【コラム】
Googleのビジュアルデザインの責任者にStopdesignのDouglas Bowman氏が就任した。"Visual Desing Lead"という、これまでGoogleには無かったポジションに就く。
Bowman氏は、CSSとWeb標準の採用を推し薦める先進的な考えを持ったWebデザイナーとして知られる。同氏の仕事では、2002年のWired Newsのリデザインが有名。GoogleではBloggerのほか、過去6カ月の間、コントラクタとしてGoogle Calendarの開発を手助けしてきた。また同氏はデザインコンサルタントという一面も持っているが、自ら編み出したテクニックを内部に閉じ込めずに、クライアントやWebコミュニティに率先して公開している。Googleとは波長が合いそうなタイプのデザイナーである。
Googleでは「全てのコラボレーション/コミュニケーション製品を通じた、共通のビジュアルランゲッジ(Visual Language)の確立に取り組む」という。同氏がこれまで関与してきたGoogle CalendarやBlogger、さらにはGmail、Writely、Google Page Creatorなどが含まれる。
全ての製品で、基本デザインや色、機能へのアクセス方法などを統一するのかな……と思うが、ビジュアルランゲッジということばには、メッセージを伝えるデザインという意味も含むようだ。たとえばWiredにおいて同氏は、ブランドのイメージが色で固定されることを嫌って、雑誌・Webサイト共に色をひんぱんに変更した。共通しているのは大胆な色づかいだけ。読者を混乱させるリスクもあるが、リピーターを飽きさせないというメリットもある。結果的にダイナミックに変わる色は、"大胆"、"新鮮"というような媒体のイメージを読者に伝えることになった。
「デザインが貧困なメッセージでは、ターゲットを捉えられません。情報があふれるようになる中で、私たちは必要のない情報をフィルターするようになりました。デザインにおいては、見た目の美しさは不可欠ですが、単に整っているというだけでは不十分であり、まして物事を複雑にしたり、障害になったりするようではいけません。デザインは、シンプルで私たちの生活を円滑にするようなモノであるべきです」と、同氏はビジュアルランゲッジについて説明している。
その意味では、ミニマリズムを追求したGoogleの検索ページのデザインも、ビジュアルランゲッジを実現していると言えそうだ。ユーザーに高速な検索技術を強くアピールしている。ただ今のGoogleは、検索を中心に、電子メール、メッセンジャー、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、ブログ、マップ、カレンダー、データベース、Webページ作成など、多様なオンラインサービスを展開している。これらを1つにまとめあげるのが次のステップとなる。この統合サービスにおいて、見た目や機能性に優れ、なおかつGoogleのメッセージが伝わるデザインを実現するのがBowman氏の役割である。これは結構タフな仕事になりそうだ。
テクノロジが売り物のGoogleに、ビジュアルデザインが重要かという疑問もあると思う。だが、広告を主体とするビジネスモデルでは、ユーザー層の拡大・維持が不可欠だ。ビジュアルデザインは効果的な一手となる。
最近米国では、SNSでトップを走るMySpaceのライバルとして、サンフランシスコをベースとしたBeboというサービスが注目されている。Beboは英国の起業家が2005年7月に立ち上げたサービスで、英国やアイルランド、ニュージーランドなどで先に火がついた。Hitwiseによると、Beboの4月のビジター・シェアは、英国ではMySpaceに次ぐ2位。米国では29位だが、5月14日~20日の週は25位と急成長の様子が見てとれる。
Nielsen//NetRatingsは4月のSNS動向調査で、MySpaceとBeboのメンバーが重複している傾向を指摘した。Beboのビジターの3人に1人がMySpaceを訪れ、逆にMySpaceのビジターの4人に1人がBeboを訪れているという。これはBeboを試した人が定着して、さらにMySpaceメンバーを取り込み始めた可能性が高い。両サービスを比べると、Beboの方がメンバーの利用時間が長いのだ。Beboメンバーの利用時間が1回のログインで平均1時間52分(平均429ページの閲覧)であるのに対して、MySpaceは同1時間28分(同391ページ)である。
では、なぜコミュニティ規模の大きいMySpaceからBeboに移るのか?
Beboは、Facebookと同様に学生向けのサービスである。だから、全体の54%が18歳以下。なおかつ女性メンバーが56%と多いのが特徴だ。ちなみにMySpaceの女性メンバー比率は46%である。MySpaceからBeboに乗り換えたメンバーの多くは、その理由として、MySpaceよりも簡単に操作できるシンプルなインタフェースとビジュアル効果を挙げる。
コミュニティサービスに興味を持っているティーンエイジャーは、多少パソコンが苦手でもMySpaceのようなサービスを利用している。だが、テクノロジに関心を持たない層には、使い勝手に不満が残るのが現状。メジャーサービスといえども、その層への対応を誤れば、思わぬ下克上に遭う可能性がある。
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