【コラム】
定量的な評価のためにはデータの蓄積が重要であることは既に述べた。たまにCPUやメモリの情報をチェックするぐらいでは、システムの正しい状態はなかなか見えてこない(かもしれない)。かといって、毎日ターミナルからsarコマンドを実行するのも面倒だ。そこで今回は、「sar」による情報収集を自動化する定番の方法を紹介したい。
簡単に流れを説明すると、Mac OS XやLinuxには、大抵sarのお友達として「sa1」「sa2」というシェルスクリプトが用意されている。sa1はシステムの稼働情報を収集して記録する「コレクタ」で、集めたデータを「saDD」という名前のファイルに出力する(saDDの"DD"は日付。1月31日のデータなら、ファイル名はsa31になる)。sa2はsa1が記録したデータを元に、デイリーの報告ファイルを出力する「レポータ」である。saDDファイルから、sarコマンドの出力と同様の形式のテキストファイル「sarDD」を生成する。
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試しにターミナルから直接、sa1とsa2を実行してみよう。ここではMac OS X環境を前提にするが、Linuxでもパスなどが多少異なるだけで基本は同じである。
まず、以下のようにsa1を実行する。
sa1に与える引き数は、基本的にsarコマンドと同じである。この例では、5秒毎に100回、合計500秒(8分20秒)間に渡って、バックグラウンドでシステムの情報を収集するわけだ。sa1を実行したら、虚飾の無いデータが取れるよう、8分20秒間普段通りに仕事をしてみよう。
設定した回数の情報収集が終わると、sa1は自動的に処理を終了する。これで、/var/log/saディレクトリには、saDDファイルが作成されているはずだ。saDDはバイナリファイルなので、lessやviなどで開いても単に化け化けの文字列にしか見えない。これを人間が読める形式にしてくれるのが、sa2スクリプトだ。以下のようにsa2を実行してみよう。
これで/var/log/saディレクトリにはsarDDファイルが作成され、元となったsaDDファイルは削除される。lessコマンドでsarDDファイルを開いてみよう。以下のように、CPU、メモリ、ディスク、ネットワークインターフェースの各情報がレポートされているはずだ。
つまり、sa1とsa2が適当なタイミングで実行されるよう、処理をスケジューリングしておけば、いちいち人手を介さなくても日々sarのログが取得できるわけだ。Mac OS Xのmanページには、/etc/crontabに以下の設定を記述する例が示されている。
この例では、月曜から火曜の8時ちょうどから20分毎に36回、つまり12時間の情報を、sa1で収集している。sa1が集めたデータは、20時30分にsa2が実行されることでレポートファイルに出力される仕掛けだ。あとは、サンプル収集の間隔や時間帯を、マシンの利用形態に合わせて調整すれば良いだろう。
ちなみに、Mac OS Xの場合はsar、sa1、sa2が最初から使えるはずだが、Linuxではインストールされていない場合もある。sarコマンドが見つからない場合は、各ディストリビューションの作法に従って、「sysstat」パッケージをインストールしよう。
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