【コラム】

創作のための心のTips「夜中のサバイバル」

8 クリエイターにとって、この連載が持つ意味を改めて考えてみる

 

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「創作のための心のTips」ということで連載執筆しておるわけでございますが、それは、僕が創作をすること自体それよりも、『創作できる気持ち』を作り上げることに時間やエネルギーを費やしてきたなあと思うからです。出来上がった作品の質はともかく(ほんとはそれ、大事ですけど)、ひとまず25年以上フリーでモノを創って生きてこられたので、それなりの蓄積されたノウハウもあるんだろうと、自分に期待しつつ、その秘技? をみなさんにおすそ分けしようと、高台からうぬぼれた態度ではございますが、今回もお送りしようと思っております。

僕はマンガ家としてデビューしたので、周囲にはもの作りに携わる仕事をしてる人達がやはり多かったんですね。で、やっぱりそういう人のうち、何人かは、どこか性格が危うく、バランスを欠いてて、若かったというのもあるかもしれませんが、やたら躁鬱が激しかったり、急に消息不明になったり、神秘主義に傾倒し易く、最悪死んじゃったりするんですよね。最悪の結果になった友人も何人かおります。才能は超ド級なのに、もったいないなあと思いました。

創造的になるとことは、雑務にまみれた日常から離れて、精神を深く沈めて自分の本当の気持ちを起ち上げ、非日常、夢や無意識の中から何かを拾い上げてゆく孤独で危険な作業だということもできます。且つ、自身の健康管理もしつつ、日常生活も、人付き合いもこなし、創作に打ち込める日々を設計するという高等テクニック! 人付き合いが苦手だからと会社を辞めて、フリーになる人もいるけど、人付き合いが苦手な人ほど定職に就いた方が賢明なような気がします(創造的な才能を求める企業もたくさんある)。しかし、高等技術かなんかしらんけど、とにかく創るのが好き、創作に携わって生きてゆきたい! 機械的な労働は機械がやる、人間のやることは創造的な労働! クリエイション以外にない。その事に気づいちゃった人、そんな人にこそ、この連載を読んでほしいです。若きクリエイター志望者が今夜もどこかで危ない精神のつり橋を渡りながら、命からがらサバイバル。今さらながら連載タイトルの説明になりましたが、それらの様々なテクニック、創作する気持ちを創ってゆく心のセットアップからメンテナンスまでを、細かく具体的にこれからもこの連載記事でご紹介したいと思ってます。

始めに言っておきますが、かなり個人的な偏ったものになります。あたりまえです、心のありようなんて、生まれついての性格なんてものもあります。ではありますが、共通する部分もあるはずなので、これは当てはまる当てはまらないと、都合よく理解していただけたらありがたいです。書く方も気が楽です。

創作に携わりながら生きてゆく、それは贅沢で楽しい人生だと思います。才能は超ド級なのに消息不明な人たちのことを考えるに、これはぼくが歳をとって今だからハッキリわかってきたことなんだけど、創造力というのは、人とのかかわり合いの中で膨らんでゆくんですよね。自分の表現したものが人の心をどう動かすのか、人の気持ちを理解できる、人の痛みがわかる、そんな思いやりなくして、創造もクソもないのだなあと思う。これまでぼくがお会いした第一線で活躍されているクリエイターといわれるような人の印象は、「意外とちゃんとしてるなあ~」でした。メディアを通して拝見した印象は派手で狂ってるなあと思ってた人も、実際に会ってお話しすると、礼儀や心配りなどの繊細さにおいてはブレていない。

創作を志す者、消息不明はダメー! 人付き合いの窓は全開にしよう。メールの返信はすぐにしよう。人と会えばちゃんと挨拶しよう、まずはそこから。最後は筆者自身への言い聞かしになりましたが、ではまた次回!

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タナカカツキ


1966年、大阪府出身。弱冠18歳でマンガ家デビュー。以後、映像作家、アーティストとしても活躍。マンガ家として『オッス! トン子ちゃん』、『バカドリル』(天久聖一との共著)など作品多数。1995年に、フルCGアニメ『カエルマン』発売。CM、PV、テレビ番組のオープニングなど、様々な映像制作を手がける。映像作品『ALTOVISION』では「After Effects」や「3ds Max」を駆使して、斬新な映像表現に挑んだ。

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インデックス

連載目次
第42回 年齢と共に変化するクリエイティブのための時間帯
第41回 夜はクリエイティブの源泉
第40回 クリエイティブのための心の準備について
第39回 「無」を手に入れるということ
第38回 「無」について考えてみる
第37回 クリエイティブにおける室内労働の未来ついて
第36回 クリエイエィブにおける心身の健康について考える
第35回 ウネウネ表現の応用について
第34回 昆虫にまつわるお話(その2)
第33回 昆虫にまつわるお話
第32回 創作は誰に向けてするのかについて(後編)
第31回 誰に向けて創作するのかについて
第30回 クリエイティブにおける黄金比とは
第29回 岡本太郎生誕100年記念 造形の美にせまる(その6)
第28回 岡本太郎生誕100年記念 造形の美にせまる(その5)
第27回 岡本太郎生誕100年記念 造形の美にせまる(その4)
第26回 岡本太郎生誕100年記念 造形の美にせまる(その3)
第25回 岡本太郎生誕100年記念 造形の美にせまる(その2)
第24回 岡本太郎生誕100年記念 造形の美に迫る(その1)
第23回 のら猫クリエイティブ(その3)
第22回 のら猫クリエイティブ(その2)
第21回 のら猫クリエイティブ(その1)
第20回 創作に沁みこむ愛情
第19回 クリエイティブの未来をイメージするということ
第18回 本来の創作の役割について
第17回 表現としての「自然」について考えてみる
第16回 人間の手には負えない表現について考える
第15回 クリエイティブなセッションを続けるとは、どのようなことなのか
第14回 PCとクリエイティブなセッションを続けるということについてさらに考察
第13回 パソコンとクリエイティブなセッションを続けるということについて
第12回 セッションするクリエイションとは
第11回 モーションキャプチャーを体験 一発撮りでムービー制作
第10回 実録モーションキャプチャー -絵が描けなくてもマンガ家になれた男とは?
第9回 クリエイターにとって、賑やかに騒ぎ過ごす時間の意味とは?
第8回 クリエイターにとって、この連載が持つ意味を改めて考えてみる
第7回 クリエイティブという仕事の「贅沢さ」について考える
第6回 修練を続けるための「覚悟」について考える
第5回 修練によって得られる技術について考えてみる
第4回 「Photoshop CS5」の新機能を、さらに色々と試してみる
第3回 「Photoshop CS5」の新機能を色々と試してみる
第2回 クリエイションと深い関わりのある緊張と緩和の感覚
第1回 クリエイションと時間帯の関係 -昼と夜、ヒトの精神に起こっていること

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