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Windows 10 バージョン1607(Anniversary Update)では、スリープからの復帰時にパスワードを求めるか否かの設定が、「サインインオプション」に移動した。ここで設定すれば、スムーズにPCを利用できる。

「サインインを求める」セクションで「表示しない」を選択する

Windows 10は従来のコントロールパネルから「設定」へと、各種の設定項目を移行させつつある。これは以前から紹介してきたが、「スリープ復帰時のパスワード入力設定」もその1つだ。Windows 10 バージョン1511までは、「電源オプション」-「システム設定」から、スリープ復帰時におけるパスワード入力の有無を選択できたが、Windows 10 バージョン1607はその項目が取り除かれている。

では、どこへ移動したのかといえば、「設定」-「アカウント/サインインオプション」だ。「サインインを求める」セクションのドロップダウンリストから「表示しない」を選択すれば、スリープから復帰するときのパスワード入力をスキップできる。

検索ボックスに「サインイン」と入力し、検索結果として示された「サインインオプション」をクリック/タップ

ドロップダウンリスト→「表示しない」→「×」ボタンと順にクリック/タップ

選択肢は「PCがスリープから復帰したとき」「表示しない」の2つだが、本来はスリープ復帰時のパスワード入力は、セキュリティ対策として組み込まれた機能だ。そのため、2in1 PCなど紛失や盗難の可能性がある場合、後者はリスクがあることを踏まえて選択してほしい。

「PCがスリープから復帰したとき」を選択した状態。スリープ復帰時はそのままパスワード入力を求められる

「表示しない」を選択した状態。スリープ復帰後はそのままデスクトップが現れる

ところで、今回の内容を検証していたところ、首をかしげる現象に出くわした。下図はHyper-V上のWindows 10だが、「サインインを求める」セクションが現れないのだ。

こちらはHyper-V仮想マシンのWindows 10。「サインインを求める」セクションが現れない

ネット上で調べてみたところ、ローカルアカウントにパスワード設定していない、かつ、Microsoftアカウントを使用していない場合に、そのような現象が現れるという。だが、筆者は最初にローカルアカウントでセットアップを完了させているため、その情報は当てはまらない。強いていえばMicrosoftアカウントに切り換えているのが相違点となるが、該当環境でローカルアカウントに変更しても変化を確認できなかった。

そこで思いつくのがWindows 10へのサインイン状態。Hyper-Vは仮想マシンにRDP(リモートデスクトッププロトコル)を使用し、接続時は画面の解像度変更など制限は多い。試しに「サインインを求める」セクションが表示されるPCにリモートデスクトップ接続を用いて確認したところ、同じように「サインインを求める」セクションが現れなかった。

リモートデスクトップ接続で他のPCに接続した状態。同じように「サインインを求める」セクションが現れない

これらのことから、Hyper-V仮想マシンの場合は、スリープ復帰時のパスワード入力を(諦めて)行うのが、現時点での対応となるだろう。

阿久津良和(Cactus)