近鉄を代表する特急用車両のひとつ、30000系「ビスタカー3世」も、元々は伊勢志摩観光特急用としてデビューしたとのこと。リニューアルを経て現在は「ビスタEX」を名乗り、現在も伊勢志摩方面の特急列車の運用に就く。来年デビュー予定の新型観光特急「しまかぜ」にとって、まさに"大先輩"と呼ぶべき存在だ。

列車情報

近畿日本鉄道 30000系「ビスタEX」

基本情報

30000系は1978(昭和53)年、近鉄特急のシンボル「ビスタカー3世」として誕生。当時は伊勢志摩方面への特急の運用が増えていた時期で、30000系も伊勢志摩観光特急用としてデビューしたという。4両編成のうち、中間車2両は2階建て構造で車両中央に扉があり、先代の10100系(新ビスタカー)と比べて階上席の居住空間が広くなった。階下席は定員6人の小客室に。30000系は1979年に鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞した。

デビュー後、伊勢志摩方面の特急だけでなく名阪ノンストップ特急などにも使われており、長らく近鉄を代表する車両だった。1996(平成8)年より「ビスタEX」としてリニューアルされ、階上席は側窓に曲面ガラスを用いて高さを拡大し、車内も椅子のシートピッチを広げるなど改良された。階下席は2010年よりグループ専用席となり、ヨットのキャビンをイメージした座席に改造されている。