渋谷~中央林間間を結び、東京メトロ半蔵門線・東武スカイツリーラインと相互直通運転を行う東急田園都市線の車両はバラエティに富んでいる。東急電鉄所有の車両は8500系・5000系のほか、少数派ながら8590系・2000系も活躍している。

8590系の各駅停車押上行。車体前面に貫通扉が設置されている

8590系は先頭車のみ1988年から製造され、8090系の中間車を連結している。8090系の先頭車が非貫通だったのに対し、8590系は車体前面に貫通扉を設置し、地下鉄との直通運転にも対応した。かつて8090系とともに東横線で活躍した車両だが、5050系が登場した後、東横線から撤退。大井町線に活躍の場を移した編成もすでに引退し、東急電鉄が所有するのは田園都市線・半蔵門線で運用される10両編成2本のみだという。

2000系の各駅停車渋谷行。東横線で活躍した9000系と同等の外観デザイン

2000系は田園都市線の輸送力増強を目的に1992年から登場。東横線で活躍した9000系をベースに3編成製造され、デザインや基本仕様も9000系と同等だが、3・9号車に車いすスペースを設置し、握り棒の増設、新しいデザインの貫通扉・シートの導入など「通勤電車のアメニティーを追求した車両」だったそう。ちなみに、9000系は現在、大井町線の車両として活躍しており、二子玉川~溝の口間で田園都市線の電車と並走する。

8590系・2000系は朝夕のラッシュ時間帯を中心に運用されている様子。どちらも東京メトロ半蔵門線押上駅まで運行可能だが、東武スカイツリーラインへの乗入れには対応しておらず、そのことを示す「K」のマークが車体前面に取り付けられている。