコンを変更しているが、不用であれば手順をスキップしてかまわない。

デスクトップの何もないところを右クリック/長押しし、「新規」→「ショートカット」と順にクリック/タップ

テキストボックスに「%windir%\System32\tsdiscon.exe」と入力して、「次へ」ボタンをクリック/タップ

テキストボックスの内容を任意のショートカットファイル名に変更して、「完了」ボタンをクリック/タップ

ショートカットファイルを右クリック/長押しし、「プロパティ」をクリック/タップ

「アイコンの変更」ボタンをクリック/タップするとエラーメッセージが現れるので、「OK」ボタンをクリック/タップしてダイアログを閉じてから、任意のアイコンを選択して、「OK」→「OK」と順にボタンをクリック/タップ

ショートカットファイルをダブルクリックすると、サインイン中のユーザーはそのままでセッションが切断され、サインイン画面が現れる。スタートメニューからの操作と異なり、次にサインインするユーザーの選択が必要になるのは、残念だが回避方法は見つからなかった。

作成したショートカットファイルをダブルクリック/タップすると……

Windows 10のサインイン画面が現れる。後はサインインするユーザーを選択して、サインイン操作を行えばよい

この時点でシャットダウンもしくは再起動すると、サインイン中のユーザーが開いている未保存のファイルは破棄される。あくまでもセッション切断中であることに注意してほしい。

阿久津良和(Cactus)