高速道路の所要時間を概算するワザ - カーナビの設定変更も忘れずに

高速道路の所要時間は走行速度ベースより低めに出る

高速道路では電車と違って自分で車を運転しなければならない。だから、どの程度のスピードを出すかはドライバーの裁量次第であり、それによって所要時間も違ってくる。

とはいうものの、高速道路には制限速度があり、それを無視して調子に乗って飛ばしていると、いつの間にやら後ろのほうで赤色回転灯が点滅して……なんていう事態になりかねないので、ほどほどに抑えておかなければならない。

一部の区間の制限は時速100kmだが、基本的には時速80kmが制限の区間のほうが多数派だろう。その多数派の区間も実際には時速100km程度で流れていることが多い。しかし、時速100kmで所要時間を計算すると、実際の所要時間よりもかなり短めに出てしまう。つまり、実際にはもっとスピードが落ちるということになるわけだが、その理由は以下のとおりだ。

• サービスエリア/パーキングエリアで休憩すれば、たちまち10分や20分は経過してしまう
• 上り坂で知らない間に速度が落ちている
• 他のクルマとの絡みでスピードを落とさざるを得なくなる
• 覆面パトカーに遭遇する(笑)

もっとも、サービスエリア/パーキングエリアでの休憩時間は人それぞれだし、「単にトイレに立ち寄るだけなのか」、「ゆっくり食事をとるのか」など目的によっても大きく変動する。だから、それはとりあえず考えないことにしよう。すでに本線上を走っていて、「次の予定休憩地点あるいは目的のインターチェンジまでどれくらいかかるかを概算する」という前提で話を進める。

そこで登場するのが「分速1.5kmの法則」だ。これを時速に換算すると90kmだ。一般的な走行速度の時速100km前後よりも少し低めだが、前述したような事情からこのペースを維持できるとは限らないので、少し低めの速度で概算するほうが実際の所要時間に近くなるというわけだ。

分速1.5kmというのはキリが良く、換算しやすいので便利だ。2分で3km、30分で45km、1時間で90kmとなる。「○○ICまで18km」と表示が出ていれば、「18÷1.5=12分」という計算が成り立つ。逆に、走る時間を基に「このペースなら○km先まで行けるな」と概算する時にも使える。高速道路では道端に100mごとにキロポストが設けられているので、これは現在位置を知る時の手立てとなる。

カーナビの設定も「分速1.5km」に合わせておく

さて、カーナビで目的地をセットして走っていると、到着予想時刻を表示してくれる。これも考え方は同じで、高速道路と一般道でそれぞれ平均速度をセットしておき、距離をそれで除算することで所要時間を割り出せばよい。だから、カーナビの設定画面で高速道路の平均速度を時速90kmに設定しておくと、この「分速1.5kmの法則」との整合性がよくなる。

生憎、筆者が使用しているカーナビは20km刻みになっているため時速90kmに設定できないが、可能ならそうしたかったところだ。

ただし、一般道になると本当に「場所と状況によりけり」なので、一定の速度は設定しづらい。その時点での巡航速度を基にして、信号にひっかかることを考慮して低めの数字を使う、という見当だろうか。60km/hなら「分速1km」となって計算しやすいのだが、一般道でこの数字は速すぎる場合が多いだろう。

燃費のデータを把握しておこう

所要時間の話からは外れるが、ついでに「どれくらい走れるか」という話のつながりで燃費の話もしておこう。といっても、ここでは簡単に「自分のクルマの燃費データを把握しておこう」という話だが。

筆者は自分でクルマを持つようになって13年ほど経つが、その間ずっと「いつどこに行って何km走ったか」「いつ給油したか」「燃費はどれくらいか」といったデータを記録し続けている。

走行距離と満タンになるまでの給油量がわかれば、いわゆる満タン法で燃費を把握できる。それと自分のクルマの燃料搭載量を突き合わせれば、無給油でどれくらい走れるかという目安をつけられる。そして、最初に行程を組む時点で、「どの辺まで行ったら給油しないといけないな」という見当もつく。

最近は平均燃費計を備えたクルマが多くなっている。そのデータを利用して、「あと何kmぐらい走れます」と表示してくれるクルマもある。ただし、筆者の経験では、満タン法で計測した数字よりも良い数字が出る傾向があるようだ。その辺の誤差もマメにデータをとっておけば把握しやすい。