【コラム】
3月20~21日の2日間にわたって、サンフランシスコで第1回「ROBOlympics」が開催された。世界11カ国から173チーム、414台のロボット(と547人のロボットビルダー)が参加。ロボットサッカー、ロボット相撲、ロボットウォーズ、迷路競争など、合計34の競技が行われた。
会場となったフォートメイソン・センターは、サンフランシスコ市北端の海に面した元倉庫で、アート関係のイベントによく使われる建物だ。ゴールデンゲートブリッジを一望できる場所柄のせいか、会場は非常にリラックスした雰囲気だった。
主催者はRobotics Society of America(RSA)。ROBOlympicsと命名されているが、オリンピックのような競技会かというと、むしろロボット万博と表現した方が正確なように思える。というのも、オリンピックのように各国で予選を戦い、勝ち抜いてきたロボットたちが国の代表として戦う大会ではないのだ。国際的に広まっている競技もあるが、わずかな国でしか開催されていない競技も少なくない。それに競技によって、参加者の偏りも顕著なのだ。例えば二足歩行ロボット競技ならば、日本勢が圧倒的。アメリカだと人気はバトル系のイベントになる。このように、競技ごとにどこかの国の色が出てしまうから万博のような雰囲気がするのだ。
ROBOlympicsと名付けた主催者も、この大会で国別対抗戦を実現しようとしているわけではない。発起人のひとりであるDavid Calkins氏は、世界中のロボットビルダーの交流が本大会の目的だと説明する。
「長年ロボット競技に関わってきた関係で、私は世界中のロボットビルダーと交流を持つことができました。自律走行可能な繊細なロボットを開発している人、溶接工場のような場所で巨大なバトルロボットを組み立てている人など、世界には実にさまざまなタイプのロボットビルダーがいます。自分とは異なったタイプの人たちと話してみると、意外なアイディアに驚かされることが多いのですが、残念ながら地域や研究分野を越えた交流というのはあまり活発ではありません。だから、ひとつの屋根の下に彼らを集めるために、この大会を開催したのです。異なった国、異なった分野、プロとアマ、教師と学生、大人と子供など、あらゆる意味で壁を越えた貴重な経験ができると思います」(Calkins氏)
実際、最初は自分たちが関わっている競技に集中する参加者が多かったが、次第に他の競技に口を出す人たちが増えてきた。例えば、ロボット相撲で土俵に張り付いたように進む小型ロボットを見て、隣のロボットサッカーの参加者が「それはバキュームを使っているのか?」と聞いてくる。バキュームではなくマグネットだと聞くと、「仕組みが想像できん!!」と仕切りを乗り越えてやってくる。
日本代表とも言えるROBO-ONEにしても、ロボットウォーズ目的にやってきた人たち、つまりWWE的なお祭り騒ぎが好む人たちに受け入れられるのか心配だった。だが、競技参加者が入り口近くに陣取り、時間をかけて二足歩行ロボットを説明していたのが奏功したのか、競技が始まったらロボットウォーズにも負けないぐらいの人を集まってきた。
各競技の国際化の可能性を示したという点では、ROBOlympicsという名前がふさわしい大会だった。このまま競技の輪・ロボットビルダーの交流が広まり、いつかは34の競技が世界中で行われるようになって、オリンピック的な大会に成長すればと思う。
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